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30代独身女が単身海外移住すると幸せになれるのかどうか

32歳のときに彼氏なし、高度技術職でもない私はオランダに移住した。海外、しかもヨーロッパの国に住んでいるというのは聞こえがいいし、さぞかし夢の国で夢のような生活をしているのだろうと思われがちだが、そんなわけがない。

女の人で海外移住している人は大体パートナーがいるのだ。オランダで出会った女性はほとんどみんなパートナー持ち。パートナーがいるから移住したという人ばかり。

そんな中で独身、彼氏なしの三橋は全然その人たちと立場が違うのだ。

パートナーがいる人は家賃の折半ができるのである。もしくはパートナーが持ち家で自分は家賃を払っていないという人もいる。もうそれだけで単身で暮らしている三橋とは大きな差があるのだ。

単身の三橋はどうかというと、自分の家賃は自分で払わらなければならない。当たり前であるがそれがとても苦しい。

そして、一人暮らしができるくらい稼いでいる高度技術職であればストレスも少なかったかもしれないが、高度技術職でもなんでもない人間は、誰かとシェアして住むしかないのである。

三橋のシェア生活はかなり悲惨であった。首都アムステルダムに住もうと思うと家賃が高い。給料の半分が家賃に飛んでいった。金銭面では、ヒーヒーであった。家賃で半分飛んでいくのに、その残ったお金から医療保険や携帯代などを払っていくので生活が苦しくないわけがないのだ。

そして孤独。パートナーがいる人は自分が信頼できる人が身近にいるというだけで心強いだろう。だが単身で移住した人は一から人間関係を作っていかなくてはならない。信頼できる人間を見つけるのは至難の技なのである。

そして仕事。誰にも頼れないので働くしかない。家を失いたくないので働かなくてはいけない。

オランダに来たいと思ったのはワークライフバランスが取れているから、というのも一つの魅力であった。確かに定時で帰れるのは嬉しいことだったし、有休も取れる。そこはいい。

だが、ビザを保持するために嫌いな仕事を続けなくてはならない葛藤がある。仕事とビザが結びついているので無職にはなれない。

高度技術職でもない自分を雇ってくれるこの会社に感謝して、安月給でもブラックでも意地悪な同僚がいても働き続けないといけないのだ。嫌だったら辞めていいわけがない。

だって日本人が仕事探しをするのは大変だから。好きでもない仕事をずっと続けてるのは苦しいものだ。1日のうちのほとんどの時間を会社で過ごすのだから、楽しい仕事をしたいに決まっている。でもそれができない。

そして、三橋は今無職である。なんとコロナのせいで契約を切られてしまい、失業してしまった。ビザが切れる。ということは強制的に帰国になってしまう。

正確には3ヶ月の猶予があって、その間にまた仕事を見つければ問題ない。だが見つからなかったら帰国。なんてことだ。

他にも、歯医者で根幹治療をするのにウン十万円を支払ったり、変な男たちに出会って精神が削られたり、同居人と喧嘩をしてストレスになったりと、あらゆる問題があった。

この3年間かなり問題があった。その問題をすべて一人で解決しなくてはならなかった。それは本当に苦しいことだったし、憧れの海外生活とはかけ離れたものであった。

パートナーがいる女性たちが羨ましい。その一言に尽きる。

結局、30代女が単身で海外に移住しても、パートナーがいないというだけで、幸せとは思えないのであった。

初回の記事にも書いたとおり、三橋の幸せとは、対等な関係のパートナーと一緒に暮らすことだったのだ。こうして三橋はパートナーを探すべく、いろんな男性と出会いを重ねていったのであった。


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