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Vol.041 脱資本主義①

リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.041
2020/06/12配信 (2020/8/28まで限定公開)


 
目次


①今週のテーマ
②予防医療ニュース
③予防医療論文
④今週の名言

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①今週のテーマ


 予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。


テーマ「脱資本主義①」

 コロナ前とコロナ後では、生き方や働き方などが大きく変化する、と様々な所で叫ばれています。
 第二次世界大戦以降、このようなパラダイムシフトは数える程度しかなかったでしょう。
 そういった意味では、2020年は世界中の人々にとっては大きな節目となるでしょう。
 
 コロナ前とコロナ後で大きく変わるものは、「資本主義」に対する考え方だとみています。
 
 18世紀後半のイギリスでの産業革命から資本主義が始まったと言われ、「資本家の資本家による資本家のための資本主義」は、2020年現在まで、その思想は脈々と受け継がれています。

 資本主義は、300年程かけてどんどん巨大化していきました。
 人々の欲望に際限がないように、お金の発行も際限なく続けられてしまったのです。

 資本主義には良い部分もありますが、近年になって悪い部分が目立つようになってきました。
 それは、個人の力が増大したことによって資本主義の考え方が古くさくなってきたからでしょう。
 
 そんな資本主義には、いくつか欠陥があると個人的思いますのでそれぞれ挙げていきます。


 ①信用創造

 ②1%の資本家と99%の市民

 ③デリバティブ残高6京円&赤字国債8000兆円

 
 これらのテーマで進めていきたいと思います。

 本日はこのうちの①について説明します。


 ①の信用創造というのは、銀行が貸し付けによって預金通貨を創造できる仕組みのことです。
 銀行は資本を0から生み出すことができる、ということです。
 
 具体的な例を挙げます。

 ① Aさんは銀行に1000万円を預けます。

 ② 銀行は、その1000万円の内の90%の900万円を他の誰かの貸付金に使います。(Aさんは通常は100万円程度しか引き出したりしないのでバレないから)

 ③ Bさんは、銀行に900万円を借りに来ました。

 ④ 銀行は、Aさんの預金から拝借した900万円をBさんに貸して、その内の90%の810万円を他の誰かに貸付金として使います。
 
 ⑤ Cさんは、銀行に810万円を借りに来ました。

 ⑥ 銀行は、Bさんの預金から拝借した810万円をCさんに貸して、その内の90%の729万円を他の誰かに貸付金として使います。
 


 このサイクルにより、銀行は人のお金を勝手に運用してお金を創造していきます。

 ただ、このシステムの問題点は、Aさんが1000万円を一括で引き出しに来たときです。
 こうなると、預けていたお金がBさんやCさんへの貸付金に消えてしまっているので、預かっていたお金を預金者に渡せずに経営破綻してしまうのです。

 銀行の信用創造のシステムは、常識的に考えておかしいと感じます。
 どの銀行でも、預金者が一斉にお金を引き出しに行くと、預金を使ってしまっているので確実に取り付け騒ぎを起こします。
 やはり、人のお金は勝手に手をつけてはならず、預けたお金はきちんと返すことが常識です。
 
 昔は、資金調達をする時には銀行がメインの取引先で、独占的な地位を占めていたので、このような「非常識」なシステムがまかり通っていても、なにも問題はなかったのだと思います。
 しかし、現在では資金調達の方法が多様化しており、銀行の必要性がなくなりつつあります。
 そのような中で、人の預金を勝手に使って信用創造する銀行に、お金を預ける人は少しずつ減っていくでしょう。
 取り付け騒ぎを起こすリスクを抱えてまで預金するメリットがなくなってきているからです。

 僕は、この信用創造のシステムが資本主義の欠陥の一つであると考えます。
 今後、銀行と距離を置き、脱資本主義の気運が高まり、新しいコミュニティができて、その中で小さくお金を回すようになると考えます。もちろん、信用創造はなしで。
 コミュニティ内でお金を回すシステムは、「地域通貨(消費期限あり)」「物々交換」「米コイン(米を担保にした通貨)」「ブロックチェーン」などが今後は期待できますが、どのようになるかわかりません。


 次回は、1%の資本家と99%の市民について考えていきます。
 
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②予防医療ニュース


 今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
 


~ 転載↓ ~


 LayerXが、電子契約・銀行API・クラウド会計と組む理由 -DXとSaaSとブロックチェーン-


 LayerXがやっていきたいこととして「ワークフローのデジタル化」というものがあります。どういうことでしょう。ワークフローという単語がなじまない人はワークフロー=業務と考えてみてください。

デジタル化の第二波

デジタル化は今、第二波が来ていると思います。一波目はわかりやすく、「チャネルのデジタル化」です。
 百貨店で買っていたものがECで買う、新聞やテレビで見てた情報をネットで見るようになる、コンソールゲームで楽しんでいたゲームをスマホで楽しむようになる、銀行窓口でやっていた送金をネットバンキングでするようになる、などです。

 では第二波の「ワークフローのデジタル化」とはなんでしょう。チャネルが変わるというよりは業務がデジタルに変わります。
 皆さんが働いてる時間はまだまだアナログが支配する世界です。
 その世界にデジタルの利便性が入り込んでいきます。
 紙無しで請求がデジタルで完結する、電話なしで金融取引ができる、契約書やFAXの山から紙を探さなくともサプライチェーンのマネジメントができるなどです。

 請求のワークフローでは、稟議、契約・請求の合意、契約条件を満たしたかの確認、合意した上での送金と請求書の送付など様々な業務(=ワークフロー)が付随して起こるものです。

 こうしたフローをデジタル化しようと思うと、例えば「電子契約サービスで契約締結 => 納品後検収して、請求書を発行・承諾 => クラウド会計サービスが売掛・買掛を認識し、送金リクエスト => 銀行APIが送金 => ERPやクラウド会計ソフトで消込作業、帳簿反映」といったワークフローになるかと思います。
 またこういった作業は後々の「トレースバック性や正当性の証拠を残しておく必要」があります。 
 そのため、各フローでの記録を遡れるようにする、またその記録が正当な承認に基づいたものであると検証できるようにするなどの、SoR(System of Record)の要件がでてきます。


以下省略

 
~ 転載終わり ~
 

出典 yoshinori fukushima さんのnote記事

https://note.com/fukkyy/n/n106c9db90e09


 感想

 LayerXは将来性のある会社で、あらゆる会社組織のバックエンドに関わる可能性があるポテンシャルがあります。
 医療機関の受付から診療、請求業務に到るまで、あらゆる業務をブロックチェーンによって一つのレイヤーで処理することができます。
 今後に期待の会社です。


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③予防医療論文


 今週の気になった論文をピックアップします。

~ 転載↓ ~


 涙液を⽤いた新しい乳がん検出技術TearExo®の開発


 神戸大学大学院工学研究科 竹内俊文教授、医学部附属病院 谷野裕一特命教授、佐々木良平教授、システム・インスツルメンツ(株) 濱田和幸氏らの研究グループは、涙液中の細胞外小胞エクソソーム※1をバイオマーカーとした新しい乳がん検出技術: TearExo®の開発を行いました。今後、がんの早期発見など国民の健康に大きく貢献することが期待されます。


 本研究は、神戸大学未来医工学研究開発センター(センター長: 向井敏司教授)の教員が中心となって行い、研究成果は、2020年3月10日にアメリカ化学会国際誌 Journal of the American Chemical Society 電子版に掲載され、研究イメージが表紙に採択されました。


ポイント

TearExo®は、世界初の化学ナノ加工技術を用いることで、検出試薬なしの高い操作性と極めて高い測定感度を実現し、微量な体液から細胞外小胞エクソソームを超高感度で検出可能とした。

TearExo®を用いて、個人で容易に採取可能な涙液による乳がんの検出が可能なことを実証した。

エクソソームの高感度測定を自動化した「エクソソーム自動分析計」により、迅速、簡単に体液検査を行うことで、エクソソームをバイオマーカーにした涙液を用いたがんの早期発見のための新しいリキッドパイオプシー※2の方法論を実証した。

研究の背景

 乳がんの検診は、マンモグラフィなどの画像読影により行われますが、大型装置を用いることが多く、医師の読影が必要で結果が出るまで時間もかかるため、受診者に大きな負担を強いてしまいます。そこで最近、患者の体液中の細胞外小胞エクソソームをバイオマーカーとしてがんを検出するリキッドバイオプシーが注目されています。リキッドバイオプシーの活用で、受診者の負担は軽減され、がんの早期発見率や、がん検診受診率の向上が期待されます。


 エクソソームは、がんの転移や悪性化に関わることが報告され、がんを診断する極めて重要なマーカーと言われ、リキッドバイオプシーへの応用が盛んに行われています。通常エクソソーム分析法は、煩雑な前処理が必要であり、迅速に分析をするのは難しいです。しかし、新しく、簡便で高感度に体液中のがん細胞由来エクソソームを検出する方法が確立されれば、極めて有⼒ながんの検出法となります。


以下省略

~ 転載終わり ~

出典 神戸大学

https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/collaborations/2020_05_29_02.html

 感想

 ガンの検査が、ますます便利になってきました。
 涙一つで簡便に検査できるようになってきました。
 リキッドバイオプシーで、今後はあらゆるガンの検査ができるようになるでしょう。


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④今週の名言


『結局、


 真の知識を得ようと望むものは、

 誰でも艱難(かんなん)の山を


 一人で登らなければならず、

 頂上への王道がない以上、

  私は曲がりくねりながら


  登らねばならぬことに気付いたのです。』

(ヘレン・ケラー 社会福祉活動家・著作家)


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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)


リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha

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