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多用されるWebフォント「Noto Sans JP」の考察
仕事でよくwebサイトで使われているフォントをチェックします。すると巷で言われている通り、ものすごく多くのサイトで「Noto Sans JP」が採用されていることを実感したので改めて調査・考察していきます。
「Noto Sans」とは
世界中の言語をサポートすることを目標にGoogleがadobeと共同開発したフォントシリーズのサンセリフバージョン。
コンピューターで表示できない文字がある場合、文字の代わりに小さい四角(□)、通称”豆腐”が表示されることが多いが、すべての言語に対応したフォントを開発することで”豆腐”が現れることがなくなるようにという意味を込めてNoto(no more tofu)という名称が付けられた。(Wikipediaより)
そしてその日本語対応版が「Noto Sans JP」です。2014年にベータ版として「Noto Sans Japanese」が、2018年に正式版がでたとのこと。
種類と違い
上記背景ゆえにリリース元によって呼び方が変わり、若干の違いがあります。
Google …Noto Sans JP
Adobe…源ノ角ゴシック(英語表記:Souce Han Sans(JP))
さらにそれぞれには「CJK」がつくフォントがあり、日本語以外の中国語(C)と韓国語(K)にも対応しています。詳しくは下記参考。
フォント形状観察
非常に癖がなく美しく、下記の通り現代にしっかりはまっている印象です。面白いのがフォントにも流行りがあって、あえてトラディショナルな要素を加えることでそれが逆にモダンに見えるというところ。これは前回書いた墨溜まりの話にも通じる気がします。
『源ノ角ゴシック』は、モダンすぎず、かといってクラシックすぎず、ちょうどいいところに落ち着いたのではないかなと思います」
『長文を組んでも自然で、ウェブのコンテンツやユーザーインターフェースに使っても大丈夫』(ASCII.jp記事より)
同じく癖のないヒラギノ角ゴと比べると少し字面が小さめかなというところ。
WEBフォントとしての良さ
無償で利用できる
改変・再配布できる
ウエイト(太さ)が7種類もある
商業デザインでも利用できるクオリティの高さ
各国語の書体デザインが統一されている
漢字も豊富に入っており、旧字体、中国語の字体なども含まれている
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで読みやすいようにデザインされている
オリジナルフォントを作成する際に組み合わせて利用できる
(こちらの方のブログより引用)
特にウェイトが豊富であるという利点は、多用されている理由の一つなんじゃないかと思います。全体で統一感を持ちながらも、見出しから本文まで細かく使い分けできる。ランニングコストなしで使える日本語対応フォント中では抜群の優秀さ。
Adobe Fontsであればopentype機能を持たすことが出来るので、CSSの「font-feature-settings」で自動カーニングが設定できることも大きい。
(関連)約物専用WEBフォント
今回調べていて一番収穫だったのが、「Noto Sans Japanese」に基づいた約物専用WEBフォントの存在です。約物(句読点や括弧類)も全角分のスペースをとるためどうしても間が空いているように見えるのですが、これを併用させることで約物を文字詰めすることができる優れもの。明朝体や丸ゴシック用の約物も入っているので相性次第では使えると思います。
以上です!何かすこしでも役に立てば嬉しいです。
コメントもお待ちしてます。