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生まれ変わり #一方通行風呂 |毎週ショートショートnote

「前から気になっていたんだよ。」

青い瞳に吸い込まれそうになりながら、なんとか自分を保つ。

「ここから先は1人でいかなければならないんだ。」

甘い話の最後はいつも悲しい結末が待っている。

「さあ、ここに全て置いていって。」

思い出せるのは、あの電車のいちばん先頭に乗ったこと。それから大きなブレーキ音。その後、熱波に包まれてからの記憶はない。

笑顔で目の前に座る美しい青い瞳の者がまた口を開いた。

「後はそこに入ってくれれば、僕たちと居られる。」

穢れを落とす一方通行風呂は、目の前だ。

結論で言えば、私はあそこに留まることをやめた。一方通行風呂はまだ早い。
まだまだ色々なものを楽しみたいのだ。美しいものだけでなく、悲しみや憂いも含めて、それを感じるためにもう一度、降りる。

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