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「仕事できない、でも根がすごく優しい」若手後輩のメンタル不調について考えてみた

最近、仕事はできないけど、人にとても優しい後輩(俗にいう「いい奴」)がメンタル不調になっていました。彼とその原因について色々と整理していったのですが、これが最近の若手層に共通する「生きづらさ」かもと思って投稿してみます。

皆さんの周囲にもこれまでこういうタイプの方、いませんでしたか?
もしその方が仕事、人間関係に悩んでいたら、この記事で整理したようなことが背景にあるかもしれないので、「ああ、こういう思考なんだ」と参考までに読んでいただけると嬉しいです。

「何が一番しんどいの?」

「うまく言えないのですが...たぶん...相手にどう思われるのかが怖くて、仕事を断れないんです。自分の意見も自信がなくて押し殺してしまうんです。だから仕事もどんどん増えて辛いし、自分の本当の気持ちや意見を抑えてイエスマンになっていることも辛いです。」

辛い部分について深堀りしたかったので、もう少し、彼のことについて整理しました。

彼はこんな感じのタイプです(一緒に整理しました)↓
・内向的
・人の目や意見が気になる
・自分の意見(本音)を言えない
・自信がないから声が小さい
・人が絡めば絡むほど(関係者が増えるほど)、決断できない
・間違うのが怖い
・プライドが高い
・失敗を必要以上に恐れる
・自分から率先して行動できない
・全て自分のせいにしてしまう
・物事をネガティブに捉える
・目標が高い(高すぎる)
・とにかく人に嫌われたくない

結構、僕も当てはまるのでめちゃくちゃ共感しました。
シンプルに表現するならば、「生きづらそう」という感じですよね。
自分で自分を苦しめている様子でした。
でも、結構こういうタイプの方って多くないでしょうか?

そして、
なんで辛くなっているのか整理したら、こんな流れかなと↓

・自分の意見を蔑ろにしてきた(押し殺してきた)
・自分の気持ちを後回しにして、相手の意見を尊重させてきた
・自分の意思・意見に自信が持てず、発言が苦手だった
・相手(とくに年齢、職位、経験が上の人)の言い分の方が正しいはずだと思ったり、相手の強い言い方に気後れしていた


自分の意思や考えと違うと思いつつも、押し殺して行動することによって、ストレスが蓄積されていった。
「意思」と「行動」にズレが続きストレス蓄積を繰り返した

なぜ違うのか、明確に相手に伝えることが苦手のままだった

自分の意思がなくなり、「他人軸」の人生になっていた。
自分が何をしたいのか、何をやりたくないのか分からなくなっていた。

上記をずっと繰り返すことで、自分に自信がなくなっていった。

自信がないから、人の意見を優先して、人から認められるために努力して言った。
「やれます」「できます」「大丈夫です」

「他人軸」だから、仕事も断ることができずに増える一方で、プライベートの時間も少なくなる

自分の意思を整理する時間とエネルギーがなくなる

「意思」と「行動」にズレを抱えたまま、ストレスを溜める

という負のスパイラルに陥っていました...


ここでまず「それは辛いな」と思ったのは、
「意思」と「行動」のズレをずっと抱えながら進んでいたことです。
このズレがある限り、ストレスが溜まり、必ず限界を迎えると思います。
彼は優しいがゆえに、相手(上司、同僚、顧客)の感情や表情を必要以上に読み取り、自分の本音を伝えることができていません。

『ビジネスパーソンとして、そこははっきりと言わなくちゃ。
できないなら、その伝え方のスキルを自己開発しなくちゃいけないのでは?そんなのは当たり前だよ。』という意見もあると思いますが、彼自身もそれは頭では理解していました。とても内向的である彼は、思案する力に長けているので、世間一般のそうした意見も理解しているのです。でも努力しているつもりだけども、なかなかできないとのことでした。彼の努力の量や方向性が正しくないのかは今後彼と振り返っていこうとおもいますが、このズレが「生きづらさ」の大原因と分かったことは良い前進でした。

本人の意思とは何のか。
この人生において何を遂げていきたいのか。
その達成のためになぜ今の仕事をしているのか。
その達成のために、(本当に)今その仕事をする必要があるのか。
この辺りを明確に心肝に染めることも彼の今後のTODOかなと思います。
これがはっきりすれば、仕事の取捨選択や優先順位も付けやすくなります。


彼は僕の直属の後輩ではありませんが、
彼のタイプを理解した上で、ズレを少しでも生まないように、
「●●君は、(本音ベースでは)どうしたいの?」と彼に呼びかけることを通じながら支援して行きたいと思います。
発言が苦手なタイプですし、これまで意見を押し殺してきた背景があるので、しばらくは本音で発言することに時間とエネルギーを要することかと思いますが、急がば回れですね。時間はかかっても「意思」と「行動」が一致してきたら自然と彼の本領が発揮されるでしょうし、何より今よりはずっと楽しく働いてくれるのではないかなと思います。

話はそれますが、
特に、最近の若手層の方々って、頭がいいなと思います。
よっぽど頭の固いシニア層に比べたら、素晴らしいの考えや意見を持っているなと。ただ、そうした意見や本音をビジネスにおいて、どう伝えたらいいのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。そこをどう引き出すかが先輩上司の腕の見せ所ですね。「甘えんな。意見を言えないなら給料もらうな」と思う人もいるかもですが、そんなこと言ったって建設的ではありません。

そうしたことに加えて今回の彼のように、
「意思」と「行動」のズレが心身を確実に蝕んでいったというのは悲しいことです。

彼の今後のステップとしては、
・まずは、コンディションを整えて行くことに徹する (最優先)
・落ち着いてきたら、上記を踏まえて振り返りをする (再発防止)
ということかなと思いますが、この機会にジョブクラフティングやストレスマネジメントをできたら、今後、いきいきと働けるではないかなと思います。

正直、「仕事ができない」のは、単純にスキル・経験不足によるところが大きいかなと思っています。
ただ彼のようなタイプは人に優しいから、相手の顔色を気にして言いたいことが言えないし、断れずにどんどん仕事が溜まっていくし、「他人軸」になってしまっているから指示まちになってしまっている。そしてその状況が余計に自信を無くさせて、自分を苦しめてしまう。
「仕事ができない×優しい」が当てはまるタイプはこうしたことを念頭に周囲がフォローをしていくと、本人にとっても、一緒に働く仲間にとってもハッピーになるのかなと思います。




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