見出し画像

「長崎歳時記手帖」準備中……

 あさってからスタートする「長崎歳時記手帖」の準備をしています。連載のもとになるのは、以前開いた「いまを楽しむ長崎歳時記」という講座です。「川原慶賀の『日本』画帳 〜シーボルトの絵師が描く歳時記」(弦書房)も、これをもとに作ったのですが、実際に講座でご紹介した資料も話も、入りきれないものがたくさんありました。「長崎歳時記手帖」では、そのあたりも盛り込んで、楽しく進めていけたらと考えています。

 画像の入れかたなどを、試行錯誤しています。川原慶賀の絵は、パブリックドメインとされているものもあるのですが、ここでは、長崎歴史文化博物館のサイト内にある「川原慶賀の見た江戸時代の日本(I)」にリンクする形でご紹介していこうと思います。ここには、慶賀作品の多くをコレクションしている、オランダのライデン国立民族学博物館と、日本国内にあるものが収録されています。慶賀さんの絵は、ほかにもドイツやロシアなどの博物館に収められているのですが、それらは人物画や植物画などの特定のジャンルのものだったりします。その「特定のジャンル」も、基本はライデンと日本にあるものから派生しているものなので、おおかたのものはここで見ることができると言えるでしょう。

 ドイツの人物画も、ロシアの植物画も、数年前に「来日」しました。江戸時代の町絵師の絵が「来日!」って、たいしたもんだ、と思います。

 画像引用のテストも兼ねて、私がもし慶賀さんの絵を「どれか一枚あげるよ」と言われたら、これ!というものをご紹介します。

 大晦日の風景を描いた「歳市、行商」です。(ここに貼るのは小さな画像にしています。リンクに飛ぶと、拡大した画像も見ることができます。)

画像1

 この絵については、その時季にくわしくお話ししますが、もうひとつの「長崎歳時記」である、野口文龍さんの文章と並べると、相談しながら描いたんじゃないかというほど一致しています。二人ともがおなじ長崎のおなじ大晦日を書き、描いているのですから、当然といえば当然なのですが、それでも、江戸時代の生活風景が、このスナップ写真のような鮮やかな絵と、詳しい文で残されていることが、まさに「ありがたい」と思えてなりません。

 「長崎歳時記手帖」、どうぞお楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?