皇居三の丸尚蔵館『皇室のみやび』第4期の感想
皇居三の丸尚蔵館で開催されている『皇室のみやび』、ラストとなる第4期の展示を見に行ってきました。
前回の第3期の感想については、以下の記事をご参照いただければと思います。
今回は、第4期を見に行った感想をnoteしようと思います。
全体的な感想(ほぼ愚痴)
やっぱり気になった”シャッター音”問題
まず最初に、前回第3期の記事でも最後に少し愚痴りましたが、今回は前回にも増してスマホのシャッター音が会場内に鳴り響いていました。
今回の展示も、ほぼすべての作品が撮影可でした。
写真を撮ることに関しては、施設側が良いというのであれば構わないですし、撮る撮らない自体個人の自由だと思ってはいます。
しかし、あちらこちらで「カシャカシャ」とシャッター音が鳴り響いており、落ち着いて鑑賞できる状況ではありませんでした。
また、写真撮影に夢中になってスマホ画面を覗いたまま後ずさりしてぶつかりそうになったり、撮影の邪魔にならないよう気遣ったりと、とにかく居心地が悪かったです。
諸々フラストレーションも溜まり、30分も滞在せず会場を後にしたくらいです。
展示物のボリュームは第3期の方が良かったかな…
こちらもマイナスな感想になってしまいますが、第4期は巻物や屏風といった大きい作品の展示が多く、その分、展示物が第3期に比べて少なかったように感じます。
実際、第3期は38点展示されていましたが、第4期は14点でした。
もちろん、どれもスケールが大きく見応えのある作品ではあったのですが、もう少し(品数という意味で)多くの名品を見たかったというのが正直な感想です。
良かった作品
第4期の展示では、国宝が3点公開されていました。
国宝『春日権現験記絵 巻一』は鎌倉時代のものとは思えないくらい色褪せておらず、特に春日大社創建の模様を描いた箇所は、往時の人物がとても生き生きと描かれており、見ていて楽しかったです。
そして、伊藤若冲の『動植綵絵』(国宝)。
孔雀や魚などとても緻密且つ鮮やかに描かれており、会場でも一番多く人が集まっていました。
個人的には、タコや複数種の魚が描かれた「群魚図」が印象に残りました。
上記以外では、以下の作品がとても興味深かったです。
萬国絵図屏風
江戸時代に描かれた屏風ですが、「萬国」とあるとおり、世界各国の都市の様子であったり、各国の人物であったりが描かれた屏風です。
時代を考えると、当然写真もない時代ですから、世界の情勢を知る上で大変貴重な絵であったことは容易に想像できます。
江戸時代、この絵に描かれたヨーロッパの街並みであったり、世界各国の人物の服装を見て、当時の人々はどのような感想を抱いたのか、など想像が膨らみました。
ちなみにこちらの屏風は見る人が少なかったので、時間をかけてゆっくりと見ることができました。
大変興味深い作品でした。
七宝四季花鳥図花瓶
とにかく美しい花瓶でした。
明治時代という比較的新しい花瓶ではありますが、光沢があり、四季折々の花や風景、鳥が緻密に描かれていました。
パリ万博に出展された作品のようですが、見ていて日本人として本当に誇らしくなる作品でした。
おわりに
第4期の展示を見終えて、改めて「なぜ第1期、第2期を見に行かなかったんだ!」と後悔しました。
今回の第4期ではいろいろと不満が残ったものの、展示物自体はどれも大変貴重な品々でしたし、美しい美術品でした。
きっと第1期、第2期の展示品も素晴らしかったはず。
ということで、自分の”アンテナ”力のなさに呆れています。
このような貴重な期間を見逃さないよう、暇な時間のネットサーフィンと己のアンテナ力向上に、さらに磨きをかけていきたいと思った次第です。
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