見出し画像

2022年の思い出  登校拒否娘の卒業

2022年もあと1時間とちょっとで終わろうとしています。今年も色々ありましたね。コロナでウィルスの怖さを改めて知らされた私たちでしたが、ロシアのウクライナ侵攻で平和のもろさを、この平和な日本でおぼろげながら感じてしまいました。

そして個人的には娘が高校を卒業する、というイベントがありました。
娘は高校1年の時に登校拒否となり、学校を辞めるとまで言ったことがあり、一度は退学も頭をよぎった経験があります。そんな娘が2022年3月に高校を卒業し、4月には大学に通い始めています。
娘が高校を卒業する前日、私が思いを残していました。
2022年の思い出としてここに掲載いたします。

娘の高校卒業

娘の高校卒業、娘の高校卒業、娘の高校卒業、娘の高校卒業。
何回思い浮かべても、何回書いても、その事実は、曖昧さと現実を私にぶつけてくれる。

そんな気になるのは、高校入学をするとほどなく、娘が登校拒否になったことに端を発する。

中学の時にも登校拒否は経験していたので、すぐに元に戻るだろうと思っていたが、そんな想像を超え、しまいには通信高校に行きたいとまで言い出した。

中学の時は、学校に行かなくなって1週間程度で友達が家に迎えにきて、部屋で思いっきりはしゃいだら学校に行くようになった。

通信高校が悪いわけではないけど、普通高校の生活で自分を制していけない高校生が通信学校に通っても、また同じ結果になるだろうと思って反対をした。

そんなことが続くうちに、どんどん登校しない日が伸びていく。

ある日無理矢理学校に行かせたが、昼くらいに学校から電話があり、まだ登校していないという。

頭の中を「線路への飛び降り自殺」という過去の新聞記事の内容が渦巻いた。まさか、と思いながらも、腰を抜かしそうになりながら、学校までの道のりを追った。

どこにもいない。頼むから死なないでくれ。人生で家族に生きてくれることを祈ったのは初めてだった。

何回も携帯に電話をするが出ない。

もう死んでいるのか、はたまたどこかで呑気に川の流れでも見ているのか。今ならそれくらい想像する余裕はあるけれど、その時ほど「死」という単語を現実的に感じたことはない。

やっと連絡が付いた時には、娘は登校に使う電車の路線上にある遠くの駅にいた。

「もう、学校に行かなくていいから早く帰ってきなさい」

もしかしたら、自殺しているかもしれないと思っていた思考がそう言っていた。

それから先生との話し合いが始まった。電話であるが、とても役に立ったと思っている。

先生からアドバイスをもらい、とりあえず進級に影響がある教科だけは落とさないように登校するようにした。登校する際も娘は「なんで学校辞めるのに行かないといけないの」というようなことを言った。

「それは、この先また学校に行きたいと思ったときに、進級できないといけないからだよ」
と正直に話していた。

とりあえず、進級できる学科だけは行こうという気持ちが通じたのか、その後、登校拒否をしていながらも、なんとか一日に1時間くらいは学校に行ってくれた。

状況が一転したのは演劇部に入部したことがきっかけだった。

娘は最初、全国大会にも出場するダンス部に入部したが、雰囲気が合わずに退部していた。その後、部活はしていない。

登校拒否をはじめてから、しばらくすると声優になりたいと言い始めた。そこで声優の練習ができるという噂があった演劇部に入部したのだった。

入部するとすぐに娘は登校するのが楽しくなったようで、登校拒否は終わった。

部活では先生が娘を主役にしてくれたり、部長に選んでくれたりと、色々と気を使ってくれたようだ。

そんな経緯を経て娘が明日高校を卒業する。このような思い出のある父親にとっては涙でしかない。あの時のことを思い出すと自然に涙が出るのは、そういう経験をした親なら当然だろう。

娘よ、お前には強い心がある。それはつらい経験をしたから身に着いたものだと思う。

兄弟の中では一番根性があるし、大人にも負けないゆるがない芯を持った子供だ。娘みたいな子供を持ってパパは幸せだよ。

今までの経験を活かして、これからも楽しい人生を歩んでくれ!

娘、卒業おめでとう!

この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,694件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?