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ポートフォリオ制作の進め方と考え方

これまでの制作キャリアで作ってきた作品をポートフォリオにまとめて製本しました。
作る上で自分なりにいろいろ検討を重ねたので、今後ポートフォリオを作る方に何か役に立つよう、せっかくなのでその制作背景から過程まで公開します。(今回もあくまで個人の所感です。参考まで!)

①制作目的を定義

まず何のためにつくるか?。
今回の場合、今後制作の幅を広げてより質の高い仕事を行うため、現在の能力や経験といった強みをわかりやすく証明するべきだという考えです。いわばプロモーションです。

②使用用途の確認

上記の目的により、想定する公開先や状況は限定的です。主に業務委託検討先やエージェントに対して、商談・提案する際としました。

③仕様と構成の決定

製本(およびそのPDF)形態とした理由は、やはり上記の限定的な公開を想定したためです。あくまで関係者に向けて、次の仕事のためのものであるため、誰でも閲覧できるデジタルフォーマットやネット公開は最初から検討していません。製本形式で作れば、PDF出力で送信できるメリットもあります。
A4にしたのは、それ以下だと掲載作品が必然的に小さくなり細部がわかりにくくなる&文字掲載のスペースが狭くなる、それ以上だと持ち運びに支障がでたり閲覧時に広いデスクが必要になると感じたからです。

コメント 2020-07-04 182044

構想当初はA4縦も考えましたが、ページを見開いたときに横書き文章を余裕もって配置でき、広い余白故に見やすく表現できる横長で構成しました。
A4横は意外と目にする機会がなく縦よりも一般的ではないため、形そのものがアイキャッチとして機能したらいいなという願いもあります。

また自分の強みは幅広いメディアを扱える、プログラムや英語への知見といった「専門職ながらの汎用性」と自覚しているので下記は必須としました。

・スキル列挙としてアプリケーション、プログラムの一覧
・作品をメディア事にグループ化(DTP、WEB、その他デザインなど)

これらの要素は結果として、自己紹介部分や目次表記に掲載しています。

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こうした背景により、作品掲載を重視した下記の内容構成にしています。

・表紙
・自己紹介、事業説明
・経歴、スキル紹介
・目次
・DTP作品
・WEB作品
・デザインその他作品
・裏表紙

④掲載内容を精査

肝心な作品の紹介方法です。ここでもあくまで当初の目的である「強みをわかりやすく証明する」ことに従いました。
そのため、「どのようなスキルを」「どのように使って」「どんな制作」をしたのか伝えるためどの作品ページも下記を記載しています。

・ジャンル(DTPやWEB)と作品番号
・サイズなどの仕様
・制作時期と期間
・担当領域
・使用したアプリケーション、プログラム
・作品説明(制作経緯や目的、効果等含む)

⑤ページデザイン

コメント 2020-07-04 184800

事業のコンセプトカラーが無彩色であることも踏まえ、作品以外の部分で彩色を極力使わないようにして、肝心の作品の見栄えが悪くならないよう工夫しました。同じ理由でページの装飾も最小限に抑えて、前述の通り全体的に余白を広く設けつつ作品を最大限大きく見せています。

コメント 2020-07-06 140606

実際の画面をスマホやタブレットにはめ込んで見せるWEB作品も、端末の存在感を枠線の細さ薄さで薄めて作品を可能な限り主張。

できることをわかりやすく伝えるべく、読みやすさを重視して文章の行間も広めに設けています。

コメント 2020-07-04 183650

また能力の証明が目的であるため、使用アプリケーションやプログラムに特に目が行くよう、この部分だけ鮮やかなアイコン表記です。

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表紙のデザインについては、なるべく目を引くインパクトを持ちながらも、表紙だけすごいとならないようシンプルに留めて、肝心の中身を見たくなるように意識しました。結果として事業コンセプトカラーである無彩色のまま、黒を全面に塗ったデザインにしています。
ちなみにC2とは事業のContentsCreationのことで、一部分をあえて立ち落とし迫力を出しています。

⑥素材制作

上述の通り、スキルやアプリケーションのアイコンをこのポートフォリオのために別途制作しました。こちらも徹底してわかりやすいことに加え、作品以外が無彩色で構成されることから意図的に色彩豊かにしています。illustratorで作り、CCライブラリでinDesignに持ち込み。

コメント 2020-07-04 185339

⑦文章推考・掲載作品編集

意外に時間がかかったのがこの部分で、端的に明確に理解しやすい紹介文にすること、しっかり制作の目的や背景に加えて工夫したところなどが伝わる文章にすることを目指し何度も書き直していました。事前にエクセルにて掲載内容を管理し、他作品と重複しすぎている表現で単調になっていないか等もチェックしています。
この事前のエクセル管理で、掲載作品の候補をまず全部入力し、その中からバランスを見て選抜することで作品を絞っています。

20ページくらいに納まるのがよいとされる意見も目にしましたが、汎用性の訴求には多様な作品を掲載する必要があること、見やすさを重視し1作品に見開き(2ページ)を使っていることから、結果として30ページほどの量となりました。

⑧制作作業

上記が固まった上で作業開始。下書きの手書きラフを参考にinDesignのマスターページを作成していき、事前に用意した文章や作品イメージを差し込んでいます。

⑨入校・完成!

ここで唯一迂闊だったのが、印刷業者さんの指定です。冊子だからいつも使ってるところでいいかと思っていましたが、よくよく考えるとA4横は特殊なので、少し予算外だったり最小部数が多かったりと結構調べることに。
最終的にここの印刷屋さんに依頼して、少部数で刷ってもらいました。同じくA4以下横向き冊子印刷でお困りの方はぜひ。

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参考にしたもの

まずストレートにこの書籍。学生さんが就職活動するにあたって制作・使用した実際のポートフォリオが詳しく掲載されています。また業界別に分かれているので、就活用としてもとても役に立つ情報が多い気がする。

あとはこれら情報サイトです。見る側がどんな点に着目しているのか、最低限ほしい情報は何かなど興味深かったです。

以上です!何かすこしでも役に立てば嬉しいです。
コメントもお待ちしてます。


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