見出し画像

通訳ガイドが使えるもう一つの言語って?

私は通訳ガイドや英語を教える以外に、国際交流関係の仕事もしています。そこで「やさしい日本語」というものに出会いました。

「やさしい日本語」とは、普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語のことです。 1995年1月の阪神・淡路大震災では、日本人だけでなく日本にいた多くの外国人も被害を受けました。 その中には、日本語も英語も十分に理解できず必要な情報を受け取ることができない人もいました。そこで、そうした人達が災害発生時に適切な行動をとれるように考え出されたのが「やさしい日本語」の始まりです。そして、「やさしい日本語」は、災害時のみならず平時における外国人への情報提供手段としても研究され、行政情報や生活情報、毎日のニュース発信など、全国的に様々な分野で取組が広がっています。

出典:2020年オリンピック・パラリンリックに向けた多言語対応協議会ポータルサイト

日本在住または日本を訪ねる海外からの方に英語や中国語など外国語で対応するだけでなく、簡単な日本語ならわかる人たちに向けてやさしい日本語で情報を発信しよう、コミュニケーションを取ろう、という動きです。この新しい枠の「言語」を通じて、私は日本に住む海外の方々にとって、日本が少しでも暮らしやすい場所になればいいなあと思っています。私が海外でいろんな方に助けていただいたように、私も日本にいる海外からの方のお役に立ちたいと思っています。その思いにドンピシャなこの言語を、私のできるところで推進しています。

その「やさ日」ですが、今は通訳ガイドの私たちには関係ないようにも思えますが、今後この言語を活用したり、またこの言語の根底にある「思いやりの心」を通訳ガイドの現場で活用することは出てくるかもしれません。その理由は以下の2つ。

1 日本観光のリピーターが増えてきたことも手伝って、日本語が話せる方が増加。(海外に行ったらその現地の言葉を使って話したい観光客の方の気持ちはわかりますよね。)

2 やさ日は相手にわかるように言葉を選ぶ言語。「今言ったこと伝わったかな?」「この伝え方で楽しんでもらえてるかな?」そんな気遣いは、やさ日を使う以前から通訳ガイドが実施しているおもてなしマインド!

私が過去に住んでいたアメリカとニュージーランドは移住者の多い国。英語はどこの誰もが話す共通言語という認識が浸透しているので、その英語を「やさしい英語」に直して移民に話す、というような動きはあまりないように思います(もしどなたか情報をお持ちだったら教えてね)。他の国に関しても調べてみたけど、ざっとググっただけでは見つかりませんでした。

自分の国の言語を外国の方にわかるようにやさしくする、なんてまさに「おもてなし」「思いやり」の象徴。私は改めて日本が「やさしい国」なんだな、と思うようになりました。その日本人の優しさをぜひガイド業を通じてお伝えしたいですよね。

このブログは、英語通訳ガイドとしてもう少し英語をポリッシュアップしたい、海外の方とのコミュニケーションの小さなズレや相違を理解して、自信を持って交流を深めたい。そんな方に向けて発信しています。このブログを通じて海外の方々にきめ細やかな対応のできる、質の高い語学力を持つ方が増えていくことが私の夢です。ご賛同いただける方、このブログ面白いなあ、この人たまにはええこと言うやん、と思っていただけたら、お友達やご家族にこのブログをご紹介ください。よろしくお願いします!

(写真:太平洋を13ヶ月かけてヨットでアメリカ・サンフランシスコからオーストラリア・ブリズベンへ。目的地にたどり着く頃にはマストにかけられた国旗がこんなことになっちゃうんですよ!)