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Seventeen's Summer 17歳の最終楽章2 第6話
気持ちが揺らぐ。自分でもどうしたらいいかわからない。勉強はもういい。大学に行く気持ちは無くなっているのは確かだ。だが、部活はどうなんだろう。自分でもわからない、気持ちが遠のいているのは確かだ。ニシカワの気持ちを裏切ることはわかっているが、このままでは裏切り続けることになる、そう思った。だから今のうちに本当の気持ちを知っておいてほしい。
「わかったよ、ここまでこれたのはニシカワのおかげだからな。もう少し考えるよ」
「たのむよ、俺はユウキがサッカー部に入ってくれた時、とてもうれしかったんだよ。ほんとだよ。いっしょにスポーツできるなんて最高じゃないか、俺はユウキとサッカーをしたいと思ったんだ、だから、まだやろうぜ」
空を見上げると赤い空が広がっていた。涼しい風が2人の間を吹き抜けていく。顔をなでていく風と同じくらいニシカワの言葉は心地よかった。
寮の生活は時間に縛られている。19時30分には学習室で全員が勉強をしていなければ注意されるから、部活から寮に帰った後の時間は戦いだ。
急いで風呂に入り食堂へ行く。一気に夕飯を腹に流し込むと、すぐに部屋に入り勉強を始める。そこはある意味大学受験へ進む競争と似ているのかもしれない。一刻も早く勉強を始めることが成功への近道だと否が応でも刻まれる時間だ。
部屋では6人が壁に向かって勉強をしている。ただ高校生は半分は大人だが、半分は子供の遊び心が残っている。素直に規則を守るはずもない。
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