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女性は鷹揚(おうよう)な方がいい ー吉本ばなな

鷹揚とは、ゆったりとして小さなことにこだわらない様子を指す言葉。

作家のよしもとばななさんが50代に差し掛かり、たくさんの仕事に追われていた頃のお話です。

女子力の高い友人との会話


ある日、ばななさんは夫婦関係が良く、男性からもモテる友人女性たちと食事をしていました。

仕事でいっぱいいっぱいのばななさんは、朗らかな家庭をつくるにはどうしたらいいか悩んでいました。

そんな時、友人からこんな話が出てきました。

「お互いの仕事のいやだったことやストレスはふたりでは話し合わない、それぞれで解決して、家にはとにかくもちこまないようにする」

なるほど、と思いながら話を聞くばななさん。

友人は続けて言いました。

「なんでも話し合う夫婦っているけど、私は、何十年もたつうちに、自分のことは自分で解決して、ただ楽しく過ごそうとした夫婦と差が出るような気がするな。もちろん人によると思うけど、うちは今のやり方が合ってると思う。」

また別の友人もこう応えます。彼女も年上の旦那さんがいて、うまくやっています。

「だって、五十も過ぎてさあ、家に帰ってきてからも暗い話なんていけないよ!家ではさあ、ただ気を抜いてバカになれないと。楽しいことだけでいいよ、ただ明るい雰囲気だけでいい

「ね〜!ほんとうにそうだよね。五十過ぎて家に帰ってまでつめて考えられないよ」

そう共感し合う二人は、心の底から家庭とは笑顔でいる場なのだと信じている様でした。

そして、その大らかで何でも受け止めてくれそうな雰囲気を直に感じたばななさんは、彼女たちが夫と仲良くやれている理由が分かった気がしました。

働きすぎるとギスギスしてしまう女性


一方のばななさんはというと、

「男みたいに働いてるんだから、男に甘えさせるもんか!」と思ってしまうことがあったと言います。

当時のばななさんは、ほとんど自分の時間というものが無いくらい働き、家事も人を雇うことなく毎日自炊までしていたそうです。

そんな状況なので、ちょっとしたトラブルが起きれば自分も相手も責めてしまうような心境に。

ばななさんだけでなく、女性は家庭も大切にしたい人が多い。その分、仕事に時間や労力を奪われすぎると、フラストレーションが溜まってしまうのです。

しかし、自分と同じく仕事もこなす友人たちのあっけらかんとした会話を聞いて感心したばななさん。

改めて、男性とうまく暮らしていける女性ってどんな女性だろうと考えたときに、

それは、鷹揚(おうよう)な女性である。と思い至離ました。

「ま、いいか」を合言葉に


鷹揚な女性とはつまり、ゆったりした感じで、小さなことにこだわらない女性がいいということ。

それは、決して男性にモテるためとか、夫婦円満のためにそうあるべきだということではありません。

ばななさんは、自分自身の心と体のために鷹揚であるべきだと考えています。

「ま、いいか」「あんまり考えてもね、さ、お菓子食べて寝よ」

と諦めることができないと、他人と暮らすうえで、私たちはとてもしんどくなってしまう。

いや、夫婦でさまざまなことを共有したいし、意見を擦り合わせる必要がある。という考える人もいると思います。でも、それは多分「ま、いいか」の真実には迫れない。とばななさんは言います。

「ま、いいか」と諦めることで、家庭にゆるい空気が生まれます。もちろん自分の心の中にも。

それによって家事も多少おろそかになるし(笑)、モヤっとしたままの案件も出てくるけれど、このゆるい空気が、家族が居やすい雰囲気をつくってくれるとばななさんは実感しました。

そもそも、人間は完璧ではないし、その日によって答えも変わったり、態度も変わるもの。

だからこそ、「ま、いいか」と思える鷹揚な女性は、自分自身を助け、家庭にも笑顔を増やすことができるのです。

参照:吉本ばなな公式サイト「日記」より


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