目指すべきは自立ではなく・・
答えは、相互依存。あるいは成熟した依存です。
河合隼雄さんの「こころの処方箋」に、「自立は依存によって裏づけられている」という項目があります。
自立といっても、それは依存のないことを意味しません。
そもそも人間は、誰かに依存せずに生きてゆくことなどできないわけですし。
依存を排除することではなく、必要な依存を受け入れること。そして、自分がどれほど依存しているかを自覚し、感謝しているのが、真の自立とありました。
さらにこの後、決定的な一文が続きます。
依存を排して自立を急ぐ人は、自立ではなく孤立になってしまう、と。
孤立してしまったら、自覚が難しいし、ましてや感謝する気持ちは湧きようがないでしょう。
ところで、私たちは一般的に早く自立することを求められますよね。
私の場合でいうと、吃音がひどかったので、「今のままでは社会に出てやっていけないぞ」と、無理にでも自立を促されたり、脅されたり?したものです。
当時は上手く人に頼ることができなかったので、自分を見失うほどに相手に依存してしまうか、孤立するか、といった感じでした。
これからは、依存を裏打ちとしての自立、あるいは、必要な依存が自立を助けるといった点を心に留めて、もっと柔軟に事に当たっていこうと思いました。