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デザイン観察-パティスリーASAKO IWAYANAGI(ショップカード等)

久しぶり良いな!と思ったデザイン物の観察と考察を更新します。
※全て個人の所感です。

パティスリーASAKO IWAYANAGI(ショップカード等)

こちらのお店のブランド作りがすごいなと思ったのでショップカードとパッケージ(袋)をとっておきました。
パティシエールの岩柳麻子さんが世田谷に構える隣接した2店舗で、自身の名前を冠しそれぞれブランディングがなされています。
・洋菓子店『PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリィ アサコ イワヤナギ)』
・スイーツ店『ASAKO IWAYANAGI PLUS(アサコ イワヤナギ プリュス)』

(レシート日付)_パティスリィ・アサコイワヤナギ

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パフェやスイーツに灰色という対比

最も印象的だったのが、ショップカードやバッグがグレーだったところです。あからさまに黄色やピンクという甘い色ではなくても、高級感を出すために金と黒などをテーマカラーにしているお店はありますが、ここまで堂々と静的な色で動きを止めた印象を押し出しているのは興味深かったです。商材がどうのではなく、やはりパティシエールの方の存在感がまず軸にあるのんだろうなと。とっても都会的で美しいです。動かない色一色なので、凛々しくたたずんでいる「不動」な印象。

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文字に詰め込まれたフランス要素

店名にプラスではなくプリュスとあるように、カードの表記にもコンセプトワードとしてフランス語が組み込まれています。それがこのブランドの中心からぶれていないことがフォント選定にも現れています。フランス生まれで優美なモダン・ローマン体「Didot」系のフォントがロゴタイプ に使われている他、フランス・パリのシャルル・ド・ゴール空港のサイン用書体として制作された「Frutiger」系が用いられて構成されています(間違っていたらすみません)。こうした細かなところですが、一貫性が感じられます。

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(画像はwikipedia より)

余白が生む余裕感

どのデザインでも要素が配置されていないホワイトスペースはとても重要ですが、こちらも抜け感を大事にされて中央に風が通りぬけるような印象です。上述のフォントの他にスクリプト体も大きく使われていますが、方向を変える、十分に距離を置く、大きさに対比を持たせることで整然を保っています。

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(画像はこちらから)

その他の技法や工夫

・幾何学模様や抽象イメージのように地図が描かれ、それが持つ直線と縦長「DIN」系フォントが調和している。それも唐突なアイデアではなく、ロゴタイプの「PLUS」から持ってきている要素。
・どちらも数字は読みやすい書体が選択され、十分な余白で情報量も最低限にまとめている。
・重くなりすぎないよう黒インクの量が調整されていて、紙質と相まって冷たい印象を受けない。

以上です!何かすこしでも役に立てば嬉しいです。
コメントもお待ちしてます。

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