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人生2度目のラブホ 南北アメリカ自転車縦断 コスタリカ(2)

2月24日、フォルトゥナはこの日も曇り。アレナル火山は頂上が雲で隠れてしまっている。アレナルの頂上はついに拝めることができなかったが、先を行くことにする。

フロレンシアまでの35㎞は緩いアップダウンの連続で楽しいサイクリング。緑の大地を駆け抜ける。しかしフロレンシアからはず~っと登り。10㎞先のシウダー・ケサダまでかなり大変だった。

シウダー・ケサダは大きな町だが、山の斜面にあり、ずっと登り坂。町を抜けるのに30分ほどかかる。町を抜けてからも登りは続き、やがて雲の中へ突入する。10m先までしか見えなくなる。何も見えないので、どこまで登るのか、終わりが全く見えない。

湿度も高いので、汗が噴き出る。Tシャツはびしょ濡れ。

やっと峠を越えて、それからは山の中腹をアップダウンを繰り返しながら進む。

この日泊まる予定だったサルセロの手前で雲から脱出。サルセロは峠の上にある、いかにも高原の町という感じで大聖堂や中央広場もきれいだし、周囲の山々の景色も良いところだった。

しかし見つかったホテルは1泊20ドル。建物もリッチな雰囲気があって良さそうなホテルだったが、さすがに1泊20ドルはきつい。他のホテルを探すが見つからない。

やむなく、次の町、ナランホへ。ナランホへはどこまでも続くダウンヒル。つまりそれだけ今日は登った、ということだが。

ナランホではしかしホテルは1軒も見つからず。仕方ないので、6㎞先のサルチへ。ここにはホテルがあったがなんと1泊25ドル。なんだ、これならサルセロの20ドルのホテルにしておけば良かった、、、。

もちろん先を行く。次は8㎞先のグレシア。町の入口にホテルがあったが、1泊45ドル、、、。45ドルといったら、今回の旅行における宿代の最高金額を更新してしまう。(ちなみに、最高はアメリカ、カリフォルニア州のゴキブリホテルで1泊40ドル。)

町の中心にもう1軒ホテルがあったが、こちらは35ドル、、、。おい、どうなってるんだ、コスタリカ?

、、、というか、なんでドルなの?現地通貨のコロンはどうなった??

町の人が声を掛けてくれたので、ホテルの場所を聞くが、やはり35ドルのところを教えてくれる、、、。

もうかなり疲れているのだが、仕方がない。次の町、アラフエラまで19㎞走るしかない。もう意地でも20ドル未満で泊まってやる。(アラフエラは私の持っているガイドブックに載っている町で、そこにはどうやら安宿があるらしかった。)

しかし道に迷ってしまい、うろうろする。通行人のおっさんに声を掛けられ、正しい道を教えてもらう。そしてその道に出るべく角を曲がったところで唐突に1軒の宿を発見した。

、、、助かった。

しかし、こんなメインの通りでもないところにひっそりとあっても誰も来ないだろう、と思ったら、どうやらラブホだった。(料金表見たら、3時間ごとの設定だった。)コスタリカにもこんなのあるのか。

しかし、もうヘトヘトなので、チェックイン。1泊3,500コロン。ドル換算だと10ドルもしない。(というか、ようやく現地通貨表示が出てきた(笑)。)

ラブホにはメキシコで1回泊まったので、これが人生2回目。どちらもお1人様、というのが何とも侘しい(笑)。

※※※※※

次の日は首都サンホセの近郊の町、エレディアへ。エレディアには2泊して、間の1日でボルカン・バルバへハイキングをした。

まずはバスでパソ・ラノへ。終点でバスを降りて、運ちゃんに行き方を教えてもらう。親切に教えてくれて、さらに、「帰りのバスは12:30と5時だ。5時のバスの後はないから気を付けろ」と注意される。(パソ・ラノまでのバスは1日3往復しかなかった。実際、パソ・ラノは山の中の何もないところだった。)

辺りはずっと牧場が続くので、見晴らしが良い。エレディアの町がかなり下に見える。エレディアがある谷はコスタリカの人口が集中しているところだけあって、どこまでがエレディアでどこからが次の町なのかよく分からない。少し離れた市街地は首都サンホセのようだった。午前中は快晴で、その向こうの山脈がきれいに見えたる。

路線バスを使った登山者は他にはいなかったので、これは週末にも関わらず静かなハイキングかな、と思ったら、途中で旅行会社のワゴン車が客を一杯乗せて追い抜いて行った。後でこのグループと話をしたが、彼らはコスタリカで一番高い山に登るためのトレーニングを兼ねて来た、と言っていた。(コスタリカで一番高い山はチリポ山(3,820m)で、富士山よりも高い。)

その後も何台ものチャーターバスや車に抜かれる。ボルカン・バルバはかなり人気のハイキングスポットのようだった。

途中から未舗装路になる。辺りはずっと牧場で、牛が道をふさいだりする。

2時間で公園入口に到着。入場料2,790コロン。公園に入ってからは原生林の中を歩く。中米に生息する、世界一美しい鳥と言われているケツァールは見られなかったが、熱帯地域の植生は温帯のそれと全然違うので、どれもこれもが珍しく面白かった。

途中からはコケ類に覆われた森になる。緑がすごい。それを抜けると小さな湖に出る。火口湖なので周りは急斜面。その斜面を登って、湖を真下に見下ろすところがどうやらこの辺りで一番高いところらしかった。町のある方とは逆側の展望が開けたが、下はずっと雲海だった。

帰りも森の中のハイキングを楽しんだが、公園を出てからはだいぶ疲れて足を引きずりながら歩く感じだった。午後3時、あと少しでバス停のあるパソ・ラノ、というところで車に拾われる。公園内で出会った若い家族連れだった。

子供2人は10歳と4歳、お母さんは31歳で私より少し年下。どう見てもおばさんにしか見えなかったけど。(そういうお前もおじさんだろ。)

こんなこと書いたら失礼だけど、中米の女性って日本人の女性よりも老けるのは早い気がする。(当然個人差も大きいだろうけど。)

彼らはエレディアに住んでいるので、結局エレディアの宿まで送ってくれた。バスだと何もないパソ・ラノで2時間待たなければならなかったので、これは大助かりだった。

※※※※※

さて、エレディアからどのルートを通って次の国、パナマに入るかを決めないといけない。

普通に考えるなら首都サンホセから2号線をひたすら進んでいけば、パナマ西部の都市ダビッドに至る。途中、コスタリカの古都カルタゴやロス・ケツァレス国立公園があって、観光するところもいろいろありそうだ。これが言わば表街道。

もう1つは少し遠回りだがカリブ海に抜けるルート。これは裏街道で、勝手な想像だが鄙びた村が多そうな気がする。交通量は確実にこちらの方が少ないだろう。

だいぶ迷ったが、結局裏街道を行くことにする。もし表街道を行くと、カリブ海はもう見れなくなる可能性が高い。もう1回カリブ海を見ておこうと思った。





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