菅田将暉とCreepy Nutsのファンになったきっかけの話

ルッキズムが叫ばれる時代によくない書き出しだが、
私は怖そうな見た目の人やスクールカースト上位っぽい人が苦手だ。怖い。
ラッパーも見た目が怖いし、確実にスクールカースト上位なので苦手だ。
パリピもスクールカースト上位なので苦手だ。
DJ=パリピなのでDJも苦手だ。

そんな私がラッパー(RさんことR-指定)とDJ(松永さんことDJ松永)のグループ、Creepy Nutsの音楽に出会った。

今ではブログを書くほどに私にとって欠かせない存在になった。
Creepy Nutsの音楽を聴く前も、存在自体は知っていたが、見た目で避けていた。
見た目が苦手なタイプだった。バリバリ遊んでいますというような風貌の2人組だった。

Creepy Nutsファンになってからは、
Creepy Nutsを知らない人にCreepy Nutsはパリピではない人間の気持ちが分かる人であることを伝えたい。
「どっち」ではドンキにもヴィレヴァンにも居場所がなかったと歌っているし(この歌を聴くたびにRさんはドンキ顔やんと思う)
「たりない二人」では「みんなウェーイが飛び交い、まともな脳みそない」と歌っている。

そんな私のクリーピーナッツへの偏見まみれの色眼鏡を外してくれたのは、菅田将暉だ。私は菅田将暉のファンでもある。

まずは先に菅田将暉ファンになったきっかけについて話したい。

私が菅田将暉のにわか顔ファンだった頃の話。
ある日、テレビをつけたら菅田将暉が「鶴瓶に乾杯」に出演していた。
当時の私は菅田将暉の出演予定をチェックするほどのファンではなかったが、たまたまつけたチャンネルはそのままにした。番組の中で菅田将暉は偶然出会った大学生と教育に関する勉強会に参加することとなった。その大学生が会場で、胸ポケットからメモ帳を取り出した。それを見た菅田将暉が「そんなんでメモできる?」と驚きながらツッコんでいた。
その一言で私はにわか顔ファンを卒業し、菅田将暉ファンになった。
何がきっかけでファンになるかわからないものだ。

というのも、
①菅田将暉は、勉強する場で大きめの紙媒体にメモをするべきという価値観を持っている。
②俳優菅田将暉が一般人のメモの大きさに触れる必要はないし、言い方によってはマイナスイメージがつくリスクがあるにも関わらず、指摘した。
③しかもツッコミのような言い方で笑いに変え、変な空気にしなかった。

菅田将暉は、何かを学ぶ際、大きめの紙媒体でメモをとり、メモから学び、実力で勝ち上がってきた人物だと確信した。乱雑な書き方になるが、顔がいいからとふらっとデビューして何となく芸能界に居座れたわけではなかったのだ。

めでたく菅田将暉ファンになってからは、彼の作品を鑑賞した。

特に菅田将暉の発声について触れたい。
一文字一音節の話し方をしないし(子音が無声音化する)、独特のリズムや間があり、よりリアルな表現になる。

例えば、えなりかずきの有名な台詞「そんなこと言ったって仕方ないじゃないか」は、最初の「そ」の部分と終わりの「か」の部分の声に抑揚がなく、音量が同じで、「そ」と発音した時点で、「そんなこと言ったって仕方ないじゃないか」と言おうと決めているかのような発声である。渡る世間は鬼ばかりにはこちらの表現が求められていると思うが、私は菅田将暉の発声の仕方が好きだ。


更にラジオっ子の私は、初めて菅田将暉のオールナイトニッポンも聴いたとき、驚愕した。

菅田将暉のオールナイトニッポンは底抜けに明るく、どんなリスナーにも優しかった。リスナーは菅田将暉と対極にいる根暗、コミュ障が多い。もし芸人のラジオでリスナーがパーソナリティーをいじった場合、「誰が言うとんねん!M-1優勝してから言えや!」と跳ね返すことが多いが、菅田将暉は最初に共感し(「そやな、お前の言うこともわかるで」)、リスナーの味方になる。そして、リスナー視点から菅田将暉視点にシフトさせる(「でもな俺の立場になって考えてみて?、お前が俺の立場でもこうすると思うで!」)し、本意ではなく事情があるんだと説明する。リスナーを否定せずにしっかり受け止める包容力の塊、コミュ力お化け、菅田将暉である。

更に、菅田将暉はリスナーのお便りに息を吹き込む天才でもある。もはやお便りではなく台本である。リスナーが考えた超短編ラジオドラマを菅田将暉が即興で演じる「ショートシャンクの空に」は、もはやラジオドラマだった。
そして、菅田将暉は自己プロデュース力が高い戦略家だ。ファンとリスナーを区別していたし、ラジオパーソナリティー菅田将暉と俳優菅田将暉は別人である。見せる部分と見せない部分を徹底している。結婚発表したときの毅然とした態度は素晴らしかった。

以上、菅田将暉の話。楽曲「いいんだよ、きっと」映画「ああ荒野」がおすすめ。


そんな菅田将暉がCreepy Nutsと共演した。
菅田将暉とCreepy Nutsは同時期に同じラジオ局でラジオ番組(菅田将暉のオールナイトニッポン、Creepy Nutsのオールナイトニッポンzero)を担当していた。
菅田将暉のオールナイトニッポンで、Creepy Nutsに関するお便りが読まれ、菅田将暉が反応。今度はクリーピーナッツがラジオ内で反応、そのラリーが続いた。私はそのラリー部分だけCreepy Nutsのラジオを聴いた。

ラジオ番組での掛け合いから、コラボが決まった。
その曲がサントラだ。
菅田将暉はこれまでに複数のアーティストとコラボ曲を発売していたがサントラが一番菅田将暉の良さを引き出していた。菅田将暉が歌うことに意味がある曲だった。

菅田将暉らしさを充分に引き出し、菅田将暉が歌うべき曲、サントラを生み出したCreepy Nutsのファンになった。私は音楽が好きでCreepy Nutsが好きになったのだ。


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