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HEAVY METALと出会ってからの壮大な人生をここに記す #1

1983年にアイアン・メイデンを聴いて

1980年代のIRON MAIDEN

幕を開けた私のメタル人生

正直、当時は今のように
色々なバンドの作品コレクションを
すぐに増やしていくのは至難の技でした。

まず中学生の私には1枚3,000円ほどの
アルバムをコンスタントに買うことは困難。

80年代半ば、主流はLPと呼ばれる
12インチサイズのレコード。

今のように中古ショップもネット販売も無く
アルバムは全ての定価で購入せざるを得ない、

更に音楽に興味のない我が家には
レコードのプレイヤーすら無い。

そして無駄に厳格な家庭ゆえ
ヘビーメタルと言うジャンルに対して
家族は理解を示してくれない。

学校にレコードやカセットを持参すると
教師からこっぴどく叱責される、

挙句の果てには
"ロックは不良が聴く音楽"などと言う
訳のわからないレッテルを貼られ

校内でバンド演奏などもっての他。

私のメタル人生の黎明期は
ゼロではなくマイナスからのスタートでした。

当時、自宅には前時代的なラジカセが1台
これが私の音楽を聴く全てでしたので

まずはレコードプレイヤーを手に入れるため
親に媚びる材料として学業の成績を上げる、

ここから始めることに。

そんな筋違いな目的で学業に勤しむ日々、
おかげで成績は常に学年で一桁台と言う
(大変過疎の小さな学校でしたが)

謎の"勤勉野郎"と化していました。

さすがに学校ではキリシタン弾圧のような
取り締まりはなかったものの

ロックに対する教師の風当たりは
依然強いままで
その余波は私の所にまで届く勢いでした。

何故ならメタルの話題で盛り上がる
友人の殆どは
何故だかいわゆるクラスのヤンキー的存在

"そんな音楽を聴くから不良になる"

見た目普通の私が音楽で悪に染まってゆく?
そんなことを教師が危惧したのかも知れません

ハードロックやメタルのアグレッシブな音を
素行の悪さと結びつけること自体

今思うと非常にナンセンスなのですが

まあ学校側としては
恰好の見極め条件だったのだしょう。

このように少なくとも私の周辺では

ヘビーメタル=不良の音楽

そんな位置付けが
暗黙の了解となっていました。

そもそもメタルを紹介してくれた友人は
彼の兄からの影響でしたが

その友人のお兄さんは確かに
とんでもなく悪名高いヤンキーでした(笑)

1983年、中学1年の頃はこのように
肩身の狭い思いをながらも

それでも少しずつメタル知識の裾野を
広げていくことが出来ました。

しかし中学2年くらいになると
事態は意外にも少しずつ好転してゆきます。

小学校の頃からの私の先輩が
野球部のキャプテンを任されるほどの
優秀な生徒だったのですが
(ちなみに私はバスケ部でした)

実はその彼が大のメタル好きだと知り

優等生の彼がメタルを好きなことによって
"メタルは不良の聴く音楽"と言う概念が
少しずつ崩されたのです。

それでも私は
まるで隠れキリシタンの集会に通うが如く
部活のない日に足しげく彼の家を訪問して

様々な情報や知識を得ることが出来ました。

先輩の部屋は驚くばかりに沢山の
メタル系アーティストのレコードやカセットで
溢れていました。

何故こんなにも沢山の?と尋ねると

その先輩の友人の家族が
レコードショップを経営しているらしく

彼からレコードを借りることで

通常のお店では入手困難な
メタル系アーティストの作品が
比較的入手しやすくなった、とのこと。

私はなけなしの小遣いをはたいて
数本のカセットテープを購入し

先輩にテープのダビングをお願いして
少しずつコレクションが増えていきます。

ここで先輩に薦められた

幾つかの作品の中にあったのが
当時、人気急上昇中のバンドのひとつ

クワイエット・ライオット

「METAL HEALTH 」QUIET RIOT(1983)

イギリスのバンド、SLADEのカバー曲
「Cum on Feel The Noise」が大ヒット

80年代半ばから主流となった
L.A.メタルの火付け役となったバンドです。

そう、時代はNWOBHMからL.A.メタルへと
移行しつつありました。

当時はランディ・ローズが誰かも知らず
またネットもないので調べる術もなく

誰なんだろう?と思いながら
聴いていた思い出があります。

そんなある日、レコード店でとんでもない
インパクトを放つジャケットを発見

何なんだ!この写真から放たれる
悪の権化のようなオーラは?

これは凄いバンドに違いない!

この頃、ようやくレコードプレイヤーを
手に入れた私は予備知識も無いのに

迷うことなくそのレコードを手に
レジへと並びました。

そのアルバムがこちら⬇️

「魔神伝」 W.A.S.P (1984)

この頃はカセットテープでダビングした
アルバムを聴くことが多かったので

メンバーの顔すら知らないことが
多かったのですが

W.A.S.P.のインパクトはメンバーと
曲をシンクロさせながら聴くことで

これまでにない衝撃を受けました。

こうして私は初めて誰からの情報でもなく
自身で"発掘"したバンドに出会ったのです、

それもジャケ買いと言う最も原始的な手段で。


~次回へ続く~

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