結局BIって何なのさ(※ベーシックインカムじゃありません)
いつもお世話になっております。
BTI部のマスダです。
情報システム部でレポーティングに絡むシステムを担当している皆様、「BI」をどのように定義していますか?
普段、BI(ビジネスインテリジェンス)という言葉を使っていて、マーケティングリサーチ系の話で出てくる時との意義のズレみたいなものを感じるときがあります。
BI「ツール」については、捉え方は更にバラついている印象。
レポーティング、OLAP分析、データマイニング、プランニング等の機能カットで、それぞれ、BIツールとして独立しているものと捉えている方、それらすべてを包含した概念として捉えている方。更に構成要件を厳密に捉えている方、DWHとデータの共有手段があればBIと呼んで差し支えなしと考えている方など、色々考え方があり何が正解とも言えない様子。
システムに関する概念は日々変わっていくもの。
次世代BIという言葉も最近気にするようになりました。
曰く、
・伝統的な古いBIとは情報システム部門の人間が、ユーザー部門からの依頼に応じて必要なデータ分析を行いレポーティングするもの。
・次世代のBIとはユーザー部門が必要に応じてデータを利活用することができるもの。
成程、わかるような、わからないような。。。
弊社の話に置き換えて考えてみました。
オフコン/汎用機時代は定型帳票がラインプリンタで出力され、それを見ながらえっちらおっちら人力転記で資料を作成していました。
十数年前、販売管理システムのリプレースを行った際にはじめて本格的なBIツールを導入しましたが、動機のほとんどは400超あった帳票の代替によるコストダウンでした。
伝票/請求書とその周辺書類(残高一覧表などの一般的な書類)は必要なので、それ以外の独自分析系の帳票をWeb上でレポーティングするということをやったわけですが、方法論としては、レポート(の定義体)を全部自分が作っていたので、上記の定義でいうと「伝統的」な方になる感じですね。
動的な条件指定をすると処理時間が滅茶苦茶かかっていたので、レポートの定義そのものもかなりスタティックで、ユーザーとしては「出てきたものをそのまま利用する」しかありませんでした。
数年前に再度販売管理システムをリプレースした際にBIツールも変わりましたが、色々と技術的な進化による恩恵により、ユーザー側でデータの表示方法や抽出条件の変更ができるようになり、かなり動的なものになりました。
作る側としては、その分だけ作成するレポートが少なくて済むという副次的なメリットがありました。
周辺のシステムもデータレイクの対象としやすくなったので、DWHとしての有用性はそこそこ高まった感じですが、事前定義したレポートのひとつひとつには相変わらず制作者の意図が入ってしまっているため、ユーザーのオンデマンド感は薄めです。
実際問題、変に凝ったレポートを提供するよりも包括的なデータリストの方が有難がられることもしばしばあるので、「好きに使ってくれリスト」みたいなものは保険的に作っておくのですが、必要に応じてデータを利活用するってそういうことじゃないですよね、多分。
まとめとして自分なりの理解をふんわりと。
データの利活用促進の勘所は、「ユーザーがその時に欲しいさまざまなデータモデルへのアクセス方法を工夫すること」にあるんじゃないかと感じます。
また、単なるレポーティングツールとBIツールの差異は、アクセスルート上での情報リレーによる体験・経験の結果生まれる差異なのでないかと思ったりします。
データモデル間の画面リレーの設計、自然言語による検索など研究課題は色々ありそうです。
●前回の記事