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青色のコンビニで恋をした。

1月10日

コンビニ深夜勤のバイトの子に恋をしている。知られたら終わってしまう小さな灯だ。

彼女のときだけ、僕はおにぎりを温めてもらう。たった10数秒かもしれないけれど、その間だけ彼女のことを見ていられるから。
でも、そんなこと絶対に気づかれちゃいけないんだ。

いつか会えなくなるその日まで。

1月11日

コンビニ深夜勤のバイトの子に恋をしている。

火曜の深夜にその子は入らない。
でも、もしかしたら風邪をひいた''角刈り''(僕が勝手に命名したバイトの男)と交代していて偶然に…と妄想が止まらなくなり、今日も車を停めてしまった。

フロントガラス越しに見える角刈りが元気そうでなにより。チーン。

1月13日

コンビニ深夜勤のバイトの子に恋をしている。

今夜は、何故かベテランの春菜(角野卓造似)がレジに…。

なーんだ…

すると、彼女が奥から飛びだして──マスク姿の彼女は少し咳こんでいた。

「あっ…」と気づき、僕は自分を責めたてる。
レジに並んだせいで、彼女の休憩時間を奪ってしまったのだ。

1月14日

その青色のコンビニは、国道から少し入った閑静な住宅地の中にある。
僕が仕事帰りに立ち寄る時間は深夜1時過ぎ、遅いと4時を超えることも…。ただ滞在時間は5分とない。
でも、そんなひとときであっても

「いらっしゃいませ」

で、今日の疲れがほどけてゆくんだ。

海の幸、山の幸、街には人の幸がある。

1月15日

コンビニ深夜勤の子に恋をしている。

僕はミルクティー派だ。いや、だったと言うべきだろう。
木曜日、奥の事務所から慌てて出てきた彼女が、隅っこにちょこんと置いたペットボトルを見逃すわけがない。

昨日も、そして今日も、僕は午後の紅茶レモンティーを手にレジへ向かう。

もちろん意味はない。

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1月16日

コンビニは、人の成長を身近に感じられる場所でもある。

パキスタンからの留学生(違うかもだけど多分インド辺り)の進化が著しい。
僕はお調子者の彼のことを''ボンビー''と名付けてる。
当初仕事がおぼつかなかったボンビーだけど、最近は「レシート要りますか?」と聞いてくるようになった。

まぢか

1月17日

今夜もいつものようにコンビニへ。角刈りと春菜が喋っている。

「阪神大震災からもう…年だって」

そうだよなぁ。と、ドリンク棚からホットのレモンティーを手に取った僕はレジに向かう。

災害に無縁のまま来ちゃったけど、いつの日か東海大地震とか起こったらどうなるんだろう…なんて思いながら帰る。

1月18日

コンビニ深夜勤のバイトの子に恋をしている。

色白な彼女は、目元のホクロがチャームポイント。芸能人だと、仲里依紗さんと新川優愛さんを足したような顔立ちで、可愛さと美人の両方を兼ね備えている。
少し俯き加減のときが堪らないんだ。

馬鹿丸出しw
ただ、ちょっとだけ顔が見れたらそれでいい。 


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