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井上光明
2021年8月14日 17:14
このエッセイは、以前書いた「レールの上を歩くはずだった僕の人生が変わった時の話」の続編です。「あそこが私の家だ。」ハルビン空港から30分くらい走った頃、煌びやかな電飾をまとった建物の上層階を指差し、クラウンを運転するおじさんは中国語でおそらく僕にそう言った。長い沈黙を破るその言葉に、僕は大袈裟なくらいに頷いたが、結局会話はそれだけだった。車内には再びクラウンの静かなエンジン音が響き渡った。