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【全市区町村めぐる旅】ついにひとつめの離島・三宅島へ。36,37日目(東京都三宅村)

こんにちは!みとりっぷです♪

今回はぼくがやっている全市区町村めぐる旅についてです!

ぜひ、一緒に旅しているように読んでくださいね〜!

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36日目(2021.9.8)

265(三宅島)

はて9月。と言っても頭とは言えないくらいまで過ぎてしまった。

まぁ会社辞めてすぐ、事務的なやることは多くあったからね。そして7日の夜、ぼくは初めて夜に発つ船に乗り込む。
ここから翌朝、波が荒れなければ三宅島へ。この事を聞きつけ、俳優のたまごである友達が付いてきてくれた。

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橘丸がぼくらを運ぶ

夜22時過ぎ。浜松町駅で落ち合った。予約した番号をスマホの画面に表示させ、足速に港へ向かう。22時半の出港、心は急いでいるけど、島の滞在をより良くするために港目の前のファミマに立ち寄った。これは欠かせない。

港でなんとか切符を受け取り、初めての船に乗る。22時半、ぼくたちを乗せた橘丸は竹芝港を離岸。手慣れた職員さんがどこか気だるそうに、申し訳程度に手を振ってくれる。ぼくらは打って変わって笑顔で、ひたすらに口を開けている。陽気な金剛力士像みたいだったかもしれないなぁ。

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大人である実感

初めての夜行フェリー、はじめての橘丸。船内の自販機は安いとは言えないのに、迷わずビールのボタンを押していた。「こんな余裕、絶対にないな。」ただ、初めての橘丸は今後の人生に訪れない。そう思えば安い経験だったと言い聞かせてプルタブを引いた。左から右へ流れる東京タワーの光を眺めながら、潮風に吹かれてビールを飲む。人生ってあまりにも最高だ、大人って素晴らしい!

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翌朝5時半、気付けば三宅島にたどり着いた。幸いぼくたちしかいなかった二等の部屋で高ぶり舞い上がったおかげで、なんとかぐっすり眠れたみたい。

いやぁ、着いたなぁと噛み締めつつ、こんな感じなのね〜となぜか達観してた。まともに島旅すらほとんど知らないくせに、生意気にお手並み拝見という態度で臨んでいた。一体何様なのか。笑

レンタサイクルを予約していて、その時間は9時。優雅にコーヒーを沸かしつつ、ファミマで買ってたパンを朝ごはんにする。散歩してる島民もいるし、ステキな空気が流れすぎてる!

さっきまで乗ってた橘丸は御蔵島へ向けて再出発。頼もしく出て行ったあの船は、御蔵島には着岸できなかったらしい。あっぶねぇ、当初の予定では今日に御蔵島だったからね。

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ノルマにしていた三宅村ナンバー

せっかく離島に来たし、三宅村ナンバーの原付が見たかった。着いてすぐにピンクナンバーを見つけたけど、さすがにとっさにはカメラを向けられなかった。
散歩してすぐ、嬉しいことに三宅村ナンバーの原付が!周りは揃って品川ナンバーだから、とびきり特別で、島に来た証なんだよなぁ。

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流された集落

レンタサイクルを受け取り、早速キャンプ場へ。1周するのにおよそ30kmの大きくはない島だけど、三宅島一周道路が意外と起伏の激しいこと激しいこと。電動自転車を借りてるけど、メキメキ充電が減っていく。がんばれよ〜

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とりあえずキャンプ場に着いて、まずは海水浴。まだまだ残暑だし、水着を忘れてパンツだけど構わず飛び込むよね。火山由来の黒い石浜で、波打ち際は意外と深い。ちょこっと進むとすぐグッと足が取られそうになるし波も高いから、気をつけつつしばらく遊んでた。

では、そろそろご飯にしますかね〜。自転車にまたがり、ほとんど決めずに一周道路へ向かう。

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目に止まったとんとん

緊急事態宣言のおかげか、意外と閉まってる店もちらほら。そこで開いてたのがこのラーメン屋さんで、ふらっと入ってみた。

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夫婦2人でやっているみたく、初めて来たんですよ〜とお決まりのセリフから始まる。おすすめであるとんとんメンを食べて、気付けば3時間くらい喋ってた。島の反対側も見に行きたかったけど、それは今じゃなくても見に行けるから。

話を聞くとこのご夫婦は元々東京本土で塾兼ラーメン屋を営んでいたらしく、ぼくたちに馴染みのある地名をいくつか出していた。

20年も、ずっと昔から、この人たちは子供たちに勉強を教えつつ格安のラーメンを提供し続けていたらしい。2000年から続く受験生ノートまで見せてもらって、びっしりと名前・志望校・メッセージなどが綴られていた。

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話を聞きつつどんどん机に食べ物が乗ってくる。食後のお茶までは「ありがとうございます」だったけど、しろくまアイスやパッションフルーツ、お土産に名産の牛乳せんべいが出てきたりして「えぇ?!いいんですか!?笑」に変わっていく。

なんとそれだけでは飽き足らず、店主お手製のハンバーグ・岩手から取り寄せてるパン・レタス・冷凍ポテト・油・タレとフルセットで持たせてくれた。もちろんこれだけじゃ作れないからと、フライパンまでくれて、挙げ句の果てにはガスコンロを貸してくれた。

1人の両手じゃ足りないほどの贈り物をもらい、こんなことあるのか、島って計り知れなさすぎると痛感しつつ外に出た。けど、これで終わらないのが三宅島だった。

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じゃあな!

「よう!」と言われた気がする。小学5年生の男の子が調子どう?と言わんばかりに話しかけてくる。店主夫婦はいつものことのように仲良く会話をしてる。は?ここはポケモンの世界かな?

少年の名前はカズキ。さっきもらった牛乳せんべいを作っているのが彼の母で、東海汽船の三宅島リーダー的な役割の父を持つらしい。島を牛耳ってもおかしくないやん。超キーマンかよ、ほんとにポケモンすぎ。

3人で自転車に乗ってキャンプ場目の前まで送ってもらってお別れした。大事な二眼レフで写真を撮らせてもらったから、写真展でいつしか何度もこの話をしたい。何度だって思い出したい。

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やっとだ!

せっかく三宅島、ギリギリ雨も降らなさそうだし、ここだけはと思っていた七島展望台へ。1時間ほど一心不乱に坂道を登り続け、自転車のバッテリーはあってないようなもの。まぁそんなんどうでもいいわ、火山由来の見たことがない世界だった。

思い出せば出すほど、その光景の色が濃くなるきがする。その場にいた時はただ達成感が押し寄せただけだったけど、三宅島らしい真っ黒の岩肌に、古刹の苔みたく張り付く緑が美しかった。

その帰り道、ゾンビゲームの如く止めどなくウシガエルが出てくる山道を下った。真っ暗闇で鳴くカエルたち。あれ1人だったら、多分走ってなかったと思う。笑


なんとかキャンプ場まで降りてきて、ひたすらに美味しいハンバーガーに舌鼓を乱舞した。こんなに幸せでいいのかなぁ、すごいとかで片付けられないなぁ。

波音をBGMに、2人でなかよくテントの床についた。

37日目(2021.9.9)

265(三宅島)

さ〜て、朝です!
んん、雨です!笑

昨日借りたガスコンロをとんとんのご夫婦に返さないとだけど、なかなか雨が止まない。俳優たまごと「雨降りそうやな」なんて言ってたから、テントはなんとかギリギリ屋根の下。すぐ目の前はびしゃ毘沙門天になってた。あぶねぇ。

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不安定な天気は島を象徴するよう。

しばらく待ちまして、俳優たまごくんは山へガスコンロ返却に、おいらは海でテントを片付けてた。分業とはいいことや。島で撮った写真の裏に2人のメッセージを書いて同封した。後日仕事で連絡したとき、きちんと手に取ってくれたみたい。うれしかった。

昨日のカズキが「島の天気ってこんな感じだよ」って教えてくれたからまだいいけど、降ったり止んだりな中大荷物をもって港の方面へペダルを回す。あぁ、風呂入りてぇ。

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昨日は定休日で営業しておらずに入れなかったところ。キャンプ場にシャワーがあったからいいけど、汗もかいたし湯船が恋しい!海を見つつ、島の人ひとりと合わせて3人で同じ湯に入ってた。

意外とゆっくりしてられる時間はなくて、ちょこっと物足りないくらいであがらなきゃ。船の時間に余裕を持ちつつ、とりあえずチャリを返すべく港に向かう。

よーし、返したぞ〜。最後にご飯にしよう。

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これほどにうまい定食は知らないかもしれない。

島で獲れた魚の刺身定食。うますぎです。日本一周の看板を見てくれた店員さんが明日葉の天ぷらをサービスでつけてくれた。どこまでも優しいな、この島は。

うまいうまいと貪るうちに時間と定食が無くなっていく。もうこの島も離れないと行けないのかぁ。

天ぷらをくれた店員さんと日本一周が終わったら報告しにくる約束をして船に乗る。島の東側を知らないし、また来る理由はほんとにたくさんできた。こんなにも無償の愛をくれる人がいるとは、考えすらできなかった。

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常に違う波紋を作り出す船に乗り、曇った向こうの三宅島に別れを告げる。欲を言わなくとも、もっと長いこといたかった。本格的な島旅は初めてと言っていいくらい、必ずまた来る。絶対にまたここまで来る。

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ちなみに大移動中はこんな感じでした。笑
大変だったんだから〜!笑

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