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恒例、もやもや夏休み

小学生時代の夏休みの思い出はどんなものだっただろう。

虫取りや自由研究、親の田舎への帰省など数々あるが、私の小学生時代の夏休み恒例の思い出といえば、夏休みになると必ず何かしらの病気になっていたことが1番に思い出される。
だから、子供の頃は、夏休みが始まる前になると「夏休みは楽しみだけど、今年も何か病気するのかな。いつも夏休みの半分はいつも病気になってしまうけど、今年は何事もなく、夏休み全部を楽しめたらいいな。」というもやもやした気持ちでいた。

それともう一つ、小学生時代の夏休み恒例の思い出がある。
それは私より2歳上の親戚の女の子、ふうちゃんが1週間ほど泊まりで遊びに来るということだ。
こちらは一人っ子だった私にとって楽しみなイベントで、その子が遊びに来ると必ず、ディズニーランドに1日行くことになっていた。

病気とふうちゃん。
このふたつの出来事がほぼ同時に起こってしまった夏休みについて今回は書きたいと思う。


小学校3年生の夏休みだったと思う。
いつもの夏休みのように、ふうちゃんは母方の祖母に連れられて泊まりで私の家に遊びに来た。
ふうちゃんが来る前も来てからも、私は、もう次の日ディズニーランドへ行くことが楽しみで仕方なくてずっとウキウキしていたように思う。
晩ご飯を食べ、お風呂に入り、布団に入る時間になった。

ふうちゃんが泊まりに来ていたのでいつもと布団の敷き方が違っており、私とふうちゃんがリビングで布団を並べて敷き、隣の和室で両親が、タンスのある部屋におばあちゃんが寝ることになった。

布団に入ってからも、次の日ディズニーランドへ行くことを思うとなかなか寝付けなかったので、しばらくふうちゃんと話をしていたように思うが、いつの間にか寝てしまっていた。

どれくらい寝ただろうか。
しばらく寝ていたが突然耳が痛くなり夜中に目を覚ました。
本当に耳が痛くて「痛い、痛い」と言いながら隣の和室で寝ていた両親のところへ行った。
どうしようかという話し合いの末、夜中なので朝一で病院へ行こうということになったが、朝まで母が私の様子をみるために、私は父と寝ている場所を交換する形で母の隣で寝ることになった。

この騒ぎの中ふうちゃんはぐっすりと寝ていて全く気づく様子も起きる様子もなかった。

朝、ふうちゃんが目覚めて隣に目をやると毛の生えた足があったらしい。私が一晩で毛深くなったと思ったふうちゃんは驚いたが、確認するようによく見ると、そこには夜中の間に私と寝る場所を交換していた父が寝ていたので「なぁんだ」とほっとしたらしい。

一方私は耳が痛くてよく眠れないまま朝を迎えた。
この日の朝は最悪な気分だった。あまり眠れていないうえにディズニーランドにも行けなくなってしまったからだ。
その日は、仕事がある父は会社に行き、ふうちゃんと母はディズニーランド、私はおばあちゃんと一緒に病院に行って家で留守番することになった。留守番している間も「ふうちゃんはせっかく遠くから来たんだから、仕方ないけど、今頃ふうちゃんとお母さんはディズニーランドなんだ。いいなあ。」とずっと思っていた。

病院に行った結果、私は中耳炎だったが、うつらないとはいえ熱があったために、ふうちゃんはその後すぐ帰ってしまった。
そしていつも通り、私の夏休みの半分は病気で予定キャンセルになってしまった。

私の夏休みの思い出はいつもこんな感じで病気になったりしていた。嫌なことと楽しいことが混在していてもやもやするのが私の小学生時代の夏休みだった。夏休み全体を満喫できるようになったのはもう少し大きくなってからだったが、これはこれで思い出だ。



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