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2024/5/13 起きている時と寝入る時と眠っている時はみんな違う人間かもしれない。

朝方に目覚めてしまった。何時かはわからない。ここでスマートフォンのあかりなぞ浴びたらもう本格的に眠れなくなるということがわかっているから、意地でも見ないのだ。

よくドラマなんかで、朝早く目覚めてしまって、枕元のスマートフォンを取り上げて「…4時かぁ…」とかやるけど、あんなの私からしたら狂気の沙汰だ。そんなことしたらもう眠りに戻るのは不可能じゃないか。二度寝のチャンスを放棄するなど笑止千万。だから私はいつも、明け方(と思しき)(きっといつもからしたらありえないほど早いに違いない)時間、と頭の隅で憶測するに留めているだけなので、もしかしたらあんまり早くないかもしれないし、逆に夜中なのかもしれない。よくわからない。よくわからないが布団は愛している。

しかしこのように正規の時間ではない時間に目覚めてしまうと、実はスマートフォンの光がどうとかは関係なく、ほぼ確実に二度寝はできない。眠れない感覚を引きずり回しながら、今日はどう仕事しようとか、次の休みには部屋のどこを片付けようだとかが気になってしまって、結局眠りのしっぽをつかまえられるとこなく起床時間を迎えてしまう。

私の頭の中は、大体いつも2つか3つの考えごとのストーリーが並行して走っている。音声と、映像と、あとはもっとごにゃっとしたイメージ。全部がはっきりとしているわけじゃなくて、相互をホッピングしながら、ピントがあったりぼやけたりしている。寝入る時はそれらに薄紙を被せるみたいにノイズが走って、どんどん辻褄が合わなくなってくる。辻褄が合わなくなったらそれが夢と地続きになってくれるのだ。

できるだけ二度寝に取り組む。難しいことは考えずに、ぼんやり、柔らかいことを。数を数えたりしたらいけない。食べ物もちょっと意識がはっきりしてしまうから、羊を数えるなんて本当にだめだ。猫の耳の後ろの毛のぽやぽやとか、買ったばかりのタオルのふっくらした起毛の感触とかと、あったかいかんじの歌の歌詞と、次に遊びに行きたい場所のこととかをぐるぐるかき混ぜる。買った覚えのない靴を磨く手と、見たことない色の豚のイメージが重なる。いいぞ、辻褄が合わなくなってきた。

これで寝れる、と思った時、どす、と腰の辺りに小さく鋭い四つの衝撃。モロー反射ぐらい体がびくりと震える。キャットウォークから猫が降ってきたのであった。続けて我が家のショートスリーパー長男が子ども部屋のドアを開く音。さらば睡眠。おはよう世界。

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