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粘土のきもち。|ショートショート

白く硬くなっていた粘土に少しづつ水を加えて、練り上げて、私の好みの柔らかさまで力を加える。

最初から顔は、見えてこない。
練り上げているうちに、ちょこりと粘土と目が合う。

そうなればこっちのものだ。

目玉に合わせて、顔や髪の毛を掘り起こしてやるだけ。

口をつけると「ふうー。おなかがすいたな。」だって。

「失礼、そこの方。お花か何かもらえないかしら。あなたの作るものは、ちょっと華やかさが足りないのよ。」

これだから、油断ならない。

口は最後につけるに限る。

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