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2024/5/30 240時間はもたない。

長男が学校行事で芝居を見に行くという。私もあったなぁ、そういうの。しかし解散時間がいつもの下校時間よりもだいぶ遅い。解散ポイントがいくつか設けられ、保護者の迎えがあれば学校まで戻らなくて良いそうな。学校まで戻ってから解散だと、塾の時間に間に合わない。解散ポイントまで迎えに行くとなると、今度は塾の授業が始まるまで1時間ほど時間が余ってしまう。どうする?と本人に聞くと、塾が始まるまでお茶飲めばいいじゃん、と言う。おのれ母のフトコロをあてにしおってからに。

しかし悪くない提案だったので、のむことにした。気に入りの喫茶店で季節のタルトが食べたい。

解散ポイントたる最寄り駅前にうじゃうじゃいる子どもらの中からひときわ小さな長男を探し出す。いついかなる時も黒のVネックを着用している教務主任に名簿をチェックしてもらい、ぬるっと解散した。歩く道々声をかけてくれるクラスメイトや友達に実にクールに接する長男である。

喫茶店に腰を落ち着けると、今日見た芝居のパンフレットを見せてくれる。劇団四季、ほうほう。「エルコスの祈り」、ふんふん。

ここで急に、劇的に私の脳内の記憶の扉がばかーん!と開いた。これ、知ってるぞ。私も小学生の時に見たぞ。日生劇場で!!

「ねえこれってさ、アンドロイドと子どもたちが大人の圧力と戦う、みたいな話でしょ?」
「そうね」
「“エルコス”って、本名は“エルリック・コスモス”でしょ?」
「そうそう」
「私も見たんだよ。でもタイトルが違う。私の時は『エルリック・コスモスの239時間』だった!浅利慶太だよ!浅利慶太!」
「燃料がどうとかで239時間は動けるとか、動けないとかだった」

調べると、2000年代に改題されて、内容も少しずつアップデートされてるということらしかった。2人でスマートフォンの画面を覗き込んで、ふーん、ふーん、とうなずく。私の頃から今までずっと、子どものために巡業しているそうな。ありがたいことだ。

親子で時を超えて同じもの見てるってエモくない?と聞いたら、長男はピザトーストを器用に折りたたみながら、そうね、と言った。うれしくなって今度は、「エルコス」って、「キムタク」みたいなことだよね?と言ったみたら、「それはわかんないです」と言われた。エモくない。

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