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強みを活かす前にやること

こんにちは。ヨシミツダです。
「強みを活かす。」
仕事や人生の満足度を高めたいと思うのなら、それしかないよなと思いつつ、意識はしてもなかなかそうならないのはなぜかというようなことを考えてみました。

強みが生まれるとき

ところで皆さんが持つ「強み」と呼ばれる特徴はどうやって生まれたのでしょうか。

あくまで、自分の経験をベースに考えると強みは、下記のような形で生成されている気がします。

1.生まれた時からの性質
✖️
2.行動して得られた経験とフィーリング(の蓄積)
✖️
3.訓練して身につけた思考様式、技能(の蓄積)

生まれた時からの性質も、やはり経験の影響を受けて変容していくのですが、強みを作るためには2の行動して得られた経験とフィーリング、3の訓練して身につけた思考様式、技能が重要になるように感じます。

1.生まれた時からの性質

についてはGallup社のストレングスファインダーなどがヒントになると思います。

オンボーディングプロセスの変遷

それでは2.行動して得られた経験とフィーリングについて考える時に、社会人なり立ての時のことを思いだしたいと思います。

私が新卒で入った会社では、習うより慣れなさいと教えられることが多く、やり方も自分で考えて、文字通りまずは体験して、そして傷つきながらも本質に近づいていくというようなアプローチをとりながらいろいろ学んでいきました。私は今40代ですが、私くらいの世代では割と普通だったのではないでしょうか。

しかし今の時代、そんな教え方は受け入れられない人もいて、まずはやり方をしっかり教えて欲しい、そこからスタートして学ぶからという意見があり、ネットでも話題になっていたことがありました。

私は、上記の意見も正しいなという気がしていて、例えばOSS(オープンソースソフトウェア)などを使う場合、サンプルコードと共に使い始めるためのチュートリアルが準備されていて、ソフトウェア開発者はまずはそのコードをみて基本的な使い方を学んだ後に応用編に進んでいく、というプロセスが通常だからです。この使いはじめるまでのプロセスをよくオンボーディングというのですが、組織に新しい人が加入した時に仲間を迎えいれるプロセスの文脈で使われることもあります。

こうして昭和、平成時代の徒弟制度に近いハイコンテキストな教育方法は、新人の成長スピードをあげたり、離職を防ぐためのエンゲージメントを高めたり、新人、中途の人が独り立ちするスピードをあげて組織の生産性向上をするという目的でよりシステマチックなプロセスに変わってきています。

失われるリスクがある垂直的成長

成人発達理論という理論をご存知でしょうか。
成人以降の人が持つ心の成長に着目し、そのプロセスとメカニズムを理論化した発達心理学の一分野です。ハーバード大教育大学院のロバート・キーガン教授が中心となり研究が進められてきました。

この成人発達理論の中で、大人の成長のことを「水平的成長」と「垂直的成長」の2つに区分しており、それぞれ以下のように定義しています。

水平的成長
知識量の拡大•技術の質の向上につながる成長のことです。例えば研修に参加したり、与えられた課題に取り組んで、知識•スキル、専門性を獲得するのが水平的成長に当たります。

垂直的成長
さまざまな視点や認識からものごとを柔軟に判断していけるようになる状態です。人間としての器の成長とも言えます。
多様な価値観を受け入れて、多角的な視点を持って仕事を進めることができるようになります。

この垂直的成長を達成するには、「批判的内省」が必要と成人発達理論では言われています。
批判的内省とは、自らの言動や行動の振り返りと共に、信念や固定観念の問い直しを行う、より深い内省のことです。経験を深く掘り下げて、自分の経験を棚卸しして、新たな価値観、行動規範を作っていきます。

オンボーディングの話に戻りますが、ベストプラクティス的なものが存在するという前提でチュートリアル的に知識の伝達にフォーカスしすぎる場合、意識せず垂直的成長の機会が失われている場合があります。時に失敗し、非効率にもなりうる徒弟的ハイコンテキストなオンボーディングプロセスには、自ら考えるプロセスに垂直的成長のエッセンスが含まれているからです。達成されることのみ着目すると見落としがちな視点です。

やってみて“ダメだ”とわかったことと、
はじめから“ダメだ”と言われたことは違う
出典:イチロー

話が長くなりましたが、イチローさんも言っている通り、経験を通じて到達した結論がもたらすことは、経験なくして知っていることとは違うということですね。

2.行動して得られた経験とフィーリング(の蓄積)

には、垂直的成長を伴うということが重要になりそうです。

加減乗除の法則

加減乗除の法則という言葉は仲山進也さんの「組織のネコ」という働き方という本の中で紹介されていて、その中で大変参考になるなと感じた法則です。

「組織のネコ」という働き方より抜粋

加減乗除の法則によれば、働き方は四つのステージに分かれます。

1.加ステージ
•できることを増やす。苦手なことをやる。量稽古
•仕事の報酬は仕事

2.減ステージ
•好みでない作業を減らして、強みに集中する
•仕事の報酬は強み

3.乗ステージ
•磨き上げた強みに、別の強みを掛け合わせる
•仕事の報酬は仲間

4.除ステージ
•(因数分解して)1つの作業をしていると複数の仕事が同時に進むようにする
•仕事の報酬は自由

最初に強みと呼べるものを見つける時に、やはり量稽古が必要でかつ、量稽古したことすべてが強みにつながるわけではないのがポイントです。
量稽古して不要なことを削っていくプロセスが必要ということです。
結局、それなりに労力必要だよねということです。強みがないと思っている人は、単純にこの加減のプロセスが足りてない可能性もありそうです。

3.訓練して身につけた思考様式、技能(の蓄積)

の目標を立てるポイントとして、乗ステージのイメージを持つことも役に立ちます。

どんな強みを掛け合わせたらより効果的になるかということを考えます。一つの強みが凡庸でも掛け合わせると大きな特徴にできる可能性があります。

あとは、あんまり気が進まないかもしれませんが、「カネは糞の中にある」という名言も参考にして、人がとても嫌がる割に、自分は割と好きで得意なことも、強みを考えるポイントにして参考にしてはどうかと思いました。

ということで今回は強みを活かす前にやらないといけないことについて考察してみました。

ではまた。

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