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オカアサンガシンデシマッタラドウシヨウ

久しぶりに終日在宅、
やっとたまった仕事に取り掛かれると意気込んでいた昨日。
母の入っている老人ホームから電話が来るわ来るわということになった。

一昨日に、母さんの歯茎からの出血が止まらないという連絡を受けた。
歯茎からの出血は、かれこれここ1年くらい母の訴えであり、受診時にも相談していたし、ホームに訪問する歯科からは歯周病といわれ、血液検査でもヒットしないので聞き流されていたところだったのである(しかしずっと貧血傾向で、これは胃なのか、他の病気なのかと検査はし続けていたのである)。

入浴時に、母さんからするといつものちょっと多い出血くらいな感じだったようだが出血。職員も目の当たりにするようになり、たまたま訪問していた歯科医も確認。医師曰く、これは出血でなくて出血量が吐血。処置するが止まらず、これは歯周病ではないということになった。

で、歯科医が、これは癌かもしれないと、母に言ってしまったようなのである。(その可能性は十分あり得るわけだが)

さあ、大変。
母さんの頭の中は癌、癌、これは癌、不安一色になる。

母さんからも「癌かもしれない」と電話が来る。
ホームからも、受診手配と連携に苦労している連絡が来る。(母さんは糖尿や循環器についてはホームの訪問医を主治医にしておらず、薬も変わったものを服用している)

母さんの判断能力や体調、食欲はいたって通常稼働のようだが、とにかく出血が止まらないというのである。

やっぱり癌なんじゃないかしら。鍋谷さん(近所で仲良くしていたかなり年上のおばちゃん。たしか大正生まれで、絵に描いたようなすごいしっかりものだったのに、晩年は認知症になり下着姿で外を歩いていたとか話を聞いている)も、癌になって、歯を全部抜いたって言っていたし。

母さんは電話でそう言う。

そうだねえ、でもとにかく検査してみないことにはね。

そうだねえ。

癌じゃないか、癌じゃないかって心配して寝れないほうが体に良くないからね。寝てね。

寝れないよう。口の中に血がたまって気持ち悪くなって起きてしまうから。


ホームさんの頑張りで、主治医とコンタクトを取り、血液サラサラ薬を休薬させ、今日には予約なしで受診するという手配を取ってくださった。

気を揉んでもしょうがない。検査をするしかないのではある。


それでも家族であるので、落ち着かないことには変わりないのである。
むしろ私のほうが手がつかなくなって、ひたすら寝てしまったよ…。

たとえ病気のデパートでいつどうなってもおかしくない母さんだとしても。
目標80歳になった母さんだとしても。
娘の私も50を超えてるいい大人だとしても。
落ち着かないものは落ち着かないのである。

わたしは、
多くの方の生老病死に関わる仕事についてしまった故
医者じゃなくても、根拠なくても、妙な勘はある。
書きたくないけど、
書くことでちょっと気を紛らわしたいということで
書いてしまうけど
正直言えば、年がかわるころから
母さんはそんなに長くないんでないかという予感はある。
そういう空気感や、
こういう訴えされると、そうか、、という
(これはデマになってしまうと問題なので書かない
エピソードは受け止めている。

誰にだってお迎えが来ることも、
死んでも量子物理学的にはある世界に還っていくらしい説(田原広志先生の「死は存在しない」読書会に参加したばかりだし、なぜか今年に入ってから意図せずに、イチ人間は量子物理学的な何か大きいものの一部というような勉強会に参加することが多いんである)も学んでいる。

しかしなあ、それでも、
わたしは母の子であり、いろいろお互い思うところもあるんだろうけど、唯一無二の関係なのである。

いよいよくるのか、
いよいよ死んでしまったら、どうしよう。

母さんの苦痛が軽減されることを祈るし、せっかくの今を引き続き楽しみ、積読になりつつある書籍も読みつくしていただきたい。

母さんの健康が回復し、日々を重ねられますように。
ただ祈るしかないのだ。

さあ、とにかく私は私のやるべきことをやるんだ。

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