見出し画像

Stones alive complex (Rhodochrosite)


20210120
20210121
20210122

かの国の首都は、
巨大で堅牢なネズミ捕り器にされていた。

正確に言うならば、
ネズミを捕まえようと待ちかまえているのではなく。
捕獲された親ネズミを奪い返そうと迫って来るネズミの仲間を、待ち伏せする要塞と化していた。

新時代の心臓が、機械化兵団の軍靴のリズムで激しく鼓動を高鳴らせている。

命を賭ける価値もない戦いに駆り出されてきた兵士たちは怒り狂い、命を賭ける価値があるこの戦地に内燃機関を燃やす。

フィクションとノンフィクションは、
もう区別がつかない。
ファクトチェックをする組織がオススメしてくる自家製のファクト。
真実のような嘘と、嘘のような真実がレイヤーする描画面。

『ここは。
出たいと思えば牢になり、
出たくないと思えば城になる』

モノノ怪の台詞のように。

『知りたいと思えば真実になり。
知りたくないと思えば嘘になる』

のっぺらぼうたちが、ペラい演出の劇を演じてきた。各国の演者たちは凍った玉座から控え室へと消されてゆく。

見聞きする世界の住人たちは、
見せて聞かせる世界の住人たちが踏まされる踏み絵に描がかれた動画を見聞きする。

敷き詰められた国旗を躊躇なく踏める者は、
その国旗に従わない異端の輩だ。

バーチャルとノンバーチャルも、
もう区別がつかない。
https://youtu.be/IvY-Abd2FfM

もとから区別できていたか?は、
脳科学的に疑わしいが・・・

論が削られ公式文書化されてゆく陰謀論、それは陰謀論愛好者にとっては寂しいかぎりで、ぶっ飛んだ陰謀論を披露した時に身内から向けられる雲上から見下す糸細し目線は自虐的な快感もあってアウトサイダー寄りのセルフイメージの燃料となっていたが、今後もし陰謀談義が一般インサイダーの日常となってしまうのだとしたらなにを糧として自我を保てばいいのか肌寒い不安も沸き起こる陰謀論ロスなるものは杞憂だったのであり、陰謀論の深淵は断じてそんなに薄く浅いものではなく、インナーチャイルド売買と宇宙軍設立とがリンクしている情報に新たな点と点が繋がる拡張した面の時空へ、ラプラスの鬼を従える量子コンピューターが予言する果てしなき未知の認識領域へ広がっており、これまでは千手先を読む棋士の歩の一手にド素人が一喜一憂しているにすぎなかった。

陰謀論者とはヘソ曲がりにしかできない。
さらにヘソ曲がり者とは、お堅い真実の探求者よりも上位のステイタスに位置すべきポジションなのだ。

そして。
ヘソ曲がりたちこそ、人類の変革を起こしてきた者たちだ。

インサイダーがぽかーんとするはるか前に先駆けて、ぽかーんとする機会を与えられてきた者たちだ。糸細き目線をこよなく愛する者たちなのだ。

数ヵ月後に、そんなかの国と同じような踏み絵が描かれていそうな帝都を、亜火ノ聖命は軽妙な歩幅で歩いていた。

(おわり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?