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2024/3/11

長男のドリルの採点をする。
赤ペンを持って、解答を左側にに置いて、正答なら左下から右上を通ってまた左下に戻るやり方で丸を、誤答ならレ点。

しゅ、しゅ、と赤ペンの先が紙を擦る音がする。採点を終えて、「はい、やり直しね」と渡すと、長男が炬燵の天板にがっくりと伏す。

わー、「お母さん」ぽい、と思う。

下唇を出す長男に、「こことここだけだよ、頑張んな」と言う。

ひゃー、「お母さん」ぽい。

子どもを産んで11年、自分の親っぽい振る舞いに慣れない。脱走したり漏らしたり食べ物投げたりしてた、限りなく動物に近かった幼児期にはあんまりそう思わなかった(余裕がなかった?)のに、今日のように採点者になったり、解説者になったり、決定権(や採択権)を握っていると明確に感じる瞬間にこそ、自分の「親っぽい振る舞い」を感じて少し慄いてしまう。

最初に子どもを産んだ時、「これで私はジュブナイル小説において、死んでたり海外赴任してたり操られて敵となったりする立場になってしまったのだ」と思ったものだが、今の私の「親の振る舞い」は、もしかしたら主人公及び仲間たちの親として、なかなか堂に入ったものなのではないだろうか、と慄きつつ自分を励ます。

長男、今年小6。次男、今年小4。
彼らは今年こそ地球を救う夏休みを過ごすかもしれないのだな。そのとき私は何も知らないふりをしていなくては。だってお母さんだしさ。

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