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Vol.031 リハビリテーションの展望

リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.031
2020/04/03配信 (2020/8/28まで限定公開)


 このノートは、毎週金曜日にLINEのOpenChatのサービスを使って配信する予防医療ノートです。
予防医療に関するトピックス、ニュース、論文、動画などをお届けします。
 これからの日本の未来は、「自分の健康は自分で守る」時代に突入しました。
 自分の健康を守るための、知識や技術、アイデアなどを提供していきます。


目次


①今週のテーマ
②予防医療ニュース
③予防医療論文
④今週の名言

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①今週のテーマ


 予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。

テーマ「リハビリテーションの展望」


(2017年のブログから抜粋してます)

 今後、リハビリテーションはどうなるのか考えてみました。


 まず、この30年で二極化が進むと考えます。
 それは、プロレベルのセラピストになるのか、アルバイトレベルのセラピストになるのか、二極化が進むと見ています。


 プロレベルのセラピストは、感覚が繊細で、0.01mmほどの感覚を識別できるレベルの人です。
 これはAIやロボットには真似できなくて、その人しか持ち合わせていない感覚で、その感覚を使って相手を喜ばせてあげられる人がプロレベルです。
 その感覚は、触覚はもちろん、視覚や聴覚、嗅覚、味覚、第六感などを統合して判断される感覚のことを指します。

 一方で、アルバイトレベルのセラピストは、感覚が鈍く、マニュアル通りのことしかできない人です。これはAI やロボットが得意で、簡単に置き換えられてしまう可能性があります。

 今後、プロレベルとアルバイトレベルで二極化が起こるはずで、アルバイトレベルはどんどん淘汰されていく運命にあります。プロレベルだけが生き残っていくでしょう。

 では、どうやってプロレベルまで到達すれば良いのか。


それは、

センス×好奇心×イメージ力×経験

 この四つのかけ算が重要だと考えます。
 左から順に重要度が高く、特に重要なのがセンスであると考えます。

 おそらく、生まれたときからこの業界で活躍し続ける人は最初から決まっていて、センスを持ち合わせているかどうかが命運を分けると考えてます。
 この生まれ持ったセンスがなければ、なかなかプロレベルにはなれないし、それほどこの業界は繊細な世界だと感じます。

 正直、勉強とか知識とか努力とか学歴とかは二の次でいいと思っていて、センスがものをいう世界だと思っています。

 もちろん、研究職でのプロを目指したいのであれば、話は別です。  しかし、手を使って人を喜ばせる臨床家のセラピストは、センスが一番重要だと考えます。


 このように「センス」を始め、「好奇心」「イメージ力」「経験」を患者さんを通していかに追及するかがポイントだと考えます。


 おそらく、現段階ではリハビリテーション業界は人手不足ですが、養成校の増大に伴っていることから、これから飽和状態になることが予想されます。
 その時に、セラピストは必ず淘汰される時が来るはず。


 その時に、プロレベルの人はもっと追及してほしい(好奇心があれば勝手に追及しますが)し、いつまでもバイトレベルの人は、諦めて、もっと自分の他のワクワクすることを開発してほしいと思います。
 好奇心がなかったら、別の業界で好奇心が湧くはずです。 

 今後、セラピストとして活躍できるように、そして、淘汰されてもいいように、皆がそれぞれ次の一手を仕込んでおくことが、生き残っていくために必要なことだと考えます。

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②予防医療ニュース


 今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
 


~ 転載↓ ~


 75歳以上の医療保険料、全国で上昇 東京は年10万円超


 75歳以上の後期高齢者が払う公的医療保険料の水準が4月からすべての都道府県で上がる。
 1人あたりの平均保険料は東京で初めて年10万円を超え、島根や青森などでは2割超上昇する。
 医療費の伸びに加え、低所得者の保険料を軽減する措置が縮小することが背景にある。
 所得に応じた負担を徹底するとともに、改革が遅れている医療給付の抑制策の検討が急務だ。


 
~ 転載終わり ~
 

出典 日本経済新聞

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57219240V20C20A3EE8000?s=3


・感想

 今回の世界的なコロナショックの影響で、医療・介護費用の負担は、今後ますます増加していく傾向にあります。
 この影響は、2020年中はずっと続くと思います。
 それによって、2021年の介護報酬改定と2022年の医療報酬改定の、ダブルの引き締めがあるはずです。
 2020年のしわ寄せが2年後に全国民の医療介護費用負担増となって表れるはずです。
 自分の健康は自分で守る必要性が高くなっているように思います。

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③予防医療論文


 今週の気になった論文をピックアップします。

~ 転載↓ ~

 10分間のMRI検査とAIを用いたうつ病の高い精度の判定による新たな診断法を開発しました

 
 本研究成果のポイント

・うつ病の客観的な診断法については未だ確立されておらず、様々なサブタイプも指摘されています。
 また、抗うつ薬は十分でなく効果の発現までに時間がかかることも分かっています。


・本研究は、全脳データからうつ病の中核群とされるメランコリア特徴を伴う、うつ病に特異的な安静時脳機能結合を抽出し、人工知能(AI)を用いて高い精度で判定できることを初めて明らかにしました。


・メランコリア特徴を伴ううつ病に特異的な10個の安静時機能結合のうち、1つの結合(第二結合)は、抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による治療により変化がみられないことがわかりました。

 
・これらの結果から、10分間のMRI検査によりうつ病の中核群の判定ができること、抗うつ薬による変化がみられない脳機能結合を標的とした新しいうつ病の治療法開発が期待されます。

 
~ 転載終わり ~


メランコリア特徴

はっきりした抑うつ気分、深い落胆、絶望、陰鬱さ、空虚感

抑うつは朝に悪化する

早朝覚醒

著しい焦燥、もしくは制止(会話が減少する、頭が回転しない、動作が緩慢になるなど)

食欲不振と体重減少

過度、不適切な罪責感


出典  広島大学

https://www.atr.jp/topics/press_200316.html

・感想

 AIが脳画像でうつ病を鑑別できるようになってきました。
 おそらく、これから失業率が高まり自殺者も増えることが予想されます。
 当然、うつ病患者も増える傾向になると思います。
 うつ病の早期発見、早期治療が求められる時代になるでしょう。
 
 

 
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④今週の名言

 大将というものは、


 絶えず勉強せねばならぬし、


 礼儀もわきまえなければならぬ。


  自分ひとりでは何もできぬ。』

 (徳川家康)


大将のいましめ


大将というものは、

 敬われているようで その家来に

 絶えず落ち度を探られているものだ

 恐れられているようで侮られ、

 親しまれているようで疎んじられ、

 好かれているようで憎まれているものじゃ


大将というものは、

 絶えず勉強せねばならぬし、

 礼儀もわきまえなければならぬ。

 よい家来を持とうと思うなら、

 わが食を減らしても、家来に

 ひもじい思いをさせてはならぬ。

 自分ひとりでは何もできぬ。

 これが32年間、つくづく思い

 知らされた家康が経験ぞ。


家来というものは、

 禄でつないではならず、

 機嫌をとってはならず、

 遠ざけてはならず、

 近づけてはならず、

 怒らせてはならず、

 油断をさせてはならぬものだ。


 「では、どうすればよいので」

 家来には、惚れさせねばならぬものよ。


 元和二年6月(1616年)徳川家康


 
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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)


リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha

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