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夫が感じた 「憑いたもの」

これは、先日私が見た夢の約一週間後の話です。
夫は夫で気になる夢を見たそうで、検証しようと私が不在のときにその場所を一人で訪れ、新たな発見と感じたことを話してくれました。(※この記事は約5分で読めます)

私が見た夢と以前体験した夫にまつわる不思議な話は、こちらの記事になります↓

夫が見た夢

夫の夢に登場したのは二匹の元気な狐。
夫が思い当たったのが、先日、私に代わって春大祭に参加したある稲荷神社でした。その神社を初めて訪れたのは、約四年前。ここに移住して、愛犬とともにあちこち散策している中で偶然見つけた神社です。
その後、愛犬を通して親しくなった和菓子屋さんからここの春大祭の話を聞き、以来参加するようになりました。
そこの社の屋根には、元気な二匹の狐がいます。夫は、その狐が夢に現れたと考えたのです。

屋根の左右に二匹いる狐

稲荷神社で歓迎される

この稲荷神社が鎮座するのは、小高い自然豊かな場所。境内には何本もの桜があり、毎年見事な花を咲かせます。
今年の春大祭では、宮司さんが祝詞をあげている最中に風が吹いて社の中に桜の花びらが舞い込み、歓声が上がったとか。

この桜の舞いで歓迎されたと感じた夫。そこの眷属が夢に出たということは、憑いたのはそこに祀られている神様ではないかと考え、散歩がてら確認に向かったそうです。

その日は朝から曇り。
ところが、夫が境内に入った途端、雲がさっと引いて眩いばかりの太陽が顔を覗かせたそうです。これに驚き、歓迎を受けたと感じた夫。そして
(やっぱり、ここの神様だ)
と確信したと言います。
ただ、夫が口にした神様は、私にとって意外なものでした。

夫を歓迎した神様とは?

稲荷神社といえば、一般的に考えられる神様は「うかのみたまのかみ」です。その神社は伏見稲荷から分祀しているそうで、伏見稲荷のサイトを見ると「うかのみたまのおおかみ」をはじめとした五柱をご祭神としていると明記しています。
つまり、夫が行った神社のご祭神も「うかのみたまのかみ」ということになります。
ところが、夫が直感したのは「荼枳尼天(だきにてん)」だと言うのです。

「荼枳尼天」も実はお稲荷様で、白狐にまたがった女神の姿をしています。荼枳尼天は寺院で祀られている神様で、一般的には神社の神様ではありません。三大稲荷の一つにあげられる「豊川稲荷」は、寺院であるためにご祭神は「荼枳尼天」になっています。
つまり、神社のお稲荷様は「うかのみたまのかみ」、寺院のお稲荷様は「荼枳尼天」ということです。

荼枳尼天(Wikipediaより拝借)

ただ、神仏習合のときには稲荷神社でも「荼枳尼天」を祀っていたことが多いようです。荼枳尼天を稲荷神社へ習合した理由には諸説ありますが、その一つに白狐に乗っていたことがあげられます。狐つながりといったところでしょうか。
荼枳尼天は、もとはヒンドゥー教のカーリーという神の侍女でシヴァ神の眷属でもあり、死人の肉を食べる夜叉であるといわれています。文字数が膨大になるため細かい説明は省きますが、後に仏教に帰依し、荼枳尼天は福を招く神仏になりました。寺院で祀られていることが多いのは、それが理由です。

明治時代に入って神仏分離が行われ、廃仏毀釈(仏教の教えを棄却する動きで、多くの仏像などが破壊、寺院も潰されています)が進んだとき、荼枳尼天を切り離して神社として残ったところもあれば、寺としてそのまま荼枳尼天をご祭神としたところもあります。
現在も、寺院でありながら境内に稲荷社を置いているところは少なくありません。個人的な見解ですが、現在は神社で表向きのご祭神を「うかのみたまのかみ」としていても、境内のどこかに荼枳尼天が廃棄されて埋もれているところもあるのではないかと思っています。

荼枳尼天と私に憑く神様の関係

ところで、何度かnoteでも触れていますが、私には八年ほど前から「歓喜天」が憑いてくれています。もとはヒンドゥー教のガネーシャ(シヴァ神の息子)で、象頭の姿をしたあの神様です。「歓喜天」は、ガネーシャが仏教に帰依したものとされています。
「歓喜天」はガネーシャに姿を変えた十一面観音と抱擁する姿が一般的ですが、私に憑いているのは単身です。
実は、「歓喜天」と「荼枳尼天」は密接につながっています。

「荼枳尼天」は、もとはダーキニーというサンスクリット語が語源になっており、「集合体」という意味も持っています。「三面荼枳尼天」という三柱の神仏が集合した図もあるのですが、その中の一神が「歓喜天」なのです。


なお「三面荼枳尼天」はこのようになっています↓

私が所有する書籍の表紙です


わかりやすく、アップにしてみましょう。
右側に象頭のガネーシャが乗っているのが確認できます。この三神が集合したものが「ダーキニー」であると考える人もいるようです。

頭上に北斗七星があるのがわかるでしょうか?
実は、父実家に縁が深い神社の屋根にも北斗七星のマークが入っています。
不思議な縁です。


実際のご祭神は「荼枳尼天」なのかどうかはさておき、「荼枳尼天」も「歓喜天」同様、怖い神様というのが世間一般の認知です。滅多に関わってはいけない神様といわれています。「荼枳尼天」に関しては、もとは悪鬼や夜叉ですからね。
実際、私も夫も「荼枳尼天」は避けてきました。なので、夫が感じたように荼枳尼天だとしたら
「また、厄介なものを」
と思ったのが本音です。

ただ、「歓喜天」については、私には面白い神様で陽気で、インドのガネーシャのイメージそのもの。世間の噂とはまったく違っています。何しろ、あの訳あり物件から出していただいてますし、その後も勝手にいろいろ助けてくださっていて有り難い限りです。まとまったお金が必要になったときも、不思議と作ってくれます。

「荼枳尼天」は実際どうなのか、まだわかりません。
私が夢で見た醜女(しこめ)を成敗し、奪われた福を取り戻すために夫に憑いてくださったのなら有り難いですが・・・。








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