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タミヤのマーケティング戦略とは?

タミヤの #マーケティングトレース

会社名:株式会社タミヤ
代表取締役:田宮俊作
業界:模型・プラモデルの製造、販売。
ビジョン・理念:「豊かな楽しさで、充実したホビーライフを」
売上/営業利益:106億2,800万円(2014年3月期)※Wikipediaより。
従業員数:326名
トレース目的:プラモデル離れと言われる中、どのように顧客を獲得しようとしているかを学ぶ。

マーケティングトレース参考URL

・TAMIYA
 https://www.tamiya.com/japan/index.html
・海外市場でも人気! 累計40億個売れたガンプラの歴史に迫る
 https://resomethod.com/ny-plastic-model-1/
・「プラモデル離れ」に危機感…激震の模型業界、中心はアジアに
 https://response.jp/article/2018/06/14/310854.html

「タミヤとは?」

静岡県に本社を置く、模型・プラモデルメーカーです。
ミニ四駆や、戦車、戦闘機、戦艦、お城、車、バイク、ラジコンに至るまで広範囲の商品を扱っています。
プラモデルを作る楽しさは単純に組み立てるだけではなく、色を塗る楽しみもあります。
タミヤでは、模型やプラモデルを作る際に使う塗料や筆、エアブラシなどの塗装道具も販売していることも特徴と言えます。
プラモデルを作るための説明書には使用する塗料の番号が記載されているのですが、タミヤで扱っている同じ番号の塗料を買えば良いので買い間違いもなく親切です。

「プラモデルの醍醐味とは?」

・好きな車やバイク、戦車や戦闘機など中々目に出来ない物を自分の手で作れること
・形として残るので、収集欲をくすぐる
大きく分けるとこの2つだと考えています。

「STP分析」

STP分析からタミヤのマーケティング戦略を読み解いていきます。
まず、ターゲットとして10代~40代の男性に設定したと考えました。
車やバイクなど機械系のおもちゃを好むのは男性が多いこと、そして1990年代にミニ四駆などで遊んだ世代が自分の子供と一緒にプラモデルを作り始める行動からです。
タミヤはプラモデル以外にラジコンも販売しており、自分仕様にカスタマイズしたマシンを操作する楽しみを提供しています。

ポジショニングマップ

タミヤのポジショニングマップを図解すると次の通りです。
「王道系」×「マシン系」のポジショニングを取っていると考えました。

タミヤポジショニングマップ

王道系だと思う理由ですが、
海外車であれば、ポルシェやマスタング、フォードGT、カウンタックなど有名なスポーツカーをラインナップにあるからです。
また、日本車であれば、スープラ、GTR、ロードスター、ランエボなどこれも日本が世界に誇る車ばかりです。
タミヤが王道を選ぶ理由は、
プラモデルを製造するための金型を自社制作しているからだと考えられます。
“ランナー”と呼ばれるプラスチックの枠で囲まれた1つの部品の塊を作るために300~500万円もの費用がかかるようです。
ミニ四駆であればランナーは2~3つほど入っているので、細かい部品であれば1500万円もの費用がかかる可能性があります。
それほどの費用を投じて金型を自社制作するため、多くの商品を販売するために王道の商品構成になるのではないかと考えました。

「4Pマーケティングミックスの分析」

ここから4Pのフレームワークを用いて、タミヤがお客さんにどのように価値を届けているかを読み解いていきます。
Product(商品)
ミニ四駆と戦車などではパーツの数も複雑さも異なりますが、細部まで丁寧に作られていることが分かります。
F1デザイナー、エイドリアン・ニューウェイ氏が”タミヤ製ロータス49”のプラモデルを作ったことで車の構造を理解したとのことです。
その引用させていただくと、
「このモデルを作ることで、どんな風にF1マシンが構成されているのか理解することができました。エンジンやモノコック、ギアボックスといったすべてのパーツが実際のマシンを再現しています」
この言葉から分かるように、日本だけでなく海外の方も魅了する要因はパーツの細かさ、リアルさにあるのではないでしょうか。
Price(価格)
ワンコイン~50,000円台まで価格帯は幅広くなっていますが、子供でもお小遣いで買える金額はメリットです。
Place(流通)
多くの商品を販売するために、幅広い年齢層が訪れる家電量販店に商品を設置している。
Promotion(広告)
家電量販店に商品を設置することで、大人には懐かしさを子供には作る興味を提供し「一緒に楽しむおもちゃ」としての価値を提供していると考えられる。
また、YouTubeではプラモデルを上手に作る動画を配信しており、SNSを活用した情報共有の場を設けている。
Twitterでは、イベント告知やカタログの紹介など静止画で伝わる情報がメインで、
Instagramでは、商品の完成品をアップしており商品ポートフォリオとして位置づけていると感じます。

「タミヤのマーケティング戦略とは?」

SNSで、新商品やプラモデルを作る時の豆知識をメインに発信しています。
しかしながら、作るよりもゲームで遊び、繋がり、集めるが主流の今、発信している情報が上手く届いているとは思えません。

「プラモデル離れの原因は?」

所有からシェアへと嗜好の変化したこと、そして経済的余裕が少なくなり趣味嗜好に使えるお金が減ったことも原因の1つと考えられます。

もし自分がCMOだったら?

最も求められることは作る楽しさを広めること。
プラモデルは買い切り型の商品なので、完成すると楽しさが途切れてしまいます。
そこで、定期的に楽しさを届ける方法としてサブスク方式で商品を届けます。
届けられたプラモデルをお客さんが作り、一定期間したら回収する。
そして、また違うプラモデルをお届けする。
お客さんのSNSアカウントとタミヤのアカウントをリンクさせ、届けられたプラモデルをSNSで配信することで、次のプラモデルを発送する準備に取り掛かる。
タミヤの#サブスクプラモデルの情報発信+発送準備の合図をまとめて行うアイデアです。
そして、回収したプラモデルは特殊な液につけることで接着剤を取り除き、パーツを再利用します。
SDGsを考慮して、プラスチックの廃棄率を下げることも狙いです。

サブスク方式でのプラモデル販売を可能にする理由は、タミヤ自社で金型を制作しており、細かなパーツを作る技術があってこそ成り立ちます。

今ある技術を最大限に生かし、作る楽しさを届ける方法を変えることでプラモデル離れのお客さんを呼び戻す戦略になると考えました。

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