見出し画像

違法の冷蔵庫

「あのさあ、何でお前の家、冷蔵庫が2個あるの?」
 と僕は尋ねる。
「ああ、こっちが「い方の冷蔵庫」で、こっちが「違法の冷蔵庫」」
「何だよそれ?」
「「い方」は普通の冷蔵庫だけど、「違法」はやばいものが入っているから絶対に開けるなよ」

 彼がいないとき、こっそりとその「違法の冷蔵庫」を開けてみた。
 中に入っていたのは、「ドリアン」だった。

 ある日、僕は彼に聞いてみた。
「ドリアンって違法なの?」
「あ、中見た?」
「ごめん」
「別に違法じゃないんだけどさ、彼女が嫌いなものをいれてあるんだよ」
「彼女が嫌いなもの?」
「うん、彼女の嫌いなもの専用の冷蔵庫を用意したんだ。彼女が見るのも嫌だって言うんだけど、僕はどうしても食べたくてさ。そしたら彼女がそれを名付けたんだ。これは「違法の冷蔵庫」だって」




もしも僕の小説が気に入ってくれたのなら、サポートをお願いします。 更なる創作へのエネルギーとさせていただきます。