見出し画像

Vol.052 総集編

リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.052
2020/08/28配信
(次回2020/11/06配信予定)

 このノートは、毎週金曜日にLINEのOpenChatのサービスを使って配信する予防医療ノートです。
予防医療に関するトピックス、ニュース、論文、などをお届けします。
 これからの日本の未来は、「自分の健康は自分で守る」時代に突入しました。
 自分の健康を守るための、知識や技術、アイデアなどを提供していきます。


目次


①今週のテーマ
②予防医療ニュース
③予防医療論文
④今週の名言

__________________________________


①今週のテーマ


 予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。


テーマ「総集編」

 今回は、過去51回に渡ってお届けしてきた内容をまとめていきます。

 

 セルフメディケーション
 グルテン
 カゼイン
 白砂糖
 副腎疲労
 口内フローラ
 マイコトキシン
 リケッチア
 マイオカイン
 AMPキナーゼ
 重金属
 SIBO
 アーユルヴェーダ(2回)
 5つの資産ポートフォリオ
 ビタミンD3
 睡眠(4回)
 四苦八苦
 CBD
 オゾン療法
 ココロのセルフケア(2回)
 健康寿命
 瞑想
 タイ式マッサージ
 水素
 AIとリハビリテーション
 リハビリテーションの展望
 2020年の展望
 グリホサート
 COVID-19がもたらしたもの (4回)
 COVID-19の薬について
 COVID-19の予防法
 スペイン風邪
 脱資本主義(3回)
 少子高齢化
 物々交換
 新しい仕事、古い仕事
 ブラックスワン理論
 所得と健康
 メンタルをどう保つか(3回)
 


 初回から順番にこのような内容でお届けしてきました。
 改めて見ると、かなりマニアックな内容です。
 前半部分は予防医療と健康について、後半部分はCOVID-19と経済について書いてきました。


 すべてのテーマは、「自分の健康は自分で守る」ことに繋がります。
 つまり、セルフメディケーションです。これがこれからの時代に重要になります。
 

 まず、食事で気をつけることは、白砂糖と小麦のグルテンと牛乳のカゼインの「3 white devil」を摂りすぎないことです。
 この3つが腸内環境を悪化させ、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因になります。
 さらに、とうもろこしやナッツ、穀物などの食品に含まれるマイコトキシン、化学製品に含まれる重金属、グリホサートなどの除草剤に含まれる発ガン性物質など、人体に悪影響を及ぼす製品と距離を置くことが重要となってきます。
 SIBOは、納豆やヨーグルトなどの発酵食の食べ過ぎや炭酸飲料の飲み過ぎで引き起こりますし、副腎疲労は過度のストレスやコーヒーの飲みすぎで引き起こります。
 
 自分の健康は自分で守るための対策としては、口腔内の環境を整えて口内フローラを保つことです。
 口内環境は、生活習慣病の予防と深く関わっているためです。
 もちろん、腸内環境も同様です。
 また、積極的に運動をすることで、マイオカインやAMPキナーゼを分泌させることも重要です。
 これらは、血中の糖分を筋肉が吸収する働きがあるので、糖尿病予防には積極的な運動が必要となります。

 次に、睡眠です。
 睡眠の質の向上が免疫力向上に繋がります。
 さらに、瞑想やココロのセルフケア、メンタルを保つコツなどについても触れていきました。
 
 さらに、免疫力を上げるために補給しておきたいものとして、CBDオイルやビタミンD3、ビタミンC、ビタミンA、オリーブ葉エキス、タンパク質、亜鉛などを挙げました。
 もちろん、COVID-19を予防する上でも重要となります。


 さらに、免疫力を上げるための治療法は、タイ式マッサージやアーユルヴェーダなどの伝統医療がありますし、水素療法やオゾン療法など、少し変わった治療法もあります。
 

 これから先、世界経済は不景気になる可能性が非常に高いので、自分の健康は自分で守る局面になると考えます。
 COVID-19や少子高齢化、資本主義の限界、地球環境の変動など、総合的かつ俯瞰的に考えても、今後の世界経済は厳しいでしょう。

 そのために自分達はなにができるか。
 それは、自分の5つの資産ポートフォリオ(お金、時間、水や食料、コミュニティ、健康)を守ることが重要だと考えました。
 
 COVID-19というブラックスワンが世界を一変させました。
 COVID-19によって消えていくもの、新しく生まれていくもの、COVID-19によってもたらされたもの、新しい仕事、古い仕事、など、時代が急激に変化しているのを感じます。
 

 このように、全51回のテーマでお届けしてきました。

 これから30年間は、「自分の健康は自分で守る」時代になると見ています。
 そのために、自分ができることはなにか考えて発信してきました。
 
 次回は、2020年11月の配信予定です。
 これからも「自分の健康は自分で守る」ために何ができるか、について発信し続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。
 
 2020年8月23日日曜日
 北海道北湯沢 緑の風 
「ザ・書斎 夢追い人」にて
 白絹の床を見ながら。


__________________________________

②予防医療ニュース


 今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
 


~ 転載↓ ~


 糖尿病の新たな5つの分類を提案 糖尿病の原因はひとつだけではない


 糖尿病を5つのタイプに分類


 ルンド大学糖尿病センターとフィンランド分子医学研究所などの研究チーム実施している「ANDIS」研究は、スウェーデンのスコーネ県に在住し、新たに糖尿病と診断された患者を対象としている。

 研究チームは、18〜97歳の1万3,720人の糖尿病患者を対象に、詳細なデータベースを作成した。データベースには、インスリン分泌、血糖値、抗GAD抗体、インスリンの分泌機能を示すHOMA-β、インスリン抵抗性を示すHOMA-R、発症年齢、BMIなどが含まれる。

 その結果、糖尿病は、それぞれが大きな特徴をもつ5つのタイプに分類できることを明らかにした。

・ グループ1:重度の自己免疫性糖尿病(SAID)
 1型糖尿病、および成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)に相当する。
 膵臓のβ細胞を攻撃する自己抗体である抗GAD抗体が陽性となっており、自己免疫的な機序により発症する。

・ グループ2:重度のインスリン欠乏糖尿病(SIDD)
 HbA1C値が高く、インスリン分泌障害および中程度のインスリン抵抗性を特徴とし、肥満は少ない。自己免疫が原因ではない。

・ グループ3:重度のインスリン抵抗性糖尿病(SIRD)
 肥満および重度のインスリン抵抗性を特徴とする。インスリン分泌は保たれているが、体はそれに反応しなくなっている。併発症の医療費がもっとも高い。

・ グループ4:軽症の肥満関連糖尿病(MOD)
 肥満はあるもののインスリン抵抗性は軽度で血糖上昇も軽度。比較的若い年齢で罹患する肥満の患者が含まれる。

・ グループ5:軽症の加齢関連糖尿病(MARD)
 高齢の患者で構成されるグループで、全体の40%を占め、もっとも多い。加齢に伴い血糖値が上昇するが、その程度は軽度。
詳細に診断すれば、適切な治療を早期に始められる


 このうち「成人潜在性自己免疫性糖尿病」(LADA)は、抗GAD抗体が陽性で、最初は2型糖尿病のように徐々に進行するが、その後インスリン分泌が低下して、1型糖尿病と同様の病態となる。

 この5群の分類によると、グループ2では網膜症の発症率がもっとも高く、グループ3では腎障害の発症率がもっとも高いことも判明した。
 合併症のリスクの高い患者には、検査の頻度を増やして、適切な治療を行うことが求められる。

 「これまでは、たとえばインスリン療法が必要な患者にインスリンを処方するのが遅れるなど、適切な治療を適時に行えないケースがありました。
 合併症を発見するための検査が遅れたケースもあります。
 もっと詳細に診断できるようになれば、適切な治療を早期に始められるようになります」
 と、グループ教授は言う。


 「糖尿病の分類を細分化することで、将来に合併症が起こるリスクも、より正確に分かるようになります。
 適切な診断により、より良い治療を目指すことが理想的なシナリオです」
と、付け加えている。


~ 以下省略 ~

 

~ 転載終わり ~
 

出典  糖尿病ネットワーク

https://dm-net.co.jp/calendar/2018/027898.php

 感想

 今では糖尿病は5つのグループに分類されるといわれています。
 
 別の分類では、1型糖尿病、2型糖尿病、3型糖尿病(認知症)、4型糖尿病 (ガン)に分類されると言われています。

 このように、糖尿病は様々な原因から発症したり、様々な合併症を発症することから、糖尿病の分類が多くなってきていることがわかります。

 この分類を見ると、改めて糖尿病は万病の元であることがわかります。
 そして、食事がすべてです。
 キレイな血管と血液が鍵を握ります。
 

 
__________________________________

③予防医療論文


 
 今週の気になった論文をピックアップします。

~ 転載↓ ~


 ミトコンドリアでのATP合成を阻害することで寿命を延ばす化合物を発見
 

  池田貴子研究員(生命科学部、横山研究室)らのグループは、ATP合成活性を培養細胞を用いて測定することにより、2500種類の既存薬の中から8個のATP 合成阻害剤を見つけ、これらの薬剤が線虫でもATP 量を減らすこと、そして線虫の寿命を延ばすことを明らかにしました。
 この研究成果は、英文科学雑誌『Biochimica et Biophysica Acta - Bioenergetics』に掲載されました。


研究概要


 生物にとって“老いて死ぬ”ことは自然の摂理であり、避けられない現実です。
 これまで、“老化”とは“時間の経過とともに起こる心身の機能低下であり、不可逆的な現象である”と考えられてきました。
 しかし近年の研究から、老化は単に物理的な時間経過によるものではなく、遺伝的・環境的な要因が複雑に絡み合い、老化の速度が調節されていることが明らかとなってきました。
 つまり、遺伝子や環境が寿命を決めているということです。
 興味深いことに、老化の速度を調節するメカニズムは生物種間で進化的に保存されており、線虫の一種であるCaenorhabditis elegans (C. elegans) をモデル生物とした研究により寿命研究は進展してきました。
 その中でも、細胞内エネルギー産生に関わるミトコンドリアの機能と寿命との関連については精力的に研究が進められています。
 ミトコンドリア呼吸鎖複合体は様々な生命活動に必要とされるアデノシン三リン酸 (ATP) を合成する重要な機能を担っていますが、一方で薬理学的、遺伝学的に呼吸鎖複合体の活性を下げると線虫の寿命が延びるという報告があります。
 そこで私達は、Mitochondrial Activity of SLO-permeabilized Cells (MASC) アッセイという方法を用いて2500種類の既存薬の中からミトコンドリアの ATP 合成に対する阻害薬の探索を行い、それらが線虫の寿命に影響を与えるかどうか調べました。
 その結果、哺乳細胞において2500種類の既存薬の中から8個のATP 合成阻害剤を見つけ、これらの薬剤が線虫でもATP 量を減らすこと、そして線虫の寿命を延ばすことを明らかにしました。
 今回、私達は MASC アッセイという方法を用いて、ミトコンドリアの ATP 合成活性を阻害する化学物質の探索を網羅的に行い、8個のATP 合成阻害剤を見つけました。 
 驚くべきことに、これら8個全ての薬剤が線虫の寿命を延ばすことが分かりました。
 ミトコンドリアの ATP 合成活性を抑制するとどうして寿命が延びるのか、を明らかにすることは老化を遅らせる方法を見つけ出すことにつながり、アルツハイマー病など高齢者のかかりやすい疾患の予防に役立つと考えています。


~ 転載終わり ~


出典 京都産業大学

http://www.kyoto-su.ac.jp/news/20200821_400a_thnews.html


 感想


 寿命を延長するには、ミトコンドリアのATP合成を抑制することが鍵のようです。
 
 ATP合成=老化

 と言えます。

 激しい運動をするアスリートやマラソン選手などは、ATPをたくさん合成するので、寿命は短くなる傾向にあると考えます。
 逆に、まったく運動をしない人は、ATP合成を抑制していますが、廃用などが進み、他の疾患に罹患して寿命が短くなる傾向にあると考えます。
 ATPを「程良く」合成する人が、最も寿命が長くなるんだろうな、と考えさせられる論文でした。
 
 

_________________________________


④今週の名言


変化を予期せよ

変化を探知せよ

変化に素早く適応せよ

変わろう

変化を楽しもう

進んですばやく変わり再びそれを楽しもう

(スペンサージョンソン チーズはどこへ消えた?)

__________________________________


リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)


リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?