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小さな旅・思い立つ旅 東山連峰の美術館篇

StayHomeと言ったって、ずっと家に閉じこもるばかりでは耐えられない。できることは、犬を連れて散歩をするか、目的もなくただひたすら車でドライブするか。

振り返ると、昨年のGWは一歩も車から降りることなく、京都市内をドライブ。いつもの風景とはうってかわって人も車もまったくいないから、どこまでも奥深くまで車で行けてしまう。。

東寺→西本願寺→二条城→御所を車から眺めて、五条坂や維新の道を車で通って、清水寺や高台寺にまったく人がいないことを横目で確認し、八坂神社→知恩院→平安神宮→南禅寺までもいっきに巡る。
さらに嵐山まで足を伸ばして渡月橋を車で渡って、9号線から亀岡経由で大阪に帰る。

ということで、落ち着いたら是非とも行ってほしい京都の美術館をリストアップ。たくさんあるので、今回は東山連峰に沿ってドライブしながら巡れるところを選定してみる。

東山連峰

京都盆地の東部、琵琶湖と隔てる南北12キロにおよぶ山々の総称。北は比叡山から、南は稲荷山まで。
「東山」とは一つの山系の名ではなく、京都の中心部から見て東に見える山を指す。したがって、他の山と鹿ヶ谷で隔てられている吉田山が含まれる一方、比叡山の北に連なる比良山系の山は含まれない。

東山が見えるか見えないか、京都ではこれがとても重要で、建物を設計する時にも特段気にするポイントとなる。加えて、景観規制で東山への眺望が確保されるような都市計画になっているから、考えたくなくても考えざるをえない。。

と、いうことで東山連峰に沿って巡る美術館の旅。小さなものから大きなものまで、いい建築が東山にはたくさんある。

陶板名画の庭/安藤忠雄

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初めて訪れたのは大学生の時だったと思うけど、こんなに小さいのに豊かで開放的な建物があるのかぁと感心した記憶あり。日本の美術館では写真NGが多いけど、ここはいくらでも撮影できるし、子供が少しくらい走ったりはしゃいだりしても気が咎めない。本来、美術と向き合うのはこのくらい楽しいものでないといけないような。。


ザ・プリンス京都宝ヶ池/村野藤吾

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美術館ではないけれど、村野藤吾の建築はそれ自体が美術品のようなものなので、つい選出してしまう。。
曲線が多用された質感のある仕上は心地よく、すぐ近くには最近リニューアルした京都国際会館もあり、宝ヶ池から比叡山までの借景も含め、エリア全体が美術館。


重森三玲庭園美術館/重森三玲

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吉田山のふもとに佇む昭和を代表する庭園家の旧宅。石と苔の地割りで構成される枯山水が特徴的で、東福寺方丈庭園が有名。吉田山に立ち寄るついでに行くのがちょうどいいかと。
個人的には琵琶湖疏水と東山を取りれた小川治兵衛のほうが好きだけど、、

茂庵/谷川茂次郎

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吉田山の山頂にあるカフェ。なのでこちらも美術館ではないけれど、神楽岡通りからカフェに至るルートがもう最高。
吉田山の傾斜地に沿って敷きつめられた石畳の小道、大正時代に一体開発された銅板葺きの日本家屋群、車も自転車も入れない歩行者だけの静かな空間、もうそれは美術館でしょう。

京セラ美術館/青木淳

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たぶんあまりにも自然すぎて、ほとんどの人は昔の建物が綺麗になってよかったね、としか感じてないのではないかと。緩やかに下がる前庭とそこに顔を出すエントランス、そしてエントランスから大階段でつながる中央ホールへの動線。掘り下げることで、古い重厚な外観に一切変更が加わらない、あくまでさりげなく。
予想通り、建築学会賞受賞。


将軍塚青龍殿

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こちらも美術館ではないけれど、、京都市内が一望できる大舞台。この景色を鑑賞する美術館ということで。
少し前には吉岡徳仁のガラスの茶室があったけど、これ常設展示でもよかったと思うんだけどなぁと。


河井寛次郎記念館

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大正・昭和にかけて京都を拠点に活動した陶工・河井寬次郎の住まい兼仕事場。三十三間堂や国立博物館にもう少し近ければ、もっとたくさんの人に気づいてもらえると思うんだけど、そこを悔いても仕方ない。二寧坂や清水寺からもちょっと遠いし、、
民芸運動の中心人物だけあり、暮らしを支える道具がいたるところにおいてあり、豊かで上質な空間がそこにある。



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