miumichimia | 旅と本と映画、そして建築も。

旅と本と映画。 建築も好きだけど、仕事なのでほどほどに。 大阪→島根→大阪。子ども3人…

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旅と本と映画。 建築も好きだけど、仕事なのでほどほどに。 大阪→島根→大阪。子ども3人、犬2匹。ただ淡々と津々浦々を転々と。

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記事一覧

小さな旅・思い立つ旅|京都情景 階段に魅せられて[京都駅、京都市美術館、伏見桃山陵]

めくるめく階段の世界へ 階段の魅力はその見た目、用途、そして見る角度によって実に多彩な表情を見せてくれること。なにより、床・壁・天井といった平面的な要素とは違い…

面白い本・好きな本|発酵からみる経済・情報・文化人類学[風土に根ざす]

微生物にいい環境は、人間にもいい環境 発酵はとっても奥が深い。味噌、醤油、酢、納豆、ぬか漬け、パン、ヨーグルト、くさや、なれずし、鰹節、紅茶、、、海、山、川に離…

面白い本・好きな本|魅惑のカフェインとアルコール[至高の嗜好と人類史]

暇と退屈は同じ? 哲学者 國分さんの著書にあった言葉。このふたつはしばしば混同して使われる。暇だなぁと言っても、退屈だなぁと言っても、なんとなく意味は伝わってし…

3つの好きな映画|階段の情景 癖と個性が滲み出す[ジョーカー パラサイト 千と千尋]

癖 と 個性 同じようで、全然ちがう。無意識に滲み出る現象という点は同じなんだけど、その過程は正反対。癖は無意識の積み重ねでカタチづくられ、個性は意識的な心がけ。…

3つの好きな映画|未来の記憶を掘り起こす[マッドマックス ガタカ ブレードランナー 時計仕掛けのオレンジ]

見えない未来を どう描いていくか レオナルド・ダ・ヴィンチは、数多くの発明を後世に伝えた。戦車、ヘリコプター、エンジン、水圧ポンプなどなど、膨大なアイデアを美し…

小さな旅・思い立つ旅|かき と しらす の 口福な旅[旬を求めて海辺の町へ]

旬のリズム と 週のリズム noteを始めて約3年。これまで週1回の更新を目安にしてたけど、最近は少し間隔を開けて月3回にしたりしなかったり。 土日休みの一般的な働き方…

小さな旅・思い立つ旅|美しい暮らしのある島、そして建築も[坐 茅 荘 園 窯 堂 舎]

建物は仮でも、暮らしに仮はない 大きな災害が起こるたびに、そこでの暮らしは破壊される。それでも日々の営みは続いていくので、仮説住宅に住まう状況に追い込まれる方々…

面白い本・好きな本|10000000000年の深淵な物語[宇宙、恐竜、生命、環境、文明]

歴史は10でできている 1の後ろにゼロを10個並べる。10,000,000,000、10billion、10ギガ、100億。資産100億円と聞くと、途方もない金額でもう別世界。100億再生となると、Y…

面白い本・好きな本|考える、耳を澄ます、研ぎ澄ます[夜空と宇宙とアインシュタイン]

考えることは、耳を澄ますこと、研ぎ澄ますこと 「考える」とは、とにかく何かをすることだ、そう思っているかもしれない。でも、それはどうも違うみたい。『はじめて考え…

3つの好きな映画|神秘のコーカサスに誘われて[ジョージア、アゼルバイジャン、アルメニア]

ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン__ そこはどこ? 国の名前は聞いたことがあっても、どこにあるかピンとこない人は多いはず。そこには理由があって、この地は…

3つの好きな映画|ゴジラ、ゲゲゲ、トットちゃん[新しい戦前の今、先の戦争に思いを馳せる]

大きな桃が川から流れてくる音は? 答えはそう、どんぶらこ。 日本人なら誰でも答えることができる簡単な問題。日本人の隅から隅まで浸透している桃太郎ってほんとすごい…

小さな旅・思い立つ旅|日本の建築文化と歴史を愛でる古寺巡礼[飛鳥から江戸まで、現代に息づく9つの足跡]

平安・江戸・令和 日本の人口が停滞・減少した時代はこの3つ 2024年、日本の人口は80万人くらい減少する予定。山梨県や佐賀県の全人口が1年でいなくなるほどのインパクト…

小さな旅・思い立つ旅|死ぬまでに行きたい神社巡礼[神秘の絶景から世界遺産まで]

2日から4日までは3日間 2時から4時までは2時間 「年末は30日まで営業します」と言われれば、当然30日は営業してる。なので「○まで」は○を含む。 「営業時間は17時まで…

面白い本・好きな本|トトロを観ちゃったときのような[ナウシカとエヴァンゲリオン]

“観たことない”は、時間という壁に守られている 観てないということは、これから観ることもできるし観ないこともできる。選ぶ権利が与えられている。観てしまうともうそ…

面白い本・好きな本|美しき古代文明 コトバの旅[ヒエログリフ、オノマトペ、ホモ・サピエンス]

はじめにコトバありき。 どんなメッセージも情報も、伝えるべき中身が空疎であればヒトの心を動かすことはきでない。ヒトの呼吸に一定のリズムがあるように、「読む」とい…

3つの好きな映画|「A24」の独創的な映像世界 心に残る家族の物語[アフターヤン、アフターサン、カモンカモン]

「ねぇ、パパ」はよくて「ねぇ、子供」はダメ? 「お兄ちゃんー」はよくて「妹ー」はおかしい? 普段何気なく使っている日本語だけど、よくよく考えるとちょっといやだな…

小さな旅・思い立つ旅|京都情景 階段に魅せられて[京都駅、京都市美術館、伏見桃山陵]

めくるめく階段の世界へ 階段の魅力はその見た目、用途、そして見る角度によって実に多彩な表情を見せてくれること。なにより、床・壁・天井といった平面的な要素とは違い、階段だけが立体的な造形で、まるでアート作品のよう。 ゆったりとした階段は昇る人を優雅な気分にさせ、機能的にコンパクトな階段は自然とキビキビとした動きにさせられる。 非日常の世界へ誘う階段があったり、圧倒的な大空間を演出する階段があったり、登り降りする人の動きを美しくみせる階段があったり、 ということで、GWも終

面白い本・好きな本|発酵からみる経済・情報・文化人類学[風土に根ざす]

微生物にいい環境は、人間にもいい環境 発酵はとっても奥が深い。味噌、醤油、酢、納豆、ぬか漬け、パン、ヨーグルト、くさや、なれずし、鰹節、紅茶、、、海、山、川に離島、人口わずか数千人の小さな村に、世界にも類例のない特殊な発酵文化が継承されていたり。 なぜ旅の目的地が発酵なのか? 醤油や味噌の醸造元、酒蔵、ワイナリー、ブルワリー。旅の目的地に発酵を選んでしまうことが少なくない。その理由がうまく言語化できていなかってけど、『日本発酵紀行』にその答えを見つける。 発酵に必要な

面白い本・好きな本|魅惑のカフェインとアルコール[至高の嗜好と人類史]

暇と退屈は同じ? 哲学者 國分さんの著書にあった言葉。このふたつはしばしば混同して使われる。暇だなぁと言っても、退屈だなぁと言っても、なんとなく意味は伝わってしまう。でも、よくよく考えると同じではない。 暇は何もすることのない、何もする必要のない時間を指す。その時なにを思っているかは関係ない。客観的なこと。対して、退屈は何かしたいのにできない状態を指す。感情や気分の問題。主観的なこと。 暇 = 退屈 ではない 暇で退屈することもあれば、暇じゃないけど退屈することもある

3つの好きな映画|階段の情景 癖と個性が滲み出す[ジョーカー パラサイト 千と千尋]

癖 と 個性 同じようで、全然ちがう。無意識に滲み出る現象という点は同じなんだけど、その過程は正反対。癖は無意識の積み重ねでカタチづくられ、個性は意識的な心がけ。癖も個性も、愛すべき人間の魅力ではあるけれど。。 無意識の結果の癖 心がけの結果の個性 そんな癖と個性は階段に如実にあらわれる。颯爽と駆け上がる人、息を切らしてうつむきながら歩く人、無造作に座る人、スケボーで滑り降りる人、踊る人。階段を舞台に人びとが行き交えば、そこにドラマが生まれる。 姿勢、足取り、立ち振る

3つの好きな映画|未来の記憶を掘り起こす[マッドマックス ガタカ ブレードランナー 時計仕掛けのオレンジ]

見えない未来を どう描いていくか レオナルド・ダ・ヴィンチは、数多くの発明を後世に伝えた。戦車、ヘリコプター、エンジン、水圧ポンプなどなど、膨大なアイデアを美しく描かれたスケッチで残している。 ダ・ヴィンチだけでなく、ミケランジェロ、ラファエロなど、ルネサンス時代の優れたエンジニアや建築家の多くは画家だったという。 その類まれなるスケッチで未来を描き、人々を魅了する。時代の権力者から職人まで、言葉を超えたコミュニケーションを可視化の力で成し遂げた。 可視化は 未来を

小さな旅・思い立つ旅|かき と しらす の 口福な旅[旬を求めて海辺の町へ]

旬のリズム と 週のリズム noteを始めて約3年。これまで週1回の更新を目安にしてたけど、最近は少し間隔を開けて月3回にしたりしなかったり。 土日休みの一般的な働き方なので、週7日のサイクルはリズムも掴みやすくていいけれど、どこか事務的で機械的な感じもしてしまう。 旬を慈しむ 上旬、中旬、下旬。1ヶ月を3つに分けた10日を表す「旬」という言葉。旬の野菜、旬の時期というように、「もっとも美味しい時期」「物事を行うのに適した時期」と言う意味もある。 noteの更新頻度

小さな旅・思い立つ旅|美しい暮らしのある島、そして建築も[坐 茅 荘 園 窯 堂 舎]

建物は仮でも、暮らしに仮はない 大きな災害が起こるたびに、そこでの暮らしは破壊される。それでも日々の営みは続いていくので、仮説住宅に住まう状況に追い込まれる方々も少なくない。 仮設 の 住宅 何らかの理由で、住み慣れた住処を離れて応急的に準備された住宅に住む。そんな住宅を人々は仮設住宅という。あくまでも仮で、応急的に簡易的につくられた建築。でも、そこで生きる方の人生に仮はない。いつ何時も自分の“本当の”人生を生きている。 暮らしに 仮 はない 仮設住宅と気軽に言うけ

面白い本・好きな本|10000000000年の深淵な物語[宇宙、恐竜、生命、環境、文明]

歴史は10でできている 1の後ろにゼロを10個並べる。10,000,000,000、10billion、10ギガ、100億。資産100億円と聞くと、途方もない金額でもう別世界。100億再生となると、YouTubeでは2022年に史上初めて達成した動画が誕生し、音楽のストリーミングでは昨年にYOASOBI『夜に駆ける』が日本初のビリオン達成だったので、100億再生はもう少し先の話。 10billion=10Gなので、10GBとなると急に親近感が湧いてきて、スマホの月のデータ

面白い本・好きな本|考える、耳を澄ます、研ぎ澄ます[夜空と宇宙とアインシュタイン]

考えることは、耳を澄ますこと、研ぎ澄ますこと 「考える」とは、とにかく何かをすることだ、そう思っているかもしれない。でも、それはどうも違うみたい。『はじめて考えるときのように』という本で出会った、とてもいい例えがひとつ。 考えるとは「ずっとそのつもり」でいること 考えている と 考えていない「考える」っていうのは、ぜんぜん心の状態や心の動きなんかじゃない。頭の中で「思考」という作業をしているわけじゃない。じゃぁ、「考えていない」と何が違うか。 それは、耳を澄まして、研

3つの好きな映画|神秘のコーカサスに誘われて[ジョージア、アゼルバイジャン、アルメニア]

ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン__ そこはどこ? 国の名前は聞いたことがあっても、どこにあるかピンとこない人は多いはず。そこには理由があって、この地はロシア、ヨーロッパ、アジアの交差点として、さまざまな文化や歴史が折り重なっている複雑な場所なので。 地図を見れば一目瞭然、ロシア、トルコ、イランという巨大な国に囲まれて、大コーカサス山脈の南側で、カスピ海と黒海にはさまれた豊かな自然地形を擁するところ。 その上、ワイン発祥の地であり、世界初のキリスト教国であり、ユ

3つの好きな映画|ゴジラ、ゲゲゲ、トットちゃん[新しい戦前の今、先の戦争に思いを馳せる]

大きな桃が川から流れてくる音は? 答えはそう、どんぶらこ。 日本人なら誰でも答えることができる簡単な問題。日本人の隅から隅まで浸透している桃太郎ってほんとすごい。 川の流れのように、ゆるやかに、 いくつも時代は過ぎて、季節は移ろう タモリが『徹子の部屋』で「来年はどんな年?」と訊かれて「新しい戦前」と答える。戦後78年ではなく“戦前”。一言発しただけなのでとても印象に残る言葉。 ということで、先の戦争を生き抜いた人の物語3選。いずれも今まさに公開中の邦画で、物語の原点

小さな旅・思い立つ旅|日本の建築文化と歴史を愛でる古寺巡礼[飛鳥から江戸まで、現代に息づく9つの足跡]

平安・江戸・令和 日本の人口が停滞・減少した時代はこの3つ 2024年、日本の人口は80万人くらい減少する予定。山梨県や佐賀県の全人口が1年でいなくなるほどのインパクト。毎年、一つの都道府県がなくなる時代って想像もできない。。 そんなときは歴史に学ぶ 日本の長い歴史の中で、人口が停滞した時代が2つ。一つは遣唐使を廃止した平安時代で、もうひとつが鎖国の江戸時代。外国に対して国を閉ざし、大きな経済成長と人口増加がない代わりに、日本の根幹を成す独自の文化が醸成される。 国風

小さな旅・思い立つ旅|死ぬまでに行きたい神社巡礼[神秘の絶景から世界遺産まで]

2日から4日までは3日間 2時から4時までは2時間 「年末は30日まで営業します」と言われれば、当然30日は営業してる。なので「○まで」は○を含む。 「営業時間は17時までです」と言われて17時59分まで営業するとは誰も思わない。ということは「○まで」は○を含まない。 これまで深く考えることなく使っていた表現だけど、よくよく考えるととても不思議な言葉。時間と日にちで答えが変わる。 死ぬまでに一度は行きたい神社巡礼 神秘の絶景から荘厳な世界遺産まで 「死ぬまで」は死を

面白い本・好きな本|トトロを観ちゃったときのような[ナウシカとエヴァンゲリオン]

“観たことない”は、時間という壁に守られている 観てないということは、これから観ることもできるし観ないこともできる。選ぶ権利が与えられている。観てしまうともうそれはない___ 知ってる人は知っている、かまいたちのトトロ漫才の一コマ。 かまいたち山内が生まれてから一度もトトロを観たことないと自慢するもの。レンタルも何回も繰り返される再放送の網も全部すり抜けてきたと力説する。観た後は、観る前には戻れない。初体験は人生で一度しかない。そんな哲学的めいたことを、とっても面白い漫才

面白い本・好きな本|美しき古代文明 コトバの旅[ヒエログリフ、オノマトペ、ホモ・サピエンス]

はじめにコトバありき。 どんなメッセージも情報も、伝えるべき中身が空疎であればヒトの心を動かすことはきでない。ヒトの呼吸に一定のリズムがあるように、「読む」という行為にも、その生理にふさわしいリズムがある。 ということで、「言葉」や「文字」について思考を巡らせ、美しき古代文明に思いを馳せるのもいいのでは?と言う話。 5千年前のヒエログリフが現代に蘇る 5万年前のオノマトペが言語をつくる 10万年前の共感への想いが言葉になる タッタッ→叩く フーフー→吹くもともとオノマ

3つの好きな映画|「A24」の独創的な映像世界 心に残る家族の物語[アフターヤン、アフターサン、カモンカモン]

「ねぇ、パパ」はよくて「ねぇ、子供」はダメ? 「お兄ちゃんー」はよくて「妹ー」はおかしい? 普段何気なく使っている日本語だけど、よくよく考えるとちょっといやだなぁと思うこと。「パパ」「兄」は上で、「子供」「妹」は下。そんな上下関係を、無意識に瞬時に感じ取って使っている日本の言葉。 「おーい、先生〜」といっても「おーい、生徒〜」とは言わないし、「先輩〜」といっても「後輩〜」とは言わない。常に上下関係を意識して、自分の立ち位置を理解した上で発する言葉。 わたし、ぼく、うち、