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Stones alive complex (Rhodochrosite)

車の運転に例えるとだね。
頑張ってアクセルを踏み込め!
行きたい方向へ正確にハンドルを回せ!
とかの話ばっかりだよね。
自己啓発系ってやつは昔も今も。
たしかに、理論は間違ってはいないとは思う。
けれど、だんだんと分かってきたんだ。

そもそもさ。
あんたの車、タイヤがパンクしてるぜ?
気づいてないけど。
・・・ってね。

その状態でアクセルを全開にして的確にハンドリングも決めて爆走をして・・・タイヤがスピンして路肩から断崖へジャンプして盛大にクラッシュしてる現場を何件も見てきたよ。
だからまず。兎にも角にも大事なのは、車体の点検と整備だよね走り出す前に。基本だよね。
もちろん、基礎概念のセッティングのことを話してる。

少し眼球と肺が、かさかさしてきてる。
今週ずっと、自分としゃべってるからだよ。
もちろん、自分じゃない方の自分ね。例のとこに居をかまえて、ふんぞってるあいつ。
虚でかまえてる、とも言い換えれるかな。
あいつはいつも、急しつつも安穏とかまえ寝そべっている。
たとえタイヤがパンクしてても、そういうもんだと受け入れちゃってる。基礎概念の深度にいるやつは、整備不良があってもそれはそういう仕様なんだと受け入れちゃうもんなんだ。だから、扱いが厄介なのさ。僕らが意識できて動かせるのは、アクセルとブレーキとハンドルだけだからだ。

話し合いの様子は、想定してたけど、かなり派手目の取っ組み合いになってるね。
カーナビにセットされてる地図データーが、致命的に古かったんだ。あいつは当然、認めはしなかった。
もしそんなナビを頼りに運転してたら、
(心のままに行きなさい)
風の、ふわっとしたガイドに従い。
もう道が無くなってしまってる廃墟の町へと迷い込んだり、新しいバイパスが通ってるのに通り過ぎて無駄な遠回りをさせられてしまう。ま。パンクしてるよりはマシだけど。

世界地図は、さらに大幅に、劇場型に、改変される。
格闘の末とりあえず、その事実だけはあいつは受け入れた。
あとは、こっちが持ってった最新の地図データーを大口開けてムシャムシャ喰ってくれるか?次第。

素直に心のままに行けるようになるのは、もう少しあと。新しいルートがおのずと現れた時から。あいつがそっちへ首を向けた時から。
そして。
車に例えたけども、乗ってゆくのは車じゃない。

(おわり)

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