自分が凡人だと気付いたら幸せになれた
最近気付いたことがある。私は特別な人間ではなくてただの凡人なんだということに。
海外に住んでいると、なんだか自分が「特別な日本人」のように思えてくる。だが、それは大きな勘違いだということに気付いたのだ。
海外に住んでいる自分、かっこいい
昔から海外に憧れていた。特にヨーロッパに憧れていて、旅行を何回もしたし、留学もして、しまいには仕事を見つけて暮らしている。
私は英語を話せるし、現地語であるオランダ語も少し話せる。
そういう、「普通ではない自分」がかっこいいと思っていた。自分が好きでやっていたことだが、どこか優越感に浸っていたのである。
Twitterの悪影響
私はTwitterをしていて、フォローしているのはほとんど海外在住日本人なのだが、Twitterには嘘か本当かすごい経歴の人たちがたくさんいる。
何ヶ国語も話せたり、海外の大企業ですごいポジションについていたり、自分でビジネスを作ってフリーランサーをしていたり、副業で稼いでいたり、日本とは比べ物にならないくらいの年収を稼いでいたり。とにかくすごい人たちが山ほどいるのだ。
そういう人たちのツイートを毎日毎日見ていて、会話するようになると、なんだか自分も特別な人間のような気がしてくるのである。
そういう海外在住日本人との馴れ合いをしていると、Twitterとは自慢をし合う場であるから、自分が本当にすごい人間のように思えてきて自慢をするようになる。偉そうなことを言ってみたり。そしてそれに対して賛同を得られると余計に調子にのるのである。
海外の強い女性像
海外では日本のような専業主婦に憧れる、ということが少ないし、女性も働くことが求められるというか、労働力として見なされている。
日本の女性に比べたら強い女性たちが多い。そんな中で暮らしていく日本人ももちろん強くならなければならない。
自分で仕事をして、お金を稼ぐ。一人でも生きていけるような経済力をつける。そのために現地の大学に行ったり、現地でお金をたくさん稼いだりするのだ。そしてそれを実行できている日本人がTwitter上にたくさん存在する。
理想とは第三者軸の幸せの形だった
私の理想はずっと「いい男とは出会いたいけど男に頼るなんて危ない。自分でビザを取って、いい仕事をしてたくさんお金を稼ぐ。オランダでは家は資産価値が上がっていくものだから自分のお金で家を買って投資にする。永住権を取りたい。ライティングやブログなどで副業もしたい。」であった。
ただ、この理想は私がいろいろなところからかき集めてきた情報によってできたものであった。
だから、この理想を目指して日々がんばっていたのだが、なかなか達成できない自分に嫌気が刺し、その度に落ち込んだ。
辛いけどがんばればいつかは理想に追いつける、そう思って必死でやっていたが、本当に辛いだけであった。理想と現実のギャップに苛まれて、苦しんでいた。
地獄の就活を経て得た「自分軸の幸せ」
何度も書いているのだが、私はオランダでコロナ中にクビになり、辛すぎた地獄の就活を経て仕事を見つけた。
その仕事は私の理想とはかけ離れていたが、この時期にフルタイムの仕事を見つけられただけでもいいと思って働き始めた。
だが働き始めてみたらそこは天国だった。勤務時間は一日5時間だし、ゆるゆるの勤怠、穏やかなで大らかな人たち、きれいなオフィス、新しい仕事を覚える喜び。毎日働くことが楽しいのだ。
そして、働けるという喜び。お給料は彼氏と二人で暮らしていくには十分の金額だし、貯金もできる。会社から早く帰ってこれるので、彼氏と家で過ごす時間も十分ある。毎日大好きな人と平凡だけど幸せな時間を過ごしている。私は今とても幸せなのだ。
理想は第三者が作り上げた軸で、自分軸ではなかった。
それがわかったら、気持ちがすっと楽になった。もう、高いポジションや高い給料を目指したり、一人で生きようと強がったり、ブログなど副業で稼ぐことに憧れる必要はない。
自分が楽に毎日楽しく働けて、一緒に支え合って生きる人が隣にいて、自分が楽しいと思える趣味をする。それが私に合った幸せなのだ。
私は数年したら日本に帰国したいと思っている。私はこの3年間、オランダで友達らしい友達ができなかった。
友達はいるがなんだか関係が希薄で、日本にいる友達とは全然比べ物にならない。友達を作ろうとがんばったときもあったが、もうそれも疲れた。自分には大好きな友達が日本にいるし、その友達がいる日本に帰りたいなと思う。
また、英語は仕事で使っているくらいなのでできているが、オランダ語はまだ初心者レベルで、勉強するモチベーションもない。語学学習も不得意なほうだ。外国語を話して生活することにやや疲れを感じはじめている。
憧れてやってきた海外生活で自分は特別な人間ではなく凡人だと気付いて日本に帰国しようと思っているが、それを恥ずかしいことだとは今は思わない。
私は自分が凡人だと気づけて、自分で自分を幸せにすることは何かを悟った。
だから自分の生活拠点が海外であろうと日本であろうと自分軸の幸せがぶれなければ、私はこの先もずっと幸せに暮らしていけると自信を持って言えるのである。
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