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Vol.046 新しい仕事、古い仕事

リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.046
2020/07/17配信 (2020/8/28まで限定公開)


目次


①今週のテーマ  新しい仕事、古い仕事
②予防医療ニュース 新型コロナの抗体
③予防医療論文  新型コロナの抗体
④今週の名言

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①今週のテーマ


 予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。


テーマ「新しい仕事 古い仕事」

 本日は、コロナによってもたらされる新しい仕事と、コロナによって消滅する古い仕事について考えてみます。


 コロナ後の世界は、生き方も仕事も遊びも一変します。
 と言っても、いきなり変わることはないでしょうが、グラデーションのように徐々に変わっていくでしょう。
 

 まずは、コロナの見通しについて考えていきます。


 来年3月くらいまでに新型コロナのワクチンが完成するでしょうが、ワクチンの効果は限定的になると見ています。
 新型コロナ感染後3ヶ月は抗体が減少する、との研究結果があります。(今日のニュースを参照)
 おそらく、ワクチン接種後も3ヶ月程度で抗体は減少し、効果は限定的だと考えます。
 
 また、コロナはエアロゾルを介して空気感染する可能性が高いようです。
 飛沫感染や接触感染だけでなく、空気感染もすることから、ソーシャルディスタンスの対策もあまり意味がなくなりました。マスクを着用する効果も乏しいでしょう。


 これら二つの見通しから、新型コロナは当分(最低5年)は収束されないでしょうし、自粛要請されている業態はかなり厳しいでしょう。特に、三密の場所を提供している業態は消滅していく可能性が高いでしょう。
 AIによって仕事が消滅するより、新型コロナによって仕事が消滅する方が早いのではないでしょうか。
 東京都の休業要請のリストを見ていると、今後消滅する仕事を表しているように思えてなりません。(https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/1007679.html)
 
 古い仕事とは、レストランやバー、ライブ、風俗店、スポーツ観戦、などの業態を指します。今後はこれらの業態は縮小していくでしょう。
 
 古い仕事で生き残る手段は三つあると思います。
 裏で(内緒で)営業を続けるか、新しい業態に進化させるか、撤退して新しい仕事にチェンジするか、の三つです。

 例えば、レストランの業態であれば、常連客だけに秘密で営業をしたり、デリバリー専門にしたり、レストランを撤退してオンラインで料理を教える人になったり、と三つの生存戦略があると考えます。

 どちらにしろ、古い仕事はこれから決断の時が迫られるでしょう。
 5年後には復活している可能性が高いでしょうが、新たなパンデミックの出現も視野に入れると、何かしらの手は打たないといけないのではないでしょうか。


 最後に、コロナによってもたらされる新しい仕事についてです。
 
 コロナによって、オンラインの仕事が激増しました。当然、オンラインに関わる仕事はこれからも重宝されるでしょう。
 プログラマーやシステムエンジニア、YouTuberなどがもっと増えるでしょう。

 また、デリバリーの仕事もこれからもっと多様化すると思います。
 今はUberEatsや出前館があらゆるジャンルをカバーしてますが、これからは高級料理専門、中華専門、和食専門、ラーメン専門などに分かれると考えます。
 安い店と高級な店の二極化も起こるでしょう。

 また、心理カウンセラーなどのメンタルケアの仕事も増えるでしょう。
 新型コロナによる外出自粛と経営悪化によって、国民のメンタルが削られていく人が急増するからです。
 今後、あらゆる分野の人がメンタルケアを部分的に取り入れていく必要が出てくるでしょう。
 


 このように、新型コロナによって古い仕事から新しい仕事にグラデーションのように移行していくようです。
 これをピンチと考えるか、チャンスと考えるかは、経営者次第です。
 おそらく、これから新しい仕事が次々と登場します。今はまだ名前がついてない仕事もたくさんあるはずです。
 新型コロナによって、新しい仕事に移行する絶好のチャンスが来ている、僕はそう考えてます。
 

 
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②予防医療ニュース


 今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
 


~ 転載↓ ~

【AFP=時事】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した患者の再感染に対する免疫は、数か月以内になくなる可能性がある。研究結果が13日、発表された。
 この結果は、各国政府が感染拡大をどのように制御するかに大きな影響を及ぼすことが考えられると専門家らは指摘している。
 英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)の研究者らが率いるチームは、この種のものとしては初となる今回の研究で、感染が確認された患者90人以上の抗体レベルを測定し、その経時変化を調査した。  
 血液検査の結果、症状が軽度にとどまる患者でも、新型コロナウイルスに対する一部の免疫応答がみられることが明らかになった。 
 また調査対象者の60%に感染後の最初の数週間で「強力な」ウイルスへの応答が示された。  
 しかし調査開始の3か月後には、COVID-19中和抗体が高レベルで持続している患者は、全体の16.7%にとどまり、血流の中に検出可能な抗体が存在しない患者も数人確認できた。
 インフルエンザなどの他のウイルスでもそうであるように、免疫は「当然あるもの」ではなく、2~3か月しか持続しない可能性があることを、今回の研究は示唆している。


以下省略


 
~ 転載終わり ~
 

出典 yahoo

https://news.yahoo.co.jp/articles/b19d337af71efbf2024cdf37836a13638165766a


 感想

 今年の4月頃から、北海道や大阪などで新型コロナに感染した患者が再感染するケースが見られたことから、感染しても抗体が作られないこともある可能性があることがわかります。
 さらに、今年6月頃に実施されたソフトバンクによる全国4万人規模の抗体検査では、わずか0.43%の陽性率であったことがわかりました。この数値は異常に低いと感じました。
 おそらく、新型コロナに感染していても抗体が作られないか作られても消失するか、どちらかの人が少なからずいるはずです。
 今回のニュースから、抗体が消失するケースがあることがかなり多いことがわかります。
 新型コロナワクチンが完成しても、抗体が2~3ヶ月で消失するようなことがあれば、使い物にならないと思ってしまいます。
 ワクチンは、あまり期待できない、というのが僕自身の感想です。
 治療薬が完成するのは、一般的に約5~6年後くらいにかかるので、それまで上手く付き合っていくしかないのかな、と思います。
 インフルエンザ、ノロウイルスなどのウイルスと同様に。

 
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③予防医療論文


 
 今週の気になった論文をピックアップします。

~ 転載↓ ~


スペインにおけるSARS-CoV-2の有病率(ENE-COVID):全国的な人口ベースの血清疫学研究

概要

バックグラウンド

 スペインは、COVID-19パンデミックの影響を最も強く受けたヨーロッパ諸国の1つです。
 無症状のケースが存在し、診断テストへのアクセスがほとんどないことを考えると、血清学的調査は流行の程度を評価するための貴重なツールです。
 この全国的な人口ベースの研究は、国および地域レベルでスペインのSARS-CoV-2感染の血清有病率を推定することを目的としています。


方法

 35 883世帯が地方自治体のロールから選ばれ、州と自治体の規模で層別化された2段階のランダムサンプリングを使用して、すべての居住者が参加するように招待されました。
 2020年4月27日から2020年5月11日まで、61075人の参加者(選択した世帯内のすべての接触者の75・1%)が、COVID-19と互換性のある症状の履歴と危険因子に関するアンケートに回答し、ポイントオブケア抗体テスト、そして合意があれば、化学発光微粒子免疫測定法による追加検査のために血液サンプルを寄付しました。
 IgG抗体の有病率は、年齢、性別、および国勢調査区の収入に基づいて非応答率に差を設けることができるように、サンプリングの重みと層別化を使用して調整されました。両方のテストの結果を使用しました。


調査結果


 ポイントオブケアテストでは血清有病率は5・0%(95%CI 4・7–5・4)、イムノアッセイでは4・6%(4・3–5・0)であり、特異度と感度の範囲は3・7%(3・3–4・0;両方のテストが陽性)から6・2%(5・8–6・6;どちらのテストも陽性)、10歳未満の子供では性別による差はなく、血清有病率は低い(ポイントオブケアテストで<3・1%)。
 マドリッド周辺の有病率は高く(> 10%)、沿岸地域の有病率は低く(<3%)、かなりの地理的変動がありました。
 研究訪問の14日以上前にPCRが陽性であった195人の参加者の血清有病率は、87・6%(81・1–92・1;両方の試験で陽性)から91・8%(86・3–95・3;どちらかの試験)正)。
 無嗅覚症または少なくとも3つの症状を持つ7273人の血清有病率は、15・3%(13・8–16・8)から19・3%(17・7–21・0)の範囲でした。
 血清反応陽性の参加者の約3分の1は無症候性で、21・9%(19・1–24・9)から35・8%(33・1–38・5)の範囲でした。
 ポイントオブケアテストとイムノアッセイの両方で血清陽性であった症状のある参加者のわずか19・5%(16・3–23・2)が以前のPCRテストを報告しました。

~ 以下省略 ~

~ 転載終わり ~

出典 The lancet

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31483-5/fulltext

 感想

 スペインでの血清疫学検査では、血清有病率は約5%ということがわかりました。
 また、新型コロナの感染者の約3分の1が無症状であることがわかりました。
 スペインでも、抗体が作られない人がほとんどであることがわかります。
 

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④今週の名言


遠くを見ようとして、


頭で考えたり


また、


四方八方をきょろきょろ


見廻すだけでは何の足しにもならない


本当に「遠くを見る」ためには


肉眼ではとらえられないものを


あたかも見るがごとく


全身で感じとることである


白洲正子  日本の随筆家

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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)


リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha

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