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お金は「応援」

私の通っていた大学は、昔はみんな構内のいたるところで喫煙していた。なんなら、学食の入り口横でタバコの自販機まで置いていた。校門を入ってすぐのところに、大きな図書館があり、図書館前の広く長い階段は、みんなのお気に入りの喫煙スポットであった。

学生時代、斜に構えて喫煙していた私と、親友のメグは、よくこの「図書館前」でぼーっと日向ぼっこしながら一服するのが好きだった。なんでもない話をたくさんした。長期の休みには、二人とも海外に行ったりしていたので、帰ってきたらここで土産話を交換し合うのが毎回楽しみだった。「私なんて、こんな面白い目にあったんだから!」とお互いにネタを出し合う。常に、“なんか面白いこと”ないかなって、アンテナを張って生きていた。

ある時、「学校の中を歩いたら、どれだけの知り合いに会えるか」みたいな話になった。メグも顔が広かったし、私もテニスサークルに入っていたので、2回生にもなると(この時2回生だった)先輩や後輩、同回にもたくさん知り合いがいた。

「じゃあ、試しになんかやってみよう」
「なんかやりたいけど、お金ないやん」
「あった人に、お金ないんで、いくらでもいいからください!」って行って、いくら集まるか試そう」というくだらん企画が持ち上がった。そして、その集まったお金で、買えるものを買って(食料)二人で食べよう!ということになった。

人は、優しい・・・・ようで、甘くはなかった。
何人にも出会ったが、さすが学生。みんなお金がなかった。全然くれない。私も、メグも、はっきり物申す友達が多かったので「なんでお前に金やらなあかんねんっwwww」とバッサリ言われた。
もしくは、女子〜っていうタイプの友達にもあったけど、綺麗でおしゃれで、いい匂いのする女の子に、「金をくれ」という勇気が、同じ女として持てなかった・・・・・。

数人に会い、10円ずつくらいもらって、やっと50円になった時、私の仲のいいTくんに遭遇。「お、Tじゃん!」と、訳を言って、「イケメン」とおだてると、なんと太っ腹なTくんは50円くれた!!!!
今でもなんだかあの時の光景を覚えている。さらに、ポケットに入っていた10円もくれた!!!!!

そうこうして、合計110円ゲットした私とメグは、何を買ったか忘れたけど・・・うまい棒買ったのかな?二人で、充足感を味わいながら、それを食べて、図書館前でタバコを吸った。


今思うと、その時と同じようなことをして、自分は生きている。
なんかコイツ面白いと思ってくださる方、自分のカフェを気に入ってくれる方から、お金をいただいて、それでご飯を食べている。人の想いがこもったお金は、あったかくてとても好きだ。

読んでくれてありがとうございます。 ふと思った時に、心のままに書いています。 よかったらまた読んでください。