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メメントモリのスパイス|ショートショート 中編

あらすじ
仕事で疲れ切った陽南実ひなみがスパイスの香りにつられて入った喫茶店は、スパイスの種類が選べるカレーがあった。
奇妙な効能のあるスパイスから、強いマインドが育つ“キャランウェイン”と、生きている実感がわくという“メメントモリ”を選んだ陽南実ひなみ
カレーの効能はいかに!

↓前編はこちら


円形の大きなシルバートレーに、カレー、ごはん、冷ややっこ、らっきょう、それぞれちいさな器によそわれて載せてある。

小さな器は、華やかな色使いのスペイン陶器や和食器など国籍もおおきさもばらばらだったが、この店の雰囲気に合っている。

カレーに冷ややっこなんだ、陽南実ひなみはこころの中の疑問を小さくつぶやきながら、カレーを口に運ぶ。

「辛い」

思わず口にしてしまうほどしっかりと刺激のあるカレーだが、スパイスの強い香りと後に残る野菜の甘みが混ざり合い、スプーンを持つ手はとめられない。

さらに時々食べる冷ややっこが、カレーの辛さを優しくサポートしてくれるのだ。

すべて食べ終わった陽南実ひなみは、気持ちが少し前向きになっているのを感じていた。美味しいものを食べることで、幸せになれるなんて単純だな、などと思いながら家路についた。

次の日、陽南実ひなみは会社へ向かう電車の中で目の前に貼ってあったポスターに釘付けになってしまった。

それは小さな木製の仏像の写真だった。近くで個展をやっているという。体の奥底から湧き上がる情熱をとめられない。

陽南実ひなみはこれを作ってみたい、と思った。
慌てて電車を降りると、会社に仮病の連絡を入れてそのまま改札を飛びだす。

「〇〇駅の△△ビルまで!」

駅前にとまっていたタクシーに乗り込むと、その足で個展会場に向かった。

小走りになりながら、会場へむかう。

……続く。


【あとがき】

ちょっと今日も時間がなかったので終わらなかった……。
明日に続く。

昨日考えていた話とはぜんぜんちがう話にころがってゆくけど、どうやっておわるかな?

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