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M&A相談のポイント(売手様)

こんにちは。スモールM&Aアドバイザーの北林です。
今日は会社や事業の売却をご検討されている方々向けに、M&A仲介会社やアドバイザー会社、行政の事業承継サービス窓口など(以下、「アドバイザー会社」)に、ご相談に行く場合のポイントや注意点を、記載したいと思います。

ポイント1:相談料
特に専業で行っているアドバイザー会社は無料が一般的です。有料のケースが多いのは、弁護士・会計士・税理士等の士業をメインとしている方々の場合で、M&Aに関わらずタイムチャージというケースが多いです。

ポイント2:場所
できればアドバイザー会社に出向くことをおススメします。相談される経営者様は多忙ですので、自分の会社で内密に行いたいと要望されるケースが多いですが、いつ誰がどこで聞いているかわかりません。また会社の近隣の喫茶店等も避けるのが無難です。また近年ではWEBツール(ZOOMなど)相談対応をしている会社様も多くあります。その場合も十分周囲に気を付けて頂ければと思います。

ポイント3:持ち物
初回は会社案内(HP印刷)ぐらいで良いと思いますが、決算書(直近3期分)などを要望されるケースもあります。決算書があれば、売却金額のおおよその相場観がわかりますが、大切な機密情報です。よって、決算書コピー等の機密情報を渡す場合は、必ずアドバイザー会社と、秘密保持契約書を交わすことを忘れないで下さい。できれば事前に契約書のひな型を確認しておき当日締結後、資料開示するのがベストです。事後の場合でも速やかに締結しましょう。(なお秘密保持契約書のポイントは別途書きたいと思います。)

ポイント4:相談内容
まずは以下の点について、売手様で事前にお考えを整理しておくとスムーズに進められると思います。

A)売却希望時期
B)売却理由
C)売却条件
D)売却スキーム(会社全体の譲渡、または一部の事業の譲渡など)

そして、以下についてアドバイザーに確認しましょう。
E)売却の大まかな進め方(流れ)
F)アドバイザーの関与範囲
G)アドバイザー報酬(費用)

E)では、聞いたことがないようなM&A専門用語が出てくるかと思いますので、意味をしっかりアドバイザーに確認しましょう。

F)では、Eで聞いたM&Aの進め方(流れ)において、どこまでアドバイザーが関与するのか確認しましょう。まれにマッチングのみ(買手をご紹介)までしか対応しないアドバイザー会社もあるので、注意しましょう。

G)では、「着手金、中間金、成功報酬」の有無、支払時期、特に計算式は十分確認しましょう。
例えば、成功報酬=基準金額×5%という場合、「基準金額」には何が含まれるのかしっかり確認することが重要です。
同じ5%でも、基準金額で大きく費用が異なります。譲渡代金(株式額or事業譲渡額、役員退職金、役員借入金などの合計)が基準の場合が多いですが、簿価総資産(時価総資産)を基準にするケースもありますので、しっかり確認してください。

相談終了後、M&Aを依頼したいと判断した場合、M&Aアドバイザリー契約(ファイナンシャルアドバイザリー契約)の段取りに入ると思いますが、当日にその場で締結するのは控えておくのがベストです。
当該契約書の内容はページ数も多く、難しい言い回しも多々あります。一旦、持ち帰ってしっかり中身を確認し、不明な点はアドバイザー会社に確認をした上で締結しましょう。当該アドバイザー契約で後々トラブルになるケースも散見されますので、可能であれば顧問弁護士(外部弁護士)に一度確認頂くこともおすすめです。もちろん社内の法務担当の従業員への確認は厳禁です。
(別途、アドバイザー契約に関するポイントは書きたいと思います。)

以上、売手様向けのM&A相談時のポイントでした。
少しでもご参考にして頂ければと幸いです。

ミツキタアドバイザリー株式会社
代表取締役 北林光明
https://www.mitsukita.com

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