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成長の踊り場を抜けた時に考えたこと

こんにちはヨシミツダです。

30歳ミドルより同じような仕事をして、スピード、質ともに磨きをかけていた時にふと気がついた違和感。

忙しいけど、つまらない。踊り場にいる感覚。

周りの人に頼りにされる。
チームリーダーでいることが普通。

実際は、手が回らず現場ではトラブル多発。
QCDの責任も高いレベルで達成してるとはいい難く、メンタルダウンしてるメンバーのケアにも悩み、マネジメントが行き届いているとは言い難い状況でした。

正直まだまだ、力が足りないけど
学びを感じる機会が少ないと感じていました。
もちろん、いい歳してるので、学ぼうと思えば全てが学びというというのはわかっているのですが、事実としてどうしても成長の実感を感じることは少なかったのです。

ダニングクルーガー効果

ダニングクルーガー効果という学説を知っていますか?この仮説は1999年にコーネル大学のデイビッド・ダニングとジャスティン・クルーガーにより示された認知バイアスの一つで、能力の低い人が実際よりも自分を高く評価してしまう現象のことをいいます。

皆さんも、経験あると思いますが、あることについて実務を積んで2〜3年くらいした時に、ある程度のことができるようになると自分はその道のエキスパートのような気分になったことがある人は多いと思います。(カテゴリA)

しかしながら、後になって考えるとまだまだ客観的には入門レベルのことしかできてないことに気がつき自分の能力に自信を持てなくなる。(カテゴリB)その後さらに修練を積んで、やっと自信が高まっていく(カテゴリC)という認知のプロセスです。

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[ダニングクルーガー効果]

この仮説に対しての言説でよく見かけるのは、学びのプロセスを理解して、自分の能力を客観的に把握して、謙虚にならないといけないよねという言説で私もそうだと思います。

また、言われると当たり前のように感じますが、経験による能力の向上は、経験に比例してどんどん向上するのではなく非線形に向上していくことを示しています。

少し遅れてくる高揚感

このダニングクルーガー効果の自信と経験に関する曲線を見たときに、私はもうひとつのことに気がつきました。

「学びの高揚感や、ワクワク感も同じ形をしているのでは?」

実際には経験に伴う能力の向上より少し早めにピークがくるイメージでしょうか。

さらに習熟してきたときは、高揚感、ワクワク感も停滞するところも同じ。

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[高揚感、ワクワク感の関係]

ということは、常に高揚感、ワクワク感をキープするためには、経験値が異なる活動を常にずらしながら実行するとよいのではないかということに気がついたのです。

ピンとこない人もいるので、図解しますと下記のようになります。

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このような高揚感、ワクワク感の副次的効果として停滞期にある学習の閉塞感を緩和してくれるということが考えられます。
幸いにも人は2つの感情を同時に持つということが得意ではないので、別の経験で得た高揚感を停滞感を感じているスキル開発などに活用するのです。

ポイントは経験値がずれているというところで、なんらか新しいことに断続的に取り組み続ける必要があります。
あとは時間という箱があるので、消化不良にならないようにすること。ポートフォリオのローテーションのようなことも気にする必要があります。

戦略的経験思考

ということで、いわゆる意識高く学ぶというよりは、忙しいだけでつまらない状態を改善するために戦略的に何かを学び続けるということを実行することにしました。これまで、学んだことも含めて整理しました。

・カテゴリA 
(経験が浅いけど高揚感も高いスキル)

正直、カテゴリAはやりたいことと同義なので、たくさんあります。

・機械学習やAI
 各種研究の実用性見極めと社会実装 
・Docker (コンテナ技術)
・AWS、GCPなどデータ基盤
・PdMの仕事全般
・UX
・CSMの仕事全般
・MLOpsなどAI開発の基盤となる技術、方法論
・メディカル関係のドメイン・事業知識
・スタートアップ組織運営
・資産運用(給与に依存しない生活基盤作り)
・税金
・起業

・カテゴリB
(停滞期:ある程度できるが、思いと現実のGapが大きい)

カテゴリBは、今まで仕事としてかなりの経験はあるけど、一流かといわれると自信がないことになるのではないかと思います。

・プロジェクトマネジメント
・ソフトウェア品質保証
・コミュニケーション
・チームビルディング
・組織開発
・FA関連のドメイン知識
・英語(ビジネスレベル)
・茶道


・カテゴリC
(自分以外の人や社会への貢献意識と実力が伴う時期)

カテゴリCはもはや自分のためや会社のためだけでなく、社会的にどんどん役立てたいと思うレベルに達していることだと思います。

・画像認識の深掘り、情報発信、アプリ作り

・アンラーニング

・前職の社内ルールに基づく意思決定方法
・テクニカルなことは若い人がやるという思い込み
・ウォーターホール的な直線計画思考
・ビジネスオーナーシップのない昇進願望
・ラダーなどPLC関係の知見
・パワエレ系の知見(使う機会なし)

最後に急にアンラーニングという言葉がでてきましたが、これは一度学んだ知識や価値観を認識し、個人や仕事を進化させるために今の習慣やスキルを修正することです。
歳を取ってくると、どうしても変えていかないといけない価値観があるなと感じます。私も若い人と積極的に会話するようにしています。
人間の時間、記憶というリソースは有限であるため、不要なリソースは整理していく必要があるのです。カテゴリBにある内容はもう少し精査が必要かもしれません。

繰り返しになりますが、なんでも学習したいからというより、高揚感が高い状態を維持しながら自信を高めるという作戦です。

楽しいから笑う→笑うから楽しい
という考え方です。

近況

以上のようなことを実行するにあたり、より行動しやすい環境を考えて転職するに至ったのですが、結果として毎日ワクワクしながらすごせています。残業時間が減るという転職の副次的効果があったこともありますが、毎日学ぶ習慣と精神状態を維持できています。
いろいろなことに手をだすと中途半端になるリスクもありますが、合理的に考えて閉塞感をなくすためにいろいろ手をだすことにしました。
日本では一つのことに集中することが美徳とされますが、かつての私のように踊り場で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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