早朝バイトのロッカーに息づくヤドリギ|ショートストーリー
もしわかっててやっているなら本当にずるい。
「おはよお。」
眠そうな目をこすりながら、寝ぐせのついたあたまをむりやり帽子に押し込んでいる。
まだ夢の中にいる英利は、2人だけのロッカール―ムの中で、ふらふらしながらエプロンを探している。
果子はというと今日は英利と早朝シフトがかぶる日だと1か月前からわかっているので、朝3時には起き、シャワーを浴び、フェイスマッサージ、保湿にメイク、ヘアセットまで完璧に整えてきた。
しかも完璧に整えてきたことがわからないよう完璧にナチュラ