憎い場所|ショートショート
人類にとって楽しいとされている場所でも、私にとっては気にくわないところってもんがある。
それは悪い思い出だったり、悪い思い出だったりするものがあるからだ。
にやにやとほほを緩めてすれ違う人々が憎らしくて、わざとに肩をぶつけたりするけれど、大盛況のこの遊園地の中じゃ、かすかな私の犯行は気づかれることもなく、埋もれてゆく。
こんなことならこなきゃよかったってなることはわかっていたのに、のこのことついてくることを承諾した昨日の私も憎い。
ぎりぎり歯をくいしばりながら、目の前を歩く二人を見つめる。
こうなりゃあとは吠えるだけだ。
「やっぱりこの子、俺のことが嫌いなのかな?」
「そんなことないわよ。ミントは、遊園地があまり好きじゃないのよね。前にちょっと嫌な目にあっちゃって。」
ちぇ、どうせ家には帰れないのだ。このまま吠え続けてやる。
【あとがき】
ショートショートガーデンの企画に出そうと思って書き始めたけど、いまいちなので、いちどここに出して、もうちょっと練ろう……。
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