ミツトリヒトギのヤナギモト
テキスタイルができるまで
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テキスタイルができるまで

ミツトリヒトギのヤナギモト

ミツトリヒトギのアイテムは、オリジナルデザインの生地づくりから始まっています。「え?生地から作ってるの?」と良く聞き返されますが、そうなんです。生地から作っているのです!(生地作りの話も、次の記事でお伝えできればと考えています)」
その生地づくりの工程を、2017年に生まれた『薬味』を題材にたくさんの写真を交えてお伝えします。

◆デザインのはじまり。
タベイとヤナギモトの2人が揃って、そろそろ新しい何かを作りたいね…という気持ちになったときが、デザインを生み出すサインです。

今回のきっかけは、男性にも使いやすいデザインを作りたい、ということでした。意外に思われるかもしれませんが、ミツトリヒトギのお客さまには、30代〜60代の男性も多いんです。その方たちが、会社でも使えるような格好良い鮮やかなデザインを作りたい、というところからスタートしました。

◆コンセプトを考える。
来る日も来る日も「何がいいかなー」と考えます。町を歩いたり、本を捲ったり。そして、2人で四六時中電話をしながら、こんなのどう?と案を出し合います。大体、かなり煮詰まります(納得するまで、煮詰まり続けます)。

そんなある日、ぽんっと生まれたのが『薬味』。

色々な種類があって、色々な味があって、少量でもピリリと効く。幾つか足し合わせて、旨味が増す。無いと、ちょっと物足りない。”格好良いオジサン”って、そんな感じじゃない?どちらからでもなく、すんなりと決まりました。

◆モチーフを考える。
コンセプトが決まったら、次にやることは、モチーフを考えること。
それぞれに、スーパーや八百屋さんに薬味さがしの旅にでかけます。

◆手で触れて、描いてみる。
そして、ひたすら描いてみます。


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ミツトリヒトギのデザインの源泉は、「いきもののちから」。
実際に野菜に触れて、そのもののちからを存分に感じながら、描き込んでいきます。実際のいきものは個体差が大きく、図鑑の写真とはまったく違うことに驚かされます。

◆最終的なモチーフを決定
決め方は、自分たちが好きなもの。描いていて楽しいもの。大好きなネギは外せない。シソもいいよね、かいわれも好き。ピリッといえば、わさびと唐辛子。あとは、大好きな胡麻も!というように決まっていきます。

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◆くりかえしを、かんがえる。
私たちのデザインの特徴のひとつに、「リピート」と呼ばれる手法があります。
リピートというのは、デザインを繰り返し繋げていくこと。いきものが上へ上へと育っていく様を、継ぎ目なく繰り返し染めていくことで表現しています。
全体的にどんなデザインに仕上げていくかをざっくり詰めていきます。

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◆テキスタイルと原寸大の紙に下絵を描く。
次は、下絵。
テキスタイルは長さ25mの生地に刷られるのですが、1リピートとおなじ横110cm×縦80cmの紙に手で描いていきます。素材の力強さや躍動感を伝えるための、こだわりのひとつです。

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ここは、「いきもののちから」を最大限取り込んで描き出していく過程。タベイが全力投球する場面です。野菜たちをじっくり観て、素材の面白いところを見つけて描いていると、どんどん楽しくなってきます。その時点では、まだまだ素材に翻弄されている状態。そこから、描いたり消したりを繰り返しているうちに、ある日ふと、気持ち良い線が生まれたり、力が溜められたりするようになってくる瞬間があります。隅々まで、素材と自分がひとつになれたな、と思えるようになったら下絵は完成です。

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◆細部の詰め
下絵が終わったら、細部を描き込んでいきます。
描く過程でも並び方やモチーフの間隔について、細かいやりとりを頻繁にしています。最終段階でも「もっとスッと伸びてるネギが好き」「わさびは、目が詰まっているほうが美味しいらしい」そんな会話でどんどん修正を重ねていきます。

その後、リピートがきちんと繋がり、シルクスクリーンの版を作ってくださる型屋さんが作りやすいように、柄を調整していきます。 そして、このデータと色見本を、染めをお願いしている奥田染工場に送りします。

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◆色を決める(そのいち)
ピリッとした感じがでるような、色味。いろいろな色合わせを試して、ざっくりと色合わせを決めていきます。このときは、紺・ピンク・レモンイエロー・黄緑などの色合いも試してみました(そういうのが意外に可愛かったりもします)。

◆色を決める(そのに)
ざっくり決めた色の方向性を、カラーチップで細かく決めていきます。
タベイとヤナギモトでそれぞれにカラーチップを広げ、その中からこれにしよう!という色味を決めます。この黄色とこの黄色の間くらいで…というような微妙なお願いも、奥田染工場の方にお伝えします。

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◆色を決める(そのさん)
染工場からいくつかの色が返ってきて、その中から色を選びます。私たちの無茶なお願いを踏まえた上で、ミツトリヒトギらしい色味を提案してくださるので、毎回ドンピシャです。
微妙な色の差ではありますが、この違いが最終的な仕上がりで大きく変わってくるので、どきどきしながらの色選び。ヤナギモトが一番好きな工程でもあります。

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◆染め上がり
依頼から1ヶ月くらいして、染め上がったテキスタイルが手元に届きます。何本目になっても、テキスタイルを広げる瞬間は、背筋がスッと伸びるような神聖な儀式を行っている感じがあります。

これが、はじまりの部分。

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◆アイテム作り
テキスタイルにハサミをいれる瞬間は、本当に緊張します。
手で染めてもらっている大切な大切な生地。余すところなく使えるように工夫しているのですが、それでも出てしまうハギレは、すべて保管してあります。
こうやって、ミツトリヒトギのアイテムができあがっていきます。

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とってもとっても長くなってしまいましたが、ミツトリヒトギのデザインはこうやって形になっています。ずっと伝えたいと思いながら、なかなか伝える場がないままにここまできてしまいましたが、ミツトリヒトギに興味を持ってくださった方に面白いと思ってもらえたら嬉しいです!

ミツトリヒトギ

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ミツトリヒトギのヤナギモト
アートディレクター柳本真穂とデザイナー田部井眞子の2人からなるデザインユニット、「ミツトリヒトギ」。 「育ちゆくもの」をテーマに、今にも動き出しそうな生命力を感じるデザインを生み出しています。そんなふたりのことや、感じたこと想っていることなどを呟き貯めていく場所。