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ドラマ「レンタルなんもしない人」を観てキャスティングについて考えたみた


レンタルなんもしない人

今や超有名人となった、”レンタルなんもしない人”。ご本人は最近YouTubeを始められた模様。他のYoutuberの方も”レンタルなんもしない人に会った"とか、”レンタルなんもしない人と話した”とか、関連動画も沢山あって、何やらバズるコンテンツになっているみたい。この方の本も出版されているが、私は未読。私はレンタルなんもしない人を1年ほど前にNHKの特集番組を観て知った。


さて。今クールテレビ東京の深夜枠で”レンタルなんもしない人”がドラマ化。キャストを調べてみたら、ジャニーズの人気グループNEWSの増田くんが主演とのこと。飄々としているところや、漂う空気感が何となくピッタリだなぁと思ってはいた。

そしていよいよ、ドラマがスタート。今この段階ではまだ2話しか放送されていないが、”レンタルなんもしない人”のなんもしない感じがとても増田くんに合っている。纏っている空気感というかそこにいてくれたら安心、みたいな。そして奥様役が比嘉愛未さん。こちらもまた度量の大きい、それでいて優しさあふれる奥様像にピッタリだった。


テーマ(題材)になること

それにしても、ドラマにしたくなる題材だよなぁと思う。そもそも自分の旦那さんが会社を辞めて、責めるでもなく「なんもしないでいいよ」なんて言える奥様が、世の中にどれだけいるだろうか。…私には無理だ。 ”なんもしない人”が、”なんもしない”ことで結果的には何かしたことになって、依頼人が救われるという仕組み。なんもしないと言いながらも、人間って結局誰かと繋がっている。繋がりの深さとか長さとかは関係なく、ね。ともあれとても良作なので、観ていない方は是非今からでも観てほしい。お話自体は一話完結なので、今から観ても大丈夫。


配役を考える

それはさておき、ドラマや映画のキャスティングって奥が深い。役に合いそうな人って例えば年齢とかビジュアルとか、スケジュールの都合もあるだろうし、でもそれだけで決めているわけではないだろう。

例を挙げよう。放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』では、織田信長役を染谷将太さんが演じている。織田信長といえばイメージ的には「クール」で「ストイック」な感じ。染谷くんは私のイメージではどちらかというと「ほんわか」、「飄々としている」なので、信長のイメージは正直無いなぁ…と思っていた。ところがだ。ドラマを観ていると、信長の狂気を孕んだ感じとか、単純さゆえの残酷さとか、そういうのが実に良く出ているではないか。染谷くんの演技力と言われればそれだけの話なのだが、あんなにイメージの違う人を後々の演技プランまで想定してキャスティングするのは相当なスゴ技ではないだろうか。

さすが、です。


それとは別の例を一つ。木村拓哉さんをキャスティングする際は、どんな役も良くも悪くもキムタクになることを想定しないといけない。キムタクは、何をしてもキムタクである。いや、もちろん褒めている。良い意味である。キムタクって本当にとても良い俳優さんだと思う。その役がイメージ通りまるごと、キムタクになっちゃうのって、ストーリーや脚本のイメージもしやすいし、とても分かりやすい。昨年秋に放送されていた『グランメゾン東京』と、今年お正月に放送された『教場』を観て、俳優としてまた一段、格が上がったと感じた。若い時のように前に前に出る役ではなくとも、扇の要のような、画面に映ってなくても、後ろにキムタクの存在を感じさせる。そんな俳優木村拓哉になったと思った。


そこで気づくのがやはりキャスティングの凄さ。キャスティングの良し悪しを、イメージ通りだ!とするか、新たな発見!とするかは定義できないが…。素人が何様目線だ!とお叱りを受けそうだけど、ドラマを観る多くは我々素人なわけで…。その素人が”凄い”と感じているってことは、やっぱり凄いことなのだ。そんなわけで、ドラマを観る者としては話の面白さはもちろん、キャスティングの良し悪し(というよりも完全に好みの問題ですが…)が、継続視聴するかどうかの大きな査定ポイントとなるのでは。


奥が深い。





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