同人やっててよかった〜って話

特に何があったわけでもないし、色んな人に話してる話ではあるけども、いつか忘れたりしても嫌なので残しておくことにします。

私が二次創作に手を出したのは小学6年生の頃だった。

FF9が大好きで、解釈がめちゃめちゃ一致するサイトがあって(当時はpixivよりも個人サイト一強時代だったので日参サイトがいくつかあった)ほんとにその方の書かれる小説が大好きだった。
更新があるたびに読んでは拍手メッセージを送り、キリ番踏めた日には嬉しくって小躍りしながらリクエストを送り、自分のサイトも見て欲しいなどと迷惑この上極まりない拍手メッセージを送っても(良い子のみんなは真似しないでね)優しくお返事してくださる神様だった。
その方主催の推しのアンソロが出れば両親にお願いして通販の許可をもらって買ったりした。生まれて初めて買った同人誌だったと今思う。
中学生になり、Twitterをその方が始め、追いかけるようにアカウントを取得した。今も当初の目的とは違うがとあるジャンルの専用アカウントとしてその垢は元気に稼働している。当時はbotに真面目にリプを送っていたが今ではもう立派なツイ廃である。

時は流れ、FF9は大好きであるもののメインジャンルとはしなくなり、たまにその方のサイトを覗くくらいになっていた。本当にたまにだ。
そして大学生になって自分も何冊か同人誌を出すようになった頃に怪盗ジョーカーにハマった。漫画はたまに行く眼科に置いてあったコロコロを読んでなんとなく好きだったが、アニメ化をきっかけにハマりだしたのだ。
久しぶりにその神のサイトに行くと、なんとその方も怪ジョの二次創作をされていた。ウキウキして読むとやっぱり解釈一致で大好きな作風だった。同じく怪ジョにハマった友人にそのサイトを布教したりして、怪ジョの読み専ライフがしれっとスタートした。

怪ジョの二次創作を「書く側」になったのはアニメ51話がきっかけだった。
ジョーカーを庇って相棒のハチが撃たれて死んでしまうという引きだった。
読み専ではあったものの、私はジョーカーがいかに「家族」というものを大事にしてきたか、ハチのことを大事にしてきたかはもちろん知っていたし、ハチのことを家族として見ていたことも知っていた。
一週間も待てなかった。原作にはもうある話なのでこの後どうなるかは知っていたが、それでも書く衝動が止められず、pixivに1件、生まれて初めての怪ジョの二次創作小説を上げた。

そしてブクマ通知を見て、目を見開いた。
あの神が、私の小説をブクマしてくださったのである。

通知欄とブクマユーザー一覧を5度見はした。マジでした。
嬉しすぎてスクショ撮って友達にめっちゃ自慢した。私にしか分からんであろう興奮具合を受け止めてくれた友達には感謝しかない。
そして精神が小学6年生に戻った私は勢いで神のサイトの拍手メッセにお礼を書いた。昔こういう名前でよく拍手メッセを書いていたこと、覚えてないかもしれないけど、その頃から好きな人にブクマされて本当に嬉しかったこと。

そしたら、神はやはり神だった。私に「覚えてますよ」とお返事をくれたのだ。
二次創作続けててよかったと心から思った。あの頃、ろくに話も書けないようなガキんちょから、下手の横好きかもしれないけどずっと書き続けて来てよかったと心から思った。

そして怪ジョのアニメが終わり、怪ジョ好きな友人と興奮冷めやらぬ中急遽同人誌を出すことにした。友達は漫画、私は小説の合同誌。2人共別ジャンルのイベントを目前に控えていたのに物凄い勢いで本が出来た。あの頃の執筆速度は今思い返しても最速だったと思う。爆速で申し込みをし、爆速で原稿を書き上げ、友達は社会人なのに自分の漫画だけでなく私の挿絵も表紙も印刷所とのやり取りもペーパーの発注もしてくれたのだから驚きだ。今から考えても感謝しかない。私友達に対して感謝しかしてなくない?好き

春コミ当日、最高の1冊を提げて私たちはスペースにいた。
2人いるのをいいことに先に私が買い物に行かせてもらった。神もこのイベントに出ているのを知っていたから、とりあえず神のスペースに行って挨拶しようと思っていたのだ。
残念なことに神は同じように買い物中で不在で売り子さんしかいなかったが、売り子の方によろしくお伝えくださいと謎の伝言を残し(なんせ私が一方的に神を追いかけてただけで知り合いではないのだ)て買い物をしすごすごとスペースに戻った。

「みつきさんですか?」

実際にこう言われたかは正直覚えてない。ただ事実として、その後神は私たちのスペースに来た。私たちの合同誌を買いに。
しかも神の手には『みつきさん』と書かれた袋が握られており、そこからお金を取り出したのだ。つまり、最初から私たちの本を買うつもりだったのだ。

あの時の感動は、一生忘れないだろう。正直顔覚えが悪いのでもう彼女の顔も、ざっくりとした年齢も覚えていないが、あの手に持っていた私の名前が書かれた袋があったことはハッキリ覚えている。
まだ義務教育も終えてないような、神のご厚意に甘えるだけ甘えまくっていたあの時の子供が、10年後自分で同人誌を出し、その神に本を買ってもらってる。

こういうドラマもあるから同人活動ってやめられないんだよな、とふと思い出し、なんとなく記録に残すことにした。

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