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経営戦略本って、理想的に考えられる大企業には使えるが個人レベルではなかなか使えないのでは

マーケティングや経営戦略に興味が出て、関連の本を読み漁りました。
ファイブフォース分析やSWOT分析などの分析方法といった、他社との差別化がメインの本が多かったと思います。
また物流に焦点を当ててまた違った切り口の本もあって、方向性にも色々あるのだと、戦略の世界の一端を知れました。
方向性が違うと具体的に書いている内容が異なりますが、方向性が同じなら分析方法は公式のようにあるので同じで、書き方や解説方法が違うという印象を受けることになりました。
そして書いている内容はその通りでもっともなのですが、現実的に使えるのか? という疑問が湧くことになりました。

分析できても現実で使えるのか?

本を読んで、分析による具体例としてマックやユニクロといった大企業の分析がありました。
分析の内容を読んで、その通りだと思います。
その通りだと思いますが、その戦略に切り替えるにあたって、本当にファイブフォース分析といった分析をベースに経営戦略を練って成功させたのか判別ができませんでした。
苦境に陥っていた際にマーケティングの数多ある公式の1つを選び取って分析し、解決策を見出したのか。
企業が戦略を切り替えたのは全く別の動機。
実は戦略を行なった結果を分析すると、この分析を使って解析すると納得感が出る、みたいな後付けの理由に感じたんです。
結果的にこうでした、みたいな感が拭えなかったんですよね。
個人的に思うのは、苦境に陥っている状態で、どうしてその分析を使って、またその解析の結果どうやって解決しようと考えたのか。
マーケティングの公式通りに問題が見つかって解決するとは、現実的にはなかなか思えませんでした。
もし公式で解決できるのなら、世の中の問題はほとんど解決できています。
分析方法や新しい戦略のやり方は無限にあって、変化にはコストや人員がかかるのになぜその戦略をとると決断したのか、ということだと思うんです。
特にやったことがなければ結果がどうなるかわからず、分析ではその通りだけれども市場としては見当違いなんてこともありうる。
だから炎上案件があるんでしょうし。
自分が昔マーケティング戦略を学んでファイブフォース分析などを自分の事業に活かそうとして、成果につながらずオオコケしたためにバイアスがかなり入っているかもしれませんが。
不動産を買ったことがない人が本を読んで「金利が安い今に不動産を買うべき!」と言われているような、論理的にはそうだけれども現実を知らないよね、という複雑な気持ちになります(まずは自分でやってから言ってよ、という知人がいました)。
10冊読みましたが分析方法の解説、またマックやユニクロといった大企業の実例はありましたが、具体的に携わった企業でどう使ったということが全然ない。
企業秘密ということで出せないのかもしれませんが、本には0でネットでも誰でも知っている大企業の事例しかなく。
個人的には苦境に陥ったときにどうしてその分析を使って解決に導いたのか、将来どうなるのかわからない中どうしてそのプロセスや意思決定をしたのか理由を知りたかったんです。
分析は大事だとは思いますが、本当に将来どうなるかわからない中でのサポートに役立っているのか、ちょっと疑問に思ってしまいました。
現実的にどうしていったか、というところがなかったので。
もちろん継続的に売上を上げていくために多くの施策は必要だとは思いますが、できていないのはコストやマンパワー、技術的にできないなど、理由があって現在の形になっているはずです。
それを分析で「ここが弱いから」という理由で新しく始めるのは、未開の地でどうなるかわかりませんし、なかなかにパワーのいること。
正論で理想的ですが、現実的にはどうなんだろうと読後に思ってしまったんです。

小さければ小さな力にも影響を受ける

高校生の頃の化学で、mol数があったと思います。
分子が6.02×10^23と大量にあると、分子間力など細かい話を無視して大きな一塊として捉えられる。
(厳密にはさらに条件が必要だったりしますが)
1molなど大量に分子があるなら公式に当てはめてその通りに動くと推測できるけれども、分子1個では分子間力やらファンデルワールス力やらといった力が強く無視できない。
同じ物質(分子)でも、規模が大きいか小さいかで無視できる力があったりと細かな力の影響の受け度合いが変わる。
企業も同じようなものだと思っていて、大企業と中小企業、個人では全然違うのではないかと考えています。
大企業は規模が大きいのでファイブフォース分析などマーケティングに書かれている公式が有効にできる。
けれども中小企業や個人はそこまで大きくないので、小さな事象でも大きな影響を受ける。
「こういった分析方法がある」とドヤ顔で本や論文を読んで公式に当てはめる話をするのではなく、現実的にどうやって改善できるかを考える方が重要だと思っています。
個人的に、マーケティングに限った話ではありませんが、現実的に落とし込めるような提案ができるよう、日々精進したいと思っています。

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