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値上げ後の【コンビニエンスストア】利用状況調査

食品をはじめとした様々な商品の値上げが相次いでいる中、消費者の購買行動にも変化が起こっています。そこで今回は、コンビニ主要3チェーンをメイン利用する消費者2,978人(平均年齢49.1歳)に、「値上げ後のコンビニエンスストア利用状況」についてアンケート調査を行いました。 

主要3チェーンの特徴

まずは、なぜそのコンビニをメイン利用するのか理由を聞いてみました。

「家から近い(57.9%)」が最も多い

今回アンケート回答をした会員は7割以上が週1回コンビニを利用しています。利用頻度が高いこともあり、メイン利用する理由は「家から近い(57.9%)」等の立地に関する理由が上位に並び、次に「ポイントやお得なサービスがある(40.6%)」となりました。
3チェーンで比較すると、ローソンは「安さ」と「酒類が充実している」から、セブンイレブンはプライベートブランドや、パン、惣菜類、冷凍食品等の「品揃が良い」、ファミリーマートは「会社や駅などから近く利用しやすい」という点で評価が高い特徴がみられました。

コンビニで値上げを感じる人はどのぐらい?

7割以上が値上げを感じている

値上げを感じると回答したのは、コンビニ利用者の74.3%となりました。実際に何の商品を購入する際に値上げを感じるのか下図で深堀していきます。

「パン(菓子パン・総菜パン)」が最も値上げを感じる

最も回答が高かったのは「パン(菓子パン・総菜パン)(33.8%)」で、各チェーンともに最も値上げを感じる商品となりました。次に「デザート(プリン・ヨーグルト・ゼリー等)(26.1%)」、「おにぎり(25.3%)」が続きます。
 
各チェーン毎に見ると上記の他、ローソンは「ケーキ、生菓子(シュークリーム、チーズケーキ等)」、「スナック菓子」、セブンイレブンは、「おにぎり」や「お弁当」、「サンドイッチ」、「惣菜類」、ファミリーマートは「ホットスナック(唐揚げ・肉まん)」や「飲料」に消費者は値上げを感じていることがわかります。
POB会員が普段から高い頻度で訪問しているお店だからこそ、細かな変化にも気づきやすいことがコメントから伺えます。

「ローソンでおにぎりの割引セールがなくなってしまった。(ローソン利用者/50代女性)」
「スイーツを買う時にわかる(ローソン利用者/60代男性)」
「お菓子をよく買うので値段が上がったなと思う(ローソン利用者/40代男性)」
 
「以前は、セブンイレブンでおにぎり100円セールをしていたが、全然やらなくなった。(セブンイレブン利用者/30代女性)」
「おにぎりを買う機会が多いが、以前と同じ量を購入しても支払金額がかなり増えた。(セブンイレブン利用者/50代女性)」
「食べ物は全体的に値段も高くなり、容量も少なくなった。最近は下手すると、外食するよりコンビニ弁当のほうが高くつく。(セブンイレブン利用者/40代男性)」
 
「ファミチキが大好きで良く買うが、198円から220円になって、コンビニで手軽に食べられるはずのチキンがそこそこ良い値段のチキンになってなかなか買いづらくなった。(ファミリーマート利用者/20代女性)」
「ファミリーマートでのファミコロや焼き鳥が好きだけど、少し値段が上がって、気軽に買えなくなった。(50代男性)」
「飲料系とお弁当や惣菜系が値上げしている(ファミリーマート利用者/60代男性)」

今後コンビニの利用は減ってしまうのか?

値上げが続く中、今後コンビニの利用は減ってしまうのでしょうか。

6割以上が「変わらないと思う」

アンケートの結果、コンビニの利用は「減ると思う(36.0%)」と回答される一方、「今までと変わらないと思う(63.0%)」が半数以上となりました。

レシート分析:「パン」の売上構成比

続けて、POB会員から取集したレシートデータから更にコンビニの利用状況を分析していきます。
前出のアンケートで最も値上げを感じると回答された「パン」は、値上げが続くことで他業態に購入先を切り替えるなど何か変化が起こっているのでしょうか。

各業態とも構成比は横ばいに

POB会員が「パン」を購入する業態は6割がスーパー、3割がコンビニエンスストアとなりました。様々な情勢の影響を受け2022年7月からパンの値上げもありましたが、月ごとで多少の変動はあるものの、購入業態の構成比にほとんど変化は見られませんでした。

下図の「今後も変わらずコンビニで買う商品は何ですか?」と尋ねたアンケート結果でも、「パン」は6位と上位にランクインしています。

コンビニエンスストア利用の今後

会員のコメントを見ると、コンビニの利用は「今後は買い控えるものもある」、「商品によって使い分ける」という意見もありますが、ポイントやキャンペーン等のサービスや、立地や営業時間帯等の利便性、たばこやプライベートブランド、季節限定商品といった目的の商品があるため、利用状況は「変わらない」ことが伺えます。

「高くなったものは購入を控えるが、コーヒー等はそんなに値上がりしてないので買い続ける。お菓子等はスーパーで買うが、オリジナル商品のお菓子は安いので購入すると思う。(50代女性)」
「無駄遣いをしないように、衝動買いは控えると思う。(50代女性)」
「利用回数は変わらないと思います。ただ一度に使う金額は減るでしょう。(50代男性)」
 
「コンビニはスイーツやパン、お菓子などのトレンド商品が多く、それを買うのが楽しみなので、定期的に行くと思います。(50代女性)」
「ポイントをためているので、あまり変わらず利用する(20代男性)」
「ポイントを貯めていたり電子マネーを持っていたりするので、変わらず利用すると思う。(30代女性)」
「深夜帯に営業しているのがコンビニぐらいなので、今後も変わらない(30代男性)」
「決済方法が多様なのでコンビニを使う(40代男性)」
「たばこを買うので頻度は変わらない(50代女性)」
「たまにスーパーよりお得なキャンペーンがあるのであまり変わりなく利用すると思う(50代男性」

前述のアンケート結果とコメントから、コンビニはその充実したサービスから着実に商圏内の消費者から支持を得ていることがわかりました。
しかし、今後も値上げが続くことによって、「買い控え」や「使い分け」がより強く意識されることが予想されます。利便性の他にも、コンビニ独自のサービスを伸長させていくことが今後の来店動機に必要になるのではないでしょうか。

「ポイントアップサービスがあればまた利用しても良いと思う(50代男性)」
「割引クーポンや、1個買うともう1個もらえるなど、お得なキャンペーンがあれば利用したい(40代女性)」
「購入度にポイントが貯まったり、クーポン配布等があると、購入頻度は増えると思う(30代女性)」
「コンビニでしか買えないオリジナルのパンやスイーツ等はそのまま買うと思うが、他でも買えるものはドラッグストア等を利用するかもしれない(40代男性)」

今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。
データに関してご質問等ある方は、お気軽にお問合せください。

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